エンカルナシオン修道院
ラ・チンバにある修道院。物語の主要な舞台のひとつ。アスコイティア一族に連なる修道尼イネス・デ・アスコイティアの父親が礼拝堂を建立したことから、一族とは百五十年もの間、密接なつながりを保ってきた。当初は慎ましやかな尼僧院にすぎなかったが、そのときどきの気ままな改築により、とてつもなく、無計画に大きくなっていった。無数の中庭、通廊、部屋が存在する、迷路のような建築物。いまでは専らアスコイティア一族に仕えていた老婆たちの姥捨山として機能している。 四十人の老婆、五人の孤児、三人の修道尼が住まう。大司教によって教会の財産からはずされ、取り壊されることになっており、教会側はそこに少年の町を建設するつもりでいるらしい。