偶然
https://gyazo.com/610dc892398d0d9fa57cadc490311b43
第一次偶然性ブーム
1930年、九鬼周造『偶然性の問題』
1930年、中河与一『偶然と文学』
1930年、横光利一『純粋小説論』
ドストエフスキイの罪と罰という小説を、今私は読みつつあるところだが、この小説には、通俗小説の概念の根底をなすところの、偶然(一時性)ということが、実に最初から多いのである。思わぬ人物がその小説の中で、どうしても是非その場合に出現しなければ、役に立たぬと思うときにあつらえ向きに、ひょっこり現れ、しかも、不意に唐突なことばかりをやるという風の、一見世人の妥当な理智の批判に耐え得ぬような、いわゆる感傷性を備えた現れ方をして、われわれ読者を喜ばす。 文学が描くべきリアルな「現実」にこそ、そういう「偶然」がしばしば生じている 第二次偶然性ブーム
1992年、イーヴァル・エクランド『偶然とは何か――北欧神話で読む現代数学理論全6章』
2007年、植島啓司『偶然のチカラ』
2008年、レナード・ムロディナウ『たまたま』
2010年、竹内啓『偶然とは何か――その積極的意味』