思考の整理学
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師匠の教えようとしないものを奪いとろうと心掛けた門人は、いつのまにか、自分で新しい知識、情報を習得する力をもつようになっている。いつしかグライダーを卒業して、飛行機人間になって免許皆伝を受ける。伝統芸能、学問がつよい因習をもちながら、なお、個性を出しうる余地があるのは、こういう伝承の方式の中に秘密があったと考えられる。
読んでいくと、感心するところ、違和感をいだくところ、わからない部分などが出てくる。これを書き抜く。くりかえし心打たれるところがあれば、それは重要である。わからない謎のような箇所が再三あらわれれば、それも注意を要する。
やはり、ナベを見つめすぎるからであろう。ナベにも煮えるのに自由な時間を与えなくてはいけない。あたため、寝させる必要がある。思考の整理法としては、寝させるほど大切なことはない。思考を生み出すのにも、寝させるのが必須である。
ひとつだけだと、見つめたナベのようになる。これがうまく行かないと、あとがない。こだわりができる。妙に力む。頭の働きものびのびしない。ところが、もし、これがいけなくとも、代りがあるさ、と思っていると、気が楽だ。テーマ同士を競争させる。いちばん伸びそうなものにする。さて、どれがいいか、そんな風に考えると、テーマの方から近づいてくる。「ひとつだけでは、多すぎる」のである。
真にすぐれた句を生むのは、俳人の主観がいわば、受動的に働いて、あらわれるさまざまな素材が、自然に結び合うのを許す場を提供するときである。一見して、没個性的に見えるであろうこういう作品においてこそ、大きな個性が生かされる
一般に、ものを考えるにも、この触媒説はたいへん参考になる。新しいことを考えるのに、すべて自分の頭から絞り出せると思ってはならない。無から有を生ずるような思考などめったにおこるものではない。すでに存在するものを結びつけることによって、新しいものが生れる。
寝させておく、忘れる時間をつくる、というのも、主観や個性を抑えて、頭の中で自由な化合がおこる状態を準備することにほかならない。ものを考えるに当って、無心の境がもっともすぐれているのは偶然ではない。ひと晩寝て考えるのも、決して、ただ時間のばしをしているのでないことがわかる。
知的生産の技術で述べられているカードによる整理が言及されている
ロゲルギストのことをわたくしの『知的創造のヒント』の中で紹介した。
三上→馬上、枕上、厠上
従僕に英雄なし