Solo 1on1
概要
未来の自分に相談したいことをリストアップし、面談予定を組み、当日はそのリストにしたがって喋る
背景
内省や自問自答など、自分と対話する手法(仮に自己対話と呼ぶ)はすでに知られている かつ、VUCAで主体性が求められている昨今ではますます重要
一方で、自己対話は高度な活動であり、実践するは思っている以上に難しい
自己対話の実践をもっと支援していくことが必要
支援のアプローチの一つとして、1on1が使える
1on1はすでに身近なワークウェアとなっている
この概念を使って、「自分自身と1on1する」と表現すると、もう少しとっつきやすいのではないか
これをSolo 1on1と名付ける
やり方
未来の自分は別人なので、今の自分が覚えていることを覚えているとは限らないし、今の自分が書いたことも理解できるとは限らない
なので、未来の自分に覚えてもらう・理解してもらうには、未来の自分に配慮する形で情報を残す必要がある――
このような考え方をする
その上で、以下のように進める
1: 未来の自分に聞きたいことをリストアップする
2: 未来の自分との面談予定を組む(いわば「ひとり面談」)
3: (面談当日) リストに従って答えていく
過去の自分が目の前にいるつもりで喋る
あるいは書いてもいいが、1on1なので喋った方が良い
理想は喋ることに専念したあと、議事メモ的に書いて残すこと
「今の自分」と「過去の自分」で一人二役をしてもいい
コツ
Solo 1on1用の予定をちゃんと取ること
普段の会議と同じように扱う
勤務中に行うなら、自分のスケジューラーに予定を入れる
できればSolo 1on1しますとメンバーに周知できると望ましい
できない場合は適当にごまかすか、「Solo 1on1」と書いておいて聞かれたら答える等する
Solo 1on1中は実際に声を出すこと
もっと言えば、声を出せる環境を確保すること
会議室もアリだが、プライベートならカラオケも使える
誰かとオンライン会議やボイスチャットをしているふりをするのも一興
演技に集中することで神経が研ぎ澄まされ、対話も盛り上がる
喋り尽くしたあとでいいので、書いて残すこと
何を喋ったとか、気づきとか、雑でもいいので書いて残す
理由は2つ
1: 覚えやすくなるから。Solo 1on1は自分との対話なので、他者との対話よりは覚えにくい。書くという営みを経れば少しは覚えやすくなる
2: 残しておけば後々振り返れるし、次のSolo 1on1を組むときにも参考にできるから
参考
タイムカプセル
「大人になった自分へのメッセージ」を埋めておく、などよく知られた取り組み
未来の自分に向ける、というSolo 1on1の考え方自体はこれと同じである
ごっこ遊び
こどもの遊びとして知られているが、Solo 1on1もある種、似たようなことをする
脳内会議
脳内で複数の人格を登場させて議論させる、という思考方法はよく知られている
フィクションでもこのような光景はよく描かれる
天使と悪魔が語りかけるもの等は特に有名
Solo 1on1も脳内会議の一種(実際に声は出すのとちゃんと予定を立てはするが)と言えなくもない
ラバーダッキング、ベアプログラミング
ラバーダック(ゴム製のアヒルのおもちゃ)やクマのぬいぐるみを相手に、実際に声を出して相談すること
物に話しかける怪しい言動になるが、実際に相手を想定して喋っている(単にひとりで考え込むのとは別の刺激がある)ため意外と色々と思い浮かぶ