オタクの意味の変容
『岩波国語辞典 第八版』の編者も務めた柏野准教授は、最初に、『岩波国語辞典』の第七版と第八版における「オタク」の語釈の変化を生徒のみなさんに提示しました。同語の第七版での語釈は「自分の狭い嗜好(しこう)的趣味の世界に閉じこもり、世間とはつき合いたがらない(暗い感じの)者。」とネガティブな意味が顕著です。それを読み上げると、生徒のみなさんから「えー」と、意外とも失望ともつかない声が上がりました。それに対して第八版の語釈は、「特定の趣味的分野を深く愛好し、人並み以上にその分野の知識や物品を保有・収集したり、行動したりする者。」と現代的でポジティブな意味に変更されており、生徒のみなさんは「それそれ!」と言わんばかりに一斉に賛同を表す声を出し、場が盛り上がりました。