情報理論
ベルによる電話の発明からマルコーニによる無線通信の発明に至るまで、「情報を運ぶのは電流/電圧の波形」と考えられた。
そのため、通信技術の主な目的は波形の忠実な伝送だった。
これに対してシャノンは、
「情報を運ぶのは波形ではなく情報量という確率的概念である」と考え、
(1)エントロピー/伝送速度/相互情報量/通信路容量/
通信路モデル/符号化/復号化/誤り訂正符号/データ圧縮などの基礎概念を確立し、
(2)「シャノンの三大基本定理」を証明して「通信の数学的理論」(情報理論)を構築した。
情報理論は、それまで個々に蓄積されていた通信技術を科学の一分野にした。
情報理論における情報は確率量であり、情報が持つ意味を無視する。
情報理論では「情報=情報量で定義される確率的対象」だ。
「情報理論」という名称は、固体物理学のブリュアン帯で知られるブリュアンによる。
シャノンは、この名称を嫌った。「情報学」のように文系の印象を与えるためか。
ブリュアン → レオン・ニコラ・ブリルアンのこと
シャノンの情報理論は情報を意味論から完全に切り離したことで,高度な情報通信・情報処理を可能にしました.
コンテンツに関わる理論があるとすれば,この一度捨象された「意味論」を情報技術に取り戻す努力だと言うことができるでしょう.