テトラッド
しかし、テトラッドは、思考を整理するためのフレームワークとして非常に便利なので筆者はよく使っている。
たとえば、メディアが発見された当時、ラジオからテレビへの移り変わりをテトラッドで表現すればこうなる(マーシャル・マクルーハン自身の解釈とは違う。あくまでもテトラッドという道具を用いた筆者なりの解釈であることに注意されたし)。 https://gyazo.com/24c167fb44a10c6c64a1d4883bb183b9
筆者の解釈では、ラジオが増強したものは明らかに「聴覚」であり、「声の届く範囲」だ。これは、当然、資格を衰退させ、美男・美女の相対的な価値を下げる。 しかし一方で、ごく少数の発信する側と大多数の受診する側に分断することによって権威と芸能が回復する。
回復した権威と芸能、そして一度衰退した視覚を足し合わせたものが、テレビである。と、ここではしている。
もちろんこうしたテトラッドの書き方はこじつけめいてはいるが、ゴールがどこなのか考えながら書くことにも、ゴールがわかっている場合にはゴールから逆に何が途中の要素だったのか帰納的に考える時にも役立つ。
ここまではマクルーハンが生きている時代に起きたことなので、そこまで違和感はないはずだ。
次に、マクルーハンの晩年から死後に起きた変化について考えてみる。