経営リーダーのための社会システム論
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目次
プロローグ
第1章 構造的問題とは何か
第2章 2段階の郊外化とシステム世界の全域化
第3章 郊外化がもたらす不全感と不安
第4章 3段階めの郊外化と人間関係の損得化
第5章 「われわれ意識」が喪失した社会をどう統治するか
第6章 神格化するテック、動物化する人間
第7章 あなたにとって「よい社会」とは?
第8章 共同体自治の確立とリーダーの条件
エピローグ 天才・宮台真司の絶望と希望
プロローグ
安全・快適・便利
社会はビジネスと必ずしも必要としないが、ビジネスは社会を必要とする
システムの奴隷
キーワード
第1章 構造的問題とは何か
ビクトリア湖のナイルパーチ
選択肢や利便性を求めて自律的にシステムへの依存を望んだのに、いつの間にかシステムの外に出られなくなる
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自立と依存のパラドックス
国際化=グローバル化以前の世界経済
国際化
途上国で原材料を安く買って加工品を先進国に高く売る
グローバル化
ヒト・モノ・カネといった資本が国境を超えて移動
明るい面
途上国へ産業がアウトソーシング
世界レベルでは富の公平な分配につながった
暗黒面
先進国の中間層が崩壊
経済的格差の拡大
劣等感や孤独の拡大
宇野派経済学
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第2章 2段階の郊外化とシステム世界の全域化
経済が回っていても社会が回っていない状態
1960年代
農村の過剰人口を都市部へ移転
家族への内閉化
地域の助け合いが専業主婦で代替
地域の空洞化
1980年代
家族の空洞化
一つ屋根の下にいるアカの他人化
個食化
専業主婦の役割がコンビニやスーパー、保育園で代替
市場や行政=システムで代替
個室化
個室にテレビや電話がある
選択肢の増加=消費欲望の変化
匿名者の戯れ
家族の空洞化を象徴する事件
近年
地域にも家族にも属さない浮遊した存在になる
社会の穴を経済で埋め合わせる
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自由と精神的安定
絆には絆コストがかかる
共同体の維持コスト、共同体に属する不自由
損得計算
共同体にコストをかけるよりシステムからベネフィットを引き出すほうがコスパが良い
システム世界への依存
共同体の空洞化
社会はつまみ食いができない
生活世界
地元商店街的
顕名的・人格的・履歴的
慣習やしきたりを重視
生活世界は共同体意識(仲間意識)に基づいている
仲間意識を持つためには物事を同じように体験することが必要
物事を同じように体験するためには慣習やしきたりが必要
ウザささ不自由さが生じる
共同体的温情主義
人間関係が全体的・包摂的
善意と内発性
システム世界
コンビニ的
匿名的・没人格的・単発的
法やマニュアルに従って役割を演じることを重視
損得勘定だけで行動する
コミュニケーションのコストが下がる
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システム世界の全域化
共同性に満ちた関係を持たないと、孤独になり、生きていくのが難しくなる
市場や行政が止まる
システム世界への依存プロセスは段階的
親から子へ、子から孫へ
打ち上げ花火の水平撃ち
大人たちがマジ顔で説教
法の外で仲間と一体化する喜びを知らずに育つ
仲間意識が薄れる
損得勘定でシステム世界にさらに依存する
第3章 郊外化がもたらす不全感と不安
自身を入れ替え可能な存在だと思う人間は、他者のことも入れ替え可能な存在だと見なす
第4章 3段階めの郊外化と人間関係の損得化
性愛からの退却
マッチングアプリで効率的に出会おうとしたらむしろ逆に非効率的になってしまう
男女それぞれがスペックを通じてしか他者と出会わない
代替可能な関係性になってしまう
第5章 「われわれ意識」が喪失した社会をどう統治するか
個人が、自分のことだけを考えるのではなく、みんなのことを考える
われわれ意識の国民兵 vs 損得勘定の傭兵
戦争マシーンとしての国民国家
戦争のための国民国家、国民国家であるための戦争
国民国家であるための戦争ができない
われわれ意識の喪失
第6章 神格化するテック、動物化する人間
ヨーロッパ的アプローチ
生活世界を重視し、システム世界の展開を制約
成員が「人間であること」に期待を寄せる
アメリカ的アプローチ
多人種・多民族国家
システム世界の全域化を徹底
成員が「動物」でも回る社会
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アメリカにおいてもシステム世界の展開への抵抗があったハズ…
関連
システム世界が全域化して神経症的不安になっていく人間を、祝祭的消費体験によってカウンセリングするシステムを用意する
システムの不具合をさらなるシステムで埋めあわせる
祝祭ですらない日常になりつつあるが、機能としてはディズニーランド化
統治のパターン
ハイコスト
教育によって倫理的主体に育てる
法とテクノロジーによる監視と賞罰を徹底する
アーキテクチャによる快・不快によって人々を制御する
ローコスト
ドラッグや仮想現実によるディズニーランド化の徹底
認知的エンハンスメント
メガネ
感情的エンハンスメント、道徳的エンハンスメント
人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限:150人
遺伝子操作でこの上限を上げてしまえば…?
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第7章 あなたにとって「よい社会」とは?
倫理は、進化的に基礎づけられているが、文化的環境によって発現の形が変わる 利他性や献身について実体験したことがない人が増えている サイエンスやテクノロジーは自己増殖的・自己運動的に展開する
これを前提として社会を構想するしかない
第8章 共同体自治の確立とリーダーの条件
エピローグ 天才・宮台真司の絶望と希望