人と関わるときの考え方。反応しない練習より。
人と関わるときの考え方。反応しない練習より。
人と関わるときに大事なのは、「反応しないこと」だと学びました。しかしこれは、相手に無関心でいるとか、「我慢する」ことではありません。
ときどき、相手に苦痛を強いられているのに「我慢している」人がいます。「相手に迷惑をかけてはいけない」「関係を壊したくない」「職場の雰囲気を悪くしたくない」といった、やさしさや配慮から、じっと耐えているのです。
ただ、「我慢する」というのは、正確には、相手に我慢しているのではなく、「自分の怒りを抑え込んでいる」状態なのです。すでに怒りは沸いてしまってるのですから、そのまま我慢しつづけると、ストレスが溜まって、どんどん苦しくなります。鬱にだってなりかねません。
こういうときこそ、「心の前半分を相手への理解に、後ろ半分は自分の反応を見る」ことに努めて、なんとか反応したがる心に負けないようにしたいものです。
もう一つ大切なのは、「理解し合うこと―理解を共有すること―が大切」という前提に立っておくことです。
自分自身の感情、思い、考えを、相手に理解してもらうこと。これほど大切なことはありません。
「わたしはこう感じている」「こう考えている」ということを、伝えること、相手に理解してもらうこと。それを目的にすえるのです。
もし相手が理解しようとしない、聞こうとしないのなら、それはもはや、関わる意味のない相手なのかもしれません。どのような関係であれ、一方的な苦痛に耐えなければいけない関係は、存在しないはずだからです。
ただ、伝えることで相手が理解してくれる可能性があるなら、「理解してもらう」ことを目的にすべきです。伝えること。説明すること。
「こういうことはやめてほしい」と思うなら、「やめてほしい」と伝えることです。そこまで自分自身にできること。それを相手がどう受け止めるかは、相手の領域です。様子をみることにしましょう。
大切なのは、「理解してもらうこと、理解し合うことが大切なのだ」という理解です。
理解し合うことには時間がかかるものです。急ぐ必要はありません。「いつかわかり合える(わかってくれる)」という楽観・信頼を持って、向き合うことです(信頼するというのは、相手は関係なく、こちらの”選択”です)。
相手への感情は、理解し合えたときにリセットされます。そのとき、関係も変わります。
位置No. 1176
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