嗅覚マップ
嗅覚情報の集約・ノイズ除去
嗅覚受容体遺伝子はマウスで約1000種、ヒトで約350種あるが、各嗅神経細胞につき1種のみ発現している
1入力1出力
単一の樹状突起が嗅上皮表面へ伸び、先端から20~30本の嗅繊毛が嗅粘膜中へ
単一の軸索が嗅球糸球体に接続
同じ嗅覚受容体を発現する数千個の嗅神経細胞は、嗅上皮上で散在しているにもかかわらず、軸索が1~2個の糸球体に収斂する
逆に、各糸球体は単一の嗅覚受容体を発現する細胞の軸索のみを受け入れる
糸球体に集約することで信号増幅・SN比向上?
さらに、入力する嗅神経細胞の種類に応じたドメイン構造が存在
嗅上皮の背内側領域(Dゾーン)に位置する嗅神経細胞の軸索は嗅球背側領域(Dドメイン)に投射
Dゾーンの中でも、クラスI嗅覚受容体を発現する嗅神経細胞の軸索は、より背側のDIドメインに
クラスII嗅覚受容体を発現する嗅神経細胞軸索はより腹側のDIIドメインに投射
嗅上皮の腹外側領域(Vゾーン)の嗅神経細胞の軸索(クラスII嗅覚受容体を発現)は嗅球腹側領域(Vドメイン)に投射
Vゾーン内でも嗅覚受容体の種類によって発現領域に偏りがあり、嗅上皮の背内-腹外軸方向の発現分布が嗅球背腹軸方向の投射位置におおよそ対応する(ゾーン構造)
遺伝学的手法を用いてDドメインのみを欠失させたマウスでは先天的嗅覚恐怖行動が無くなる