二重過程説
二重過程説(Double Process Theory)は、ヒトの認知や行動は大きく分けて二つのシステム(プロセス)から形成されるという理論である。
システム1は、無意識的で自動的、迅速で直感的に働く。これに対してシステム2は、意識的に制御され、処理が遅く、熟慮的に働く。
システム1は、昔気質の職人たちにたとえられる。
「職人たち」と複数形で言ったのは、このシステムが複数の専門機関であるモジュールの集合体であると考えられているからである。
システム1の特徴である、長い進化の過程で鍛えられた熟練は、それぞれに得意な仕事については実に優秀で、なおかつ時間も認知資源もほとんど費やさない。
しかしシステム1が適応した環境は、人類が進化的時間を過ごしたサバンナの平原でせいぜい百数十人規模の集団で暮らしていた時のものである。これは現在我々が生きる世界とは違っている。
今も多くの場面で、システム1は意識する必要さえなく正しい判断を下す。しかし、かつてと大きく異なる環境下ではうまく作動しないことがあっても不思議ではない。今日ではシステム1が持つ脆弱性は広く知られており、これを敢えて突くトリックに対しては無防備である。
一方、システム2は、のろまで理屈っぽい新人にたとえられる。この新人は、職人たちが苦手な「もし~だったら」と仮定を入れた思考もできるし、新しい課題にも対応できる。しかし、その仕事は遅く、必要な認知資源も膨大である。他の課題や認知資源やエネルギー(グルコース)が取られているとうまく働かない。
引用ここまで
直感に対する記述としては、直観と分析で言われている事との類似も感じた。 public.icon