ニト・カズマの人としての生、そして其の被昇天の話
意識の限り無い擴張に對應した「神經幾何學の奇蹟」を生み出す爲の硏究。
神經系を電子的デバイスで置換して意識の擴張を圖ると、意識が全體性を喪失して了ふ/意識が複數に成って了ふ事が判った。
意識が一つで(ある/ない)狀態と神經系が特定の位相幾何學的條件※を(滿たす/滿たさない)事が等價である事が判った。
神經系を擴張する程に條件※を滿たしにくく成る事が判った。
極めて稀な或る特定の初期條件☆を滿たした場合にのみ、條件※を滿たしたまま神經系を無限に擴張可能である事が判った。
條件☆を滿たした神經系を有する個人を誕生させ、其れを核として宇宙全體を認識可能な一人格を生成し、其れに人類の未來を委ねようとする計劃が始動された。
硏究の結果、ニト・カズマ(=條件☆を滿たした個體)と其の友人ら(=失敗作)が誕生する。 當初彼等には、彼等が硏究の成果物である事とか硏究の存在そのものとか硏究の目的とかは伏せられてゐる。
カバーストーリー:遺傳子工學/生化學/電子工學的に智能をエンハンスされた子供らの學園。學園?! 學園ものだ?!
特別な腦を持った者丈が昇る事を許される宇宙の中心の玉座。
ニト・カズマの神經系に接續することで其の無限の擴張を可能ならしむるデバイス。
多數の人類に導入されてゐる神經系擴張用電子デバイスにネットワークを介して接續可能。
ニト・カズマは被昇天によって永遠の存在と成ると同時に、永遠に自由意志を失ふ。 大姉と成ったニト・カズマの最初の仕事は、被昇天を阻止しようとした友人を「人類」の敵として殺す事。 ( ↑ 或いは大姉たらんとするニト・カズマの最後の仕事は)
主人公は何故死んだ?
統合し充分に經った現在では、ガルデア人を「人類の敵」にしないでゐる事ができる
選擇肢
未だ統合されてなかった。被昇天の前に殺害され、然る後に被昇天が生じる。
ニト・カズマが最後に自由意志で選び取ったのは主人公を殺害し統合を完成させ自由意志を喪ふ事であった。
統合はされたが制禦が充分でなく、人格の強制終了以外の手法を取り得なかった。
ニト・カズマは主人公の今際の絕望や苦痛をありありと感覺し、其れを永遠に記憶する事と成った。
引き剝がしに行く途中で充分な統合が生じたが何か事故って死んだ。事故を防ぐ充分な體制は未だ無かった。
酷い話! 無常感じるんでしたよね……。