慣れない運動における自由度の凍結
慣れない運動をを行うとき,はじめは身体を硬くしてぎこちなく,慣れてくると余分な力を入れずに動ける
例:利き手と逆の手で字を書く
右利きの人に左で字を書かせるという課題(Newell, van Emmerik, 1989)
はじめは肘や手首などの関節を固定して字を書く:静的自由度の凍結
熟練すると,特異的な(?)位相関係で各関節を動かすようになる
スポーツのコーチの「力を抜け」という指示:自由度を解放しろ,ということに相当
初期の段階で自由度を凍結することは,動作の目的自体を達成するのに不可欠
曲がりなりにも一度成功させることで全体の流れをつかめる?yosider.icon
自由度の凍結と解放の前後で,運動の随意性が変わる
経験的に,運動学習の過程で自由度を凍結するとき,凍結される自由度を意識している
とりあえず結果・目的を実現する(字なら正しい位置に線を書く)ことに意識が行く気がするyosider.icon
すると自然に自由度を固定してしまう,なぜ?yosider.icon
習熟するにつれ意識せずに運動ができるようになる,無意識に身体が動く
大脳皮質,小脳,大脳基底核の生理学的な研究がもっと必要
出典: #脳と身体の動的デザイン―運動・知覚の非線形力学と発達