インターステラー
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オッペンハイマーの関連でというか、まあ有名な作品なので、甲府までの行き帰りの電車で観た。U-NEXT。まあ、なんというか、なるほどなという感じだ、クリストファー・ノーランの作家性。オッペンハイマーでは、核爆発がチェーンリアクションで大気にまで引火してしまう可能性について「ニアーゼロだ」(いや、ゼロじゃないんかい...!!!!)という概念?言葉が印象的に使われていたが、インターステラーでは「起こりうることは起こる」「マーフィーの法則」という言葉が効果的に使われていて、こういうことがノーランの琴線というか強い関心ごとにあるんだろうな、俺もだし、多くの人間はそうでしょう、さらにはif、もしも、タラレバ、そういうもの、時間の一方向性みたいなものにどうしようもないかけがえのなさを感じる、みたいなところもあるだろう、昨今はマルチバースが世の中に溢れすぎていて、「またマルチバースかよ」みたいな言われ方をするものも去年は多かった気がするが、ノーランは前からマルチバース、並行宇宙、そういうものへの関心を作品にしていて、そんなものはない、あったとしてもこのバースで生活している自分たちにはなんの慰めにもならないみたいなことを打ち出しているように思える。パストライブスは輪廻転生とかいう概念を持ち出しながらも逆説的に、はっきりと「マルチバースなんてないんだ」ということを俺に突きつけたが、似たようなことをオッペンハイマーにもインターステラーにも感じることができよう、無理やりかもしれないが。それはそれとして、好きか嫌いかで言うと「ちょっと苦手...」みたいな感想である、ノーラン作品。難しいし、長い、そしてSF。SFが得意ではない自分としてはやはり今のところはオッペンハイマーが一番楽しめた。短縮の仕方とかかっこいいけど。クーパーがマーフィーとお別れするシーンとロケット発射のカウントダウンがクロスフェードするのとか、めっちゃいいなって思った。「このつなぎめっちゃうまいな!」みたいな感じ。ダークナイトでジョーカーが脱獄するともすごい好きなんだが、こういうとこは好きだ。あと作品自体の長さも、インターステラーに関しては、長い時間そのものが意味を持っているみたいな感じもあって、良かったとも思う。 概要
脚本はジョナサン・ノーランとクリストファー・ノーランが執筆しており、2007年にジョナサンがパラマウント映画とリンダ・オブストの下で開発したスクリプトにクリストファーのアイデアが合わせられている。製作にはクリストファー・ノーラン、オブストの他にクリストファー・ノーランの妻のエマ・トーマスが参加し、また理論物理学者のキップ・ソーンが科学コンサルタント兼製作総指揮を務めている(なお、キップ・ソーンは2017年、重力波検出装置の構築及び重力波発見への決定的な貢献により、ノーベル物理学賞を受賞している)。 プレミア上映は2014年10月26日にロサンゼルスで行われ、11月より全世界で公開が始まった。北アメリカではデジタル上映の前にまだフィルムを利用している映画館で限定公開され、興行的に成功を収めた。
製作
企画と出資
クリストファー・ノーラン監督(2013年)
『インターステラー』の前提は、カール・セーガンに紹介されて以来の知人どうしであり、1997年の映画『コンタクト』でも共同した映画プロデューサーのリンダ・オブストと理論物理学者のキップ・ソーンにより考案された。ソーンの案に基づき、2人は「宇宙で最もエキゾチックなイベントに急に人類がアクセス可能になる」ことについてのシナリオを考案し、スティーヴン・スピルバーグが監督に興味を示した。2006年6月、スピルバーグとパラマウント映画はオブストとソーンによる8ページのトリートメントに基づいたSF映画の計画を発表し、企画が始まった。オブストは製作に参加し、そして『バラエティ』はスピルバーグが監督する前に「共に働くまでに数年を要するだろう」と報じた。2007年3月までにジョナサン・ノーランが脚本執筆のために雇われた。 スティーヴン・スピルバーグが2009年に自身の製作会社のドリームワークスをパラマウントからウォルト・ディズニー・カンパニーに移したため、パラマウントは『インターステラー』の新しい監督を必要とした。ジョナサン・ノーランは兄のクリストファーを勧め、彼は2012年よりプロジェクトに加わった。クリストファー・ノーランは後に製作総指揮となるキップ・ソーンと会い、物語中での時空の使用について議論した。2013年1月、パラマウントとワーナー・ブラザースはクリストファー・ノーランと監督交渉をしていることを発表した。ノーランは自分が再び有人宇宙飛行の目標を奨励したいと述べた。彼は自分のアイデアを基にして弟のものと合わせて脚本を書くつもりであった。3月、ノーランが監督することが明かされ、彼のレーベルのシンコピーとリンダ・オブスト・プロダクションズ(英語版)の下で製作されることとなった。『ハリウッド・リポーター』はノーランのギャラが興行収入のうち20%であると報じた。ノーランはリサーチのためにNASAとスペースXを訪れた。 出資はパラマウントとノーランの『バットマン』の映画などを公開したワーナー・ブラザースが共同で行う。両スタジオはライバル関係にあるが、ワーナー・ブラザース側はノーランのシンコピーとの契約を維持するため、パラマウントに『13日の金曜日』と『サウスパーク』の映画化権を譲渡することで製作に参加した。2013年8月、レジェンダリー・ピクチャーズは製作費の25%を出資する契約をワーナー・ブラザースと結んだ。ワーナー・ブラザースとの8年間の製作提携契約を終えたレジェンダリーは『インターステラー』への参加と引き換えに『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』への出資断念に同意した。
脚本執筆
脚本家のジョナサン・ノーランはスティーヴン・スピルバーグによって『インターステラー』のために雇われ、4年かけて執筆した。科学を学ぶため、執筆のあいだ彼はカリフォルニア工科大学で相対性理論を学んだ。ジョナサンはスペースシャトル計画が終了し、NASAが有人火星ミッションの資金を欠いている事について自身は悲観していると述べた。彼は『ウォーリー』(2008年)や『アバター』(2009年)のような終末論的なテーマを持つSF映画からインスピレーションを見つけた。『エンターテインメント・ウィークリー』は「疫病によって荒廃したディストピアな未来を舞台で、絶望に屈しない強い人々による移民の物語」と報じた。ジョナサンの兄のクリストファーは当初他のSF脚本を手がけていたが、ジョナサンとキップ・ソーンが提示した多大なアイデアを選択し、自身が長年にわたって取り組んでいた脚本と組み合わせた。クリストファーは最初の1時間についてジョナサンの構想を念頭に置き、資源枯渇した近未来の地球を舞台とした。設定は1930年代の大恐慌時のアメリカ合衆国のダストボウルに触発された。クリストファーは代わりにチームが宇宙を旅する脚本の残り部分を修正した。インスピレーションのために2012年の映画『The Dust Bowl』を鑑賞した後、クリストファーは監督のケン・バーンズとプロデューサーのデイトン・ダンカンに連絡を取ってインタビューの一部を『インターステラー』で使用する許可を求めた。 クリストファーが脚本を書き直したことにより、当初の脚本から以下の点が変更された。
当初の脚本ではクーパーの2人の子供はどちらも男の子であったが、自身も娘を持つクリストファーがマーフの性別を女の子に変更した。
映画の中では、クーパーとマーフは本棚から落ちる本のメッセージを解読してNASAにたどり着くが、当初の脚本ではクーパーが墜落した宇宙探査機を発見し、その宇宙探査機が発信するシグナルに導かれてNASAにたどり着く。
映画の中ではクーパーたちの前に3人の先駆者がワームホールを通過して調査を行っていたが、当初の脚本ではこの3人の先駆者は登場しない。
当初の脚本ではブランド教授の登場シーンは少なく、ロボットのCASEがプロジェクトのリーダーであった。
当初の脚本では、クーパーたちはワームホールを通過中に人類を超越した高度な知的生命体と遭遇する。
映画の中では、宇宙船エンデュランスは水の惑星、氷の惑星、エドマンズの惑星という3つの惑星を訪れるが、当初の脚本ではエンデュランスは氷の惑星にしか向かわない。
当初の脚本では、クーパーたちはアメリカに先駆けてワームホールを通過した中国のチームを氷の惑星で発見する。中国のチームは長期にわたる放射線の影響でクーパーたちが氷の惑星を訪れるずっと前に死んでいた。
当初の脚本では、クーパーたちは氷の惑星で中国のチームが開発したロボットたちに遭遇する。中国政府はすでに計画を中止していたが、ロボットたちは自分たちを迎えにくる人間を待っていた。
当初の脚本では、氷の惑星には、無数の個体が互いに体を接合し光を吸収して生きているという奇妙な生命体が生息していた。
映画の中では、地球のブランド教授とマーフが重力の謎を解明しようと研究を行っていた。しかし当初の脚本では、地球で重力を解明しようと努力する科学者は登場せず、代わりにクーパーたちは中国製のロボットたちが作ったコロニーの中で重力を操作する装置を発見する。
映画の中では、クーパーたちは氷の惑星でマン博士に出会うが、当初の脚本にはマン博士というキャラクターは登場せず、代わりに中国人の開発したロボットがクーパーたちを襲うことになっていた。
当初の脚本では宇宙にいるクーパーと地球にいるマーフとの交信は存在せず、クーパーとアメリアの視点のみで物語が進行しており、クーパーとアメリアは愛し合う関係となる。
当初の脚本では、中国のチームが残したログから、クーパーたちは2つ目のワームホールを発見する。
当初の脚本では、クーパーは自身が宇宙の調査へと出発してから200年後の荒廃した地球へ帰還する。
知的生命体、奇妙な生命体はいたほうが退屈しないで良かったと思う(小並感)
キャスティング
監督のクリストファー・ノーランは、2012年の映画『MUD -マッド-』のプロデューサーの1人であるアーロン・ライダーと友人であったために同作の初期カットを鑑賞し、その後マシュー・マコノヒーのキャスティングに興味を持った。マコノヒーがルイジアナ州ニューオーリンズでテレビシリーズ『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』の撮影をしている間、ノーランは自宅に彼を招いた。またアン・ハサウェイもノーランの自宅に招かれ、『インターステラー』の脚本を読んだ。2013年4月、パラマウントは両者が主演にキャスティングされたことを発表した。ノーランはマコノヒーのキャラクターを「観客に物語を体験させる」ためのごく普通の人物であると述べた。ジェシカ・チャステインとは北アイルランドで『Miss Julie』の撮影中に接触し、脚本が送られた。 ほかの有名な俳優の参加は映画を「オールスターキャスト」とした。イルファーン・カーンは『めぐり逢わせのお弁当』と『D-Day』の公開のためにインド滞在を望んだために出演を辞退した。マット・デイモンは2013年8月末に端役でキャスティングされ、アイスランドで彼の場面が撮影された。
撮影
ノーランはアナモフィック(英語版)35mmとIMAXで撮影した。これまでのノーランの全作品を撮影したウォーリー・フィスターは監督デビュー作『トランセンデンス』の作業があったため、今作にはホイテ・ヴァン・ホイテマが撮影監督として雇われた。IMAXカメラはこれまでのノーランのどの映画よりも多く利用された。コンピュータ生成によるイメージを最小限に抑えるため、ノーランはスペースシャトルの内部といった実物のセットを建築した。ヴァン・ホイテマは内部の場面の撮影のために携帯用にIMAXカメラを再整備した。いくらかの場面はリアジェットのノーズコーンにIMAXカメラを取り付けて撮影された。
秘密主義者で知られるノーランは『インターステラー』の際にも厳重な警備を務めた。守秘措置の1つとして、撮影は『Flora's Letter』という題名の下で行われた。フローラとは、ノーランとプロデューサーのエマ・トーマスとのあいだの4人の子供のうちの1人である。 主要撮影期間は4ヶ月のスケジュールで進められた。主要撮影は2013年8月6日にカナダアルバータ州で始まった。撮影が行われたアルバータ州の町にはナントン(英語版)、ロングビュー(英語版)、レスブリッジ、オコトクス(英語版)が含まれた。オコトクスではシーマン・スタジアム(英語版)とオールド・タウン・プラザで撮影された。トウモロコシ畑の場面の撮影の際、ノーランはプロデュースした『マン・オブ・スティール』(2013年)の経験から、実際にトウモロコシを栽培することにした。プロダクションデザイナーのネイサン・クロウリーは1930年代のダストボウルに触発された終末的な砂嵐の場面で破壊されるトウモロコシを500エーカーにわたって植えた。さらにマコノヒーのキャラクターを含む砂嵐の場面はフォート・マクラウド(英語版)で巨大な扇風機を設置してセルロース系の合成ちりを吹き飛ばして撮影された。アルバータ州での撮影は2013年9月9日まで続き、数百のエキストラと130人のスタッフが起用され、そのほとんどが地元民であった。 映画のためにトウモロコシを栽培してるのすごすぎる
撮影はまたノーランの2005年の映画『バットマン ビギンズ』と同じアイスランドでも行われた。スタッフは約10000ポンド(4500キロ)のモックの宇宙船を同国に運び、それは氷で覆われたものと水で覆われたものの2つの惑星を表現するために選ばれた。アイスランドでの撮影は2週間の予定で行われ、約350人のスタッフのうち130人が地元民であった。ロケはスナイフェルスヨークトル氷河とクロイストゥルの町で行われた。アイスランドでの撮影中、アン・ハサウェイは水中の場面を撮っている際にドライスーツに不備があったために低体温症となった。 アイスランドでの撮影後、スタッフは54日間の撮影のためにロサンゼルスへと移動した。カリフォルニア州での税額控除が製作費7500万ドル以上の映画に不適応となって以来、カリフォルニア州での撮影は希であった。撮影地にはウェスティン・ボナヴェンチャー・ホテル(英語版)、ロサンゼルス・コンベンション・センター、カルバーシティのソニー・ピクチャーズのサウンドステージ、アルタディーナ(英語版)の民家が含まれた。撮影は2013年11月に完了し、ノーランは2014年に公開に向けての編集作業を開始した。製作は1億6500万ドルの費用で完了したが、これはパラマウント、ワーナー・ブラザース、レジェンダリー・ピクチャーズによる割り当てより1000万ドル少なかった。 プロダクションデザイン
『インターステラー』にはレインジャー、エンデュランス、ランダーの3つの宇宙船が登場する。レインジャーの機能はスペースシャトルに似ており、大気圏突入・脱出が可能である。クルーの母船(英語版)であるエンデュランスは12のカプセルで形成される円形構造であり、その内訳は惑星植民機器で4つ、医療ラボと居住スペースで4つ、コックピットとエンジンで4つとなっている。プロダクションデザイナーのネイサン・クロウリーはエンデュランスが国際宇宙ステーションを基にしていると述べている。ランダーは惑星上に植民機器のカプセルを輸送するものであり、クロウリーはそれを「ヘビーなロシアのヘリコプター」と比較した。
映画にはまたCASEとTARSという2体のロボットが登場(マン博士の惑星にもう1体存在するが、レインジャーの電力確保のために解体されている)する。ノーランはロボットの擬人化を避けさせ、5フィートの四角形のデザインを採用した。ビル・アーウィンは当初、両方のロボットの声と振り付けを務めていたが、デジタル処理により彼の姿は除去され、CASEの声はジョシュ・スチュワートのものに変更された。 サウンドデザイン
『インターステラー』はサウンドエンジニアのグレッグ・ランデイカー、ゲイリー・リッツオが音響編集と務め、サウンドエディターのリチャード・キングが監修した。ノーランは劇場で現在の音響機器を最大限活用できるように映画の音響を創り上げようとしたと述べた。ノーランは宇宙飛行士の手袋で押されたボタンの音響といった細部にまで注意を払った。スタジオのウェブサイトでは「『インターステラー』のサウンドは、サブウーファー用チャンネルと同様にメインスピーカー用チャンネルの最低音のパワーを最大化するよう特別に編集されてきた」と説明されている。 音楽
詳細は「en:Interstellar: Original Motion Picture Soundtrack」を参照
ノーランの『バットマン』三部作も担当したハンス・ジマーが『インターステラー』の音楽を作曲した。ジマーとノーランは三部作の音楽から離れることを計画し、ユニークなものを思いついた。ジマーは「テクスチャー、音楽、音響、そして我々がちょっとつくったものは他の人の映画にちょっと少し浸透したので、再発明する時だ。終のない紐(オスティナート)は路傍を通り過ぎる必要があり、大きなドラムは多分ごみ箱の中にあるだろう」と述べた。サウンドトラックは2014年11月18日に発売された。 視覚効果
視覚効果はノーランの2010年の映画『インセプション』も手がけたダブル・ネガティブが作り上げた。視覚効果スーパーバイザーのポール・フランクリンはノーランの『ダークナイト ライジング』や『インセプション』よりも視覚効果数は多くはなく、グリーンスクリーンよりもデジタルプロジェクターを用いて作り上げたことを明かした。 宇宙船レインジャー、エンデュランス、ランダーはCGよりも本物に拘ったノーランの希望により、ネイサン・クロウリーとニューディール・スタジオズが手がけたミニチュア・エフェクトを使って作り上げられた。3Dプリントと彫刻を組み合わせて作られたこのスケールモデルはその巨大さ故にスタッフから「maxatures」というあだ名で呼ばれ、エンデュランスの1/15スケールのミニチュアは7.6m以上に及んだ。レインジャーとランダーのミニチュアはそれぞれ14mと15mに及んだ。ミニチュアはホイテ・ヴァン・ホイテマがNASAのIMAXドキュメンタリーを模倣して宇宙船の上にIMAXカメラを取り付けるのに十分な大きさであった。さらにモデルにはオペレーターが動きを操ることができるように運動制御システムに6軸のジンバルが装着され、それはより小さな運動制御トレーラーの上でビスタビジョン・カメラを使っている宇宙の背景プレートに対して撮影された。
本作に影響を与えた作品
監督のクリストファー・ノーランは、地球を離れる物語となれば『2001年宇宙の旅』(1968年)は避けられないとし、「制作中、『2001年』は終始、意識していた。私が体験したように、映画館で子供たちに宇宙を旅してほしいと思った」と語った。また、SF映画のアプローチとしては『スター・ウォーズ』(1977年)や『エイリアン』(1979年)が「常に私の頭から離れなかった」とプロダクションデザインへの影響を認め、「我々が住む世界と同様に親しみのある現実味がないといけない」と述べた。さらにアンドレイ・タルコフスキーの『鏡』がストーリーの風と埃と水の要素に影響を与えている。 ノーランは『インターステラー』で『黄金』(1948年)のように人間の本質を描きたいとも述べている。また、スティーヴン・スピルバーグの『ジョーズ』(1975年)と『未知との遭遇』(1977年)にならい、「ファミリー映画を作ると言うと、昨今ではソフトな感じのものになるという軽蔑的な意味合いに取られてしまうだろう。しかし私が子供だったころ、これらは良く言えばファミリー映画というだけで、どのような超大作とも同じでエッジが利いていて挑戦的だった。私は何らかの方法でそれを復活させたかった」と語った。そしてさらに彼は手本としてスペースドラマ映画『ライトスタッフ』(1983年)を挙げ、製作開始前にスタッフたちのために上映した。現実の宇宙旅行に基づいたさらなるインスピレーションを得るために元宇宙飛行士のマーシャ・アイビンスをセットに招いた。 科学考証
この節の加筆が望まれています。 (2014年11月)
ワームホールを描写し、相対性理論を可能な限り正確にするために理論物理学者のキップ・ソーンが科学コンサルタントを務めた。彼は「ワームホールを正確に描いた映画は今までなかった。ブラックホールも同じだ。今回初めて、その描写がアインシュタインの一般相対性理論に基づいている」と語った。 ワームホールと超大質量回転ブラックホール(非回転ブラックホールとは対照的にエルゴ球を持っている)を作り上げる際、ソーン博士は視覚効果スーパーバイザーのポール・フランクリンと30人のダブル・ネガティブのコンピュータエフェクトアーティストと共同した。彼は理論物理学の公式のページをアーティストたちに渡し、彼らはこれらの現象によって引き起こされる重力レンズのコンピュータシミュレーションを作り上げるために新しいCGIレンダリングソフトウェアを書き上げた。いくつかの個々のフレームはレンダリングに100時間を要し、データは800テラバイトに及んだ。視覚効果の結果、ブラックホールを取り巻く重力レンズと降着円盤に対する新しい洞察がソーンに提供され、コンピュータグラフィックスと天文物理学に関する学術論文が1つずつ作成された。
マーケティング
マシュー・マコノヒーは『ダラス・バイヤーズクラブ』と『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』での好演のため、テレビスポットで焦点が当てられた。
『インターステラー』のティザー予告編は2013年11月14日に公開され、マシュー・マコノヒー演じるクーパーのナレーションによる宇宙開発関係のクリップが使われた。劇場予告編は2014年5月5日にワシントンD.C.の国立航空宇宙博物館のロッキード・マーティンIMAXシアターで上映された。その後予告編はオンラインで視聴可能となり、5月19日までの1週間でYouTubeでは1950万人が視聴して最も見られた映画予告編となった。スタジオは2014年9月末よりテレビスポットの放送を始め、『ロサンゼルス・タイムズ』はそれで『ダラス・バイヤーズクラブ』でのアカデミー賞受賞や『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』での好演で知られるマコノヒーが焦点が当てられていることで視聴者の関心を得ると指摘した。テレビスポットはサンデーナイトフットボールで放送されて幅広い視聴者にアピールした。
クリストファー・ノーランとマシュー・マコノヒーは『インターステラー』のプロモーションのために2014年7月のコミコン・インターナショナルに現れた。『ハリウッド・リポーター』はノーランの登場に先立って「(彼は)自身の新作映画について語ってこなかった」と報じた。2人は簡単な議論に参加し、新しい予告編が上映された。同月、パラマウント映画は宣伝ウェブサイトを立ち上げた。『ハリウッド・リポーター』は「多くの隠された意味がある」と評し、オンラインユーザーがアポロ11号の月着陸に関する星図を発見したことを報じた。
2014年10月、パラマウントは複数のプラットフォーム間で『インターステラー』を販促するためにGoogleと提携した。映画のウェブサイトはGoogleドメインがホストのデジタルハブとしてリニューアルされた。ウェブサイトでは最終版の予告編が公開され、同時に鑑賞予定者各々に向けた劇場の場所とスケジュールのナビゲートが提供された。またGoogleのプラットフォーム間で映画関連コンテンツのナビゲーションが提供され、観客からのフィードバックが集められ、モバイルアプリにリンクされた。2014年9月にパラマウント・デジタル・エンターテインメント(英語版)から公開されたアプリはプレイヤーが太陽系モデルを構築し、宇宙旅行用のフライトシミュレーターを使うことができるゲームであった。パラマウントとGoogleは2015年に利用可能となるユーザーが作成したコンテンツでコンパイルされたバーチャル・タイムカプセルも用意した。両社を通じて『インターステラー』のキャストはGoogle+ ハングアウトを使用して映画について語った。Googleはアメリカ合衆国の学校で数学科学を推進するために映画を利用する。
パラマウントはOculus Riftの技術を利用した宇宙船エンデュランスのバーチャルリアリティ・ウォークスルーを提供している。2014年10月6日から11月19日までニューヨーク、ヒューストン、ロサンゼルス、ワシントンD.C.の4劇場で順番にウォークスルーが開催された。2014年11月11日にランニング・プレス(英語版)よりマーク・コッタ・バズ(英語版)著のメイキング本『Interstellar: Beyond Time and Space』が発売された。また11月7日にはW.W.ノートン&カンパニー(英語版)よりキップ・ソーン著の『The Science of Interstellar』が発売された。
公開
スクリーニング
一般公開に先駆けてパラマウントCEOのブラッド・グレイ(英語版)は2014年10月19日にマンハッタンのリンカーン・スクウェア(英語版)のIMAXシアターでプライベート上映を開催した。その後パラマウントは2014年10月22日にカリフォルニア・サイエンス・センター(英語版)で映画製作者や俳優向けの上映会を開いた。翌日にはカリフォルニア州ロサンゼルスのTCL・チャイニーズ・シアターで映画俳優組合の組合員900人以上に向けて試写を行った。公式プレミアは2014年10月26日にTCL・チャイニーズ・シアターで行われた。ヨーロッパでは2014年10月29日にロンドンのレスター・スクウェアでプレミアが行われた。
パラマウントは2014年10月27日までレビュー公開を禁じたが、それを余所にTwitterに肯定的な評が書かれた。
興行予想
北アメリカでは『インターステラー』と『ベイマックス』が同週末(2014年11月7-9日)に公開された。両作品はそれぞれ初週末に5500万ドルから6000万ドルを売り上げることが予想された。『TheWrap』は僅差になると予想し、『インターステラー』は男性、『ベイマックス』は家族にアピールしていると述べた。『フォーブス』のスコット・メルディソンは2作品の競合を「tight one」と呼び、『シュレック2』と『デイ・アフター・トゥモロー』や『モンスターズ・ユニバーシティ』と『ワールド・ウォーZ』の争いと比較した。ファンタンゴは、『インターステラー』のプリセールスはクリストファー・ノーランの以前の作品『インセプション』を上回るものであり、また2014年公開作としても『猿の惑星: 新世紀』以上であると報じた。また、TCL・チャイニーズ・シアターでのプリセールスも最高となった。
劇場公開
カリフォルニア州ロサンゼルスのTCL・チャイニーズ・シアターは『インターステラー』を上映するために70mmIMAXプロジェクターを設置した。
『インターステラー』は2014年11月4日に科学産業博物館(英語版)のIMAXドーム・シアターで上映された後、11月5日に限定公開され、11月7日より拡大公開された。北アメリカ以外では11月5日にベルギー、フランス、スイスで公開が始まり、さらに11月7日にイギリスを含む多くの国々で封切られた。北アメリカでの限定公開の際、70mmと35mm上映の設備のある249劇場で上映され、そのうち少なくとも41は70mmIMAX劇場であった。70mmのIMAXプロジェクターはその規格で上映するためにカリフォルニア州ロサンゼルスのTCLチャイニーズ・シアターに設置された。拡大公開の際にはデジタルの劇場でも上映された。配給は北アメリカではパラマウント映画、その他の地域ではワーナー・ブラザースが担当する。『インターステラー』はIMAX映画史上最多となる世界770以上のIMAX劇場で上映予定である。
『インターステラー』はフィルム上映を止めてデジタルのみにするというパラマウント映画の目標の例外であった。『ハリウッド・リポーター』によると、『インターステラー』をフィルムで上映することはノーランの他にJ・J・エイブラムス、クエンティン・タランティーノ、ジャド・アパトー、ポール・トーマス・アンダーソンなどによって支えられているフィルム形式の維持を助けている。同誌は多くの劇場オーナーたちからその試みが「退歩」であると見られており、アメリカのほとんどの劇場ではデジタルに変換して上映されていると報じた。
興行収入
『インターステラー』は2014年11月21日時点で北アメリカで1億378万264ドル、国際市場で2億2580万ドル、全世界で合わせて3億2958万264ドルを売り上げている。
北アメリカ
『インターステラー』は2014年のアメリカ合衆国中間選挙(英語版)と同時期である11月4日の午後8時よりアメリカ合衆国とカナダで限定公開された。水曜の興行収入ランキングは249劇場(うち42がIMAXスクリーン)の上映で火曜夜を含む1350万ドルの売り上げにより1位となり、そのうち62%がIMAXによるものであった。それらの劇場のうちの240では35mm、70mm、IMAX70mmフィルムで上映された。さらに木曜深夜の上映では360万ドルを売り上げ、火曜夜からの累計は490万ドルに達した。11月7日には拡大公開され、初日では1700万ドル(木曜深夜分のみを含む)を売りげて『ベイマックス』(1580万ドル)を抑えて1位となった。客層は52%が男性、75%が25歳以上であった。
公開初週末では3561劇場で4751万360ドル、1劇場あたり1万3342ドルを売り上げ、ディズニーの『ベイマックス』(5620万ドル)に次いで2位となった。週末興行収入のうちIMAX分は1320万ドル(28%)、その他の大型スクリーンでは525万ドル(10.5%)を売り上げた。ノーランの映画が初週末1位を獲得できなかったのは2002年の『インソムニア』(2位)以来のことである。第二週末には39%下落した2912万ドルを売り上げ、新作の『Dumb and Dumber To』(3810万ドル)、『ベイマックス』(3600万ドル)に次ぐ3位となり、累計興行収入は9780万ドルに達した。第二週末ではIMAX劇場の368スクリーンで740万ドルを売り上げた。
その他の国々
2014年11月5日にフランスとベルギーで封切られ、両地域では上位5作品が市場シェアの50%を占めた。フランスでは初日に74万3000ドルを売り上げて1位となり、また2日目には53万8000ドル(23%下落)を売り上げた。11月6日にはドイツ、ロシア、オーストラリア、ブラジルを含む35市場に拡大し、累計で870万ドルに達した。
『インターステラー』は北アメリカ外の初週末では62市場の1万4800スクリーン以上で1110万人を動員し、約8290万ドルを売り上げた。このうち720万ドルが206のIMAX劇場によるもので、1劇場平均で3万5000ドルである。北アメリカを含めた初週末のIMAX興行収入は2060万ドルであり、『ハンガー・ゲーム2』の1710万ドルの記録を更新した。国別では韓国が1440万ドル、ロシアが890万ドル、フランスが530万ドル、ドイツが460万ドル、イタリアが370万ドル、オーストラリアが370万ドル、スペインが270万ドル、メキシコが310万ドル、ブラジルが190万ドルを初週末に売り上げた。イギリスでは初週末に537万ポンド(860万ドル)を売り上げて1位となったものの、『ダークナイト ライジング』(1436万ポンド)、『ゼロ・グラビティ』(624万ポンド)、『インセプション』(591万ポンド)を下回った。中国では11月12日水曜に封切られ、7742スクリーンで540万ドルを売り上げたが、これはノーランの映画としては『ダークナイト ライジング』(461万ドル)を上回って最高の初日興行収入であった。中国では初週末に714万人を動員して4230万ドル(ワーナー・ブラザースの記録では4170万ドル)を売り上げたが、これは市場シェアの55%を占めた。これは中国公開のノーラン映画では過去最高の初週末興行収入であり、またワーナー・ブラザースの2D作品としても最高で、さらに同スタジオの3D作品も含めると『パシフィック・リム』(4520万ドル)に次いで2位である。
国際市場の第二週末は63市場、2万1290スクリーンで1540万人を動員して1億600万ドル(前週比22%減)を売り上げ、累計では2億2410万ドルに達した。またIMAXは10%減の1240万ドルを売り上げた。また北アメリカを含む全世界の興行収入は3億ドルを突破した。
東京都新宿区歌舞伎町にあった「新宿TOKYU MILANO」は2014年12月31日をもって閉館。『インターステラー』が1階のミラノ座で上映された最後のロードショー作となった。(同年12月30日撮影) 日本においては11月22日に丸の内ピカデリー他512スクリーンにて劇場公開。公開2日間で動員13万7,490人、興行収入1億9,338万9,300円、振替休日の24日を含めた3日間では動員20万976人、興収2億7,908万3,200円を記録した(いずれも興行通信社調べ)。2015年1月までに興収12億5,000万円を記録した。
評価
批評家の反応
この節の加筆が望まれています。 (2014年11月)
映画批評家のレビュー集積サイトのRotten Tomatoesでは283件のレビューで支持率72%、平均点を7/10とした。また別の映画批評家のレビュー集積サイトのMetacriticは46件のレビューを調査し、肯定的なものを35件、どちらともいえないものを10件、否定的なものを1件とし、加重平均値を74/100とて「概ね好評」と纏めた。
アメリカ映画協会(AFI)は2014年のベスト映画トップ10に本作を選出した。
ハフィントンポストのChristopher Rosenは科学考証の正確さ、視覚効果、マコノヒー、チャステイン、フォイの演技を評価した。
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 ジョナサン・ノーラン
クリストファー・ノーラン
製作 エマ・トーマス
クリストファー・ノーラン
リンダ・オブスト
製作会社 シンコピー
リンダ・オブスト・プロダクションズ(英語版)
レジェンダリー・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画
世界の旗 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国の旗 2014年11月7日
日本の旗中華人民共和国の旗 2014年11月22日
上映時間 169分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
製作費 $165,000,000
興行収入 世界の旗 $701,729,206
アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $188,020,017
日本の旗 12億6500万円
ノーラン映画のウィキペディアページ、ノーラン映画と似てる。オタクの熱量。「そこは別にどうでもいいなおれは!」って思っちゃうような情報量。