フィードバックとは観察できたことを相手の成長のために伝えること
フィードバックとは観察できたことを相手の成長のために伝えること
フィードバックについて考えるとき、私が考える基本的なフィードバックの定義は、相手の鏡のように観察できた出来事をその成長を願って率直に伝えるというものです。
たとえば、「あなたはさっきその話を聞いているときに腕時計を3回見ていました」のように、事実ベースで観察したことをそのまま伝える。これがフィードバックの基本だと考えています。
ちなみに、フィードバックの定義はいろいろあり、いわゆる評価することやアドバイス、提案といったものもフィードバックに含まれるという考え方もあります。
フィードバックに感情を添えることもある
観察できた出来事から自分がどう影響を受けたかという感情を添えることもフィードバックの1つとして考えられます。たとえば、「私が話している間にあなたが腕時計を3回見ました。それを見て、次の約束があるのかな?と少し不安になりました」といった表現です。これはあくまで補足的なもので、観察された事実に対する自分の中に芽生えた感情や反応を伝えるものです。
アドバイスや指導はフィードバックの外側にある
一方で、「こうしたらいいと思う」といった行動の改善案や指導、提案は、フィードバックの外側にあるものだと捉えています。つまり、それらはフィードバックではなく、アドバイスやサジェスチョンに分類されるものです。
アドバイスや提案は相手がそれを望むなら伝えるくらいがちょうどいいと考えています。たとえば、フィードバックを伝えられた相手が「それに対してどうすればいいか、あなたの考えを聞かせてほしい」と聞いてきたら伝えてみるといったような感じです。
ネガティブ/ポジティブというラベルは本来必要ない
このように考えると、フィードバックそのものには「ネガティブ」「ポジティブ」といった性質は本来ありません。なぜなら、単に観察できた事実を伝えているだけだからです。
もちろん、「言いにくいフィードバック」はあるかもしれません。相手が驚いたり、不快に思うかもしれないことを伝えるのは勇気がいるものです。ただ、それはフィードバックの内容がネガティブというわけではなく、受け取り方の問題だと言えるでしょう。
フィードバックをもっと気軽に行えるように
私は、まずは評価の前に観察したことを伝えるというスタンスが大切だと思っています。そして、相手がその先のアドバイスを求めるようであれば、必要に応じて提案すればいいのです。
「こう見えた」「こう感じた」と伝えるだけでも、十分に意味のあるフィードバックになります。そう考えると、フィードバックはもっと気軽に行えるもので、上司から部下のような権威勾配のある関係でのみ行われるものではなく、誰が誰に行っても良いものだと考えます。
まずは、観察できた出来事を一言伝えてみることから始めてみてはどうでしょう?
#フィードバック