nizimaで手書きのイラストがAI判定を受けて販売できなかった
こんなこと要求されるの基素.icon
VTuberモデルやイラスト作品を販売するサイト【nizima】にて、
私の作品がAIであると断定的に疑われて販売できなくなりました。
画像は詳しい内容となります。
https://pbs.twimg.com/media/F8yrfCkbIAAFprf.png
LIVE2D側としてはAIアレルギーの処方箋としてやむなくやっているだろうから、「クリエイターも守る施策がクリエイターを傷つけている」みたいな構図
と思ったけどどうやら違うようだ基素.icon
CEOコメント
nizima 作品販売でのAI審査について、私からお話させていただきます。
まず nizima では、以下のような私と会社のポリシー・思いから、大部分をAIで進めた作品の投稿をお断りしており、そのための審査にご協力をお願いしております。
・これまで通り時間をかけて丁寧に描くクリエイターが、きちんと稼げるプラットフォームでありたい。
・権利関係が明らかな作品を、購入者が安全にリスク無く活用できるようにしたい。
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もし、nizima の利益を追求するなら、AIをOKとした方が作品が増えて収益力は上がりますが、利益を度外視してでも、AI作品との戦いからクリエイターを守りたい気持ちでおります。
AI vs クリエイターという見方なのか基素.icon
AIを許可することで反発するクリエイターが離れることで利益が下がる可能性もあるから、OKとした方が収益力は上がると断言できない気もする基素.icon
また、Live2Dモデリング専門の皆様にとっては、AI原画OKの方が活躍のハードルは下がるため、AI作品禁止は申し訳ない面もあります。
それでも、絵を描くクリエイターの皆様が、連綿と積み上げてきた作品たちを許可なく学習に用いた可能性を含むAI技術を使って、絵を描くクリエイターが稼ぎにくくなるような流れに対してはどうにかして抗いたい思いでおります。
つまり、画像生成で作成したキャラクターが出ることで既存の絵描きの仕事が減ると信じている基素.icon
nizima事業は毎年相当な額の赤字となっており、本来であれば利益の追求が必須な状況ではあります。それでも、利益を優先せず、難しいAI審査の手間を増やしてでも、絵を描くクリエイターの皆様を大切にして、きちんと稼げる場を提供したいという思いで運営していることだけは、どうかご理解いただきたいと思っております。
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さて、AIか否かの審査は大変難しく、その過程で、クリエイターの皆様を不快にさせてしまうことが、これまでにもあったと思いますので、その点に関しては誠に申し訳なく思います。
AIか否かを判定する方法については、様々な手法を検討しておりますが、完璧な方法は見つかっておりませんし、今後益々難しさは増していくものと思われます。
そんな状況でも、一定のルールを決めて審査をする必要があります。
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現状では、何らかの経緯でAI審査協力をお願いした作品に対しては、近年の作画過程で必ず用いるクリッピングマスクやブレンドモードなどを統合する前の PSD データを提出いただき、AIに頼らずに描いたことの判断材料とさせていただいております。
(次善の材料としてタイムラプスもあります)
PSDデータにはノウハウが詰まっているから出したくないという話を聞いたこともありますし、提出を求められれば不快に感じられることも覚悟の上で、他に良い方法が無く、このような流れとなっております。
ある作品に対して、協力をお願いして、提出いただけない場合は、当該作品がAI不使用であることの判断が困難となり、審査上投稿不可とさせていただいております。
そのことは、AI不使用が判断出来ないためnizimaへの投稿が許可できないだけであり、決して当該作品のAI使用を断定するものでは有りません。
もし、審査対応時の文面がそのような誤解を与えるようになっておりましたら、誠に申し訳ありません。今後改善に努めたいと思います。
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品質の高い作品を作成されるクリエイターが、統合前のバックアップを取らずに統合することはないという仮定で、判断要素としておりますが、何らかの事情でバックアップが紛失するなどのケースもあるかもしれません。
その場合にも、誠に申し訳ありませんが、別の作品でのPSD提出をもって、当該作品をOKとすることは現状ではNGとさせていただいております。
あくまで当該作品のAI不使用を判断して投稿可否を判断する審査であり、すでに他のクリエイターの皆様にもそのようなルールで対応しているため、杓子定規な対応にならざるを得ないことを、何卒ご理解頂きたいと思います。
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審査においては、前述のポリシーのもと、PSD提出をお願いし、協力いただけない場合、投稿不可とする場合があることなどを事前にアナウンスするなど、今後改善できる点はしていきたいと思います。
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他の方の審査とのダブルスタンダードという指摘については、現場にヒアリングしましたが、複雑な要素が絡み合うなかで、どこで線を引くのが正しいか、誰もが納得する完全な正解は存在しないように思われる難しさと感じました。
直接作画をした方に求める情報と、作画が別のモデラーの方に求める情報が異なることは、不公平感があり申し訳ありませんが、それぞれが直接対応できる範囲の限界が異なるため、審査をお願いしている投稿者が直接対応できる範囲内に原則留める、という基準としております。
審査は複数の担当が協議して、過去の事例も含めてなるべく公平になるように努力はしておりますが、限られた人員・時間で出す結論ですので、整合性に欠けたり、ご納得いただけないケースが出ることについても誠に申し訳なく思います。
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AIの審査は、おそらく今後更に難しくなっていき、統合前PSDの生成なども出来るようになっていく可能性があるため、AIの審査を断念し、AIを許容せざるを得ない日が来る可能性がありますが、どこまで抗えるか、もうしばらく nizimaと Live2D社の理想を追求していきたいと思っております。
ご賛同いただける皆様には、nizima運営よりAI調査のご依頼をさせて頂いた際にはご協力をお願いいたします。
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もし、このような審査はやめるべき、AI作画を積極的に許容して行くべき、というご意見が、作画クリエイター、Live2Dクリエイターの皆様に多いのであれば、AIに関するルールも見直したいと思いますので、是非お聞かせください。
なるほど、現状では「作画クリエイター、Live2Dクリエイター」の多くはAI作画を拒否していると考えているということか基素.icon
とはいえ冒頭に
私と会社のポリシー・思いから
と書いてあるのでそれだけではなさそう
また、もしより良い審査方法や、他の提案などありましたらお聞かせください。
常時完璧な対応ができる満足な体制を整えられないことを、ユーザーの皆様にも、スタッフにも申し訳なく思いますが、何卒今後ともよろしくお願いいたします。
具体的な販売/投稿が禁止となる対象例
AIを用いて生成された作品(線画、色付け等のすべての制作過程をAIが行った作品)
AIを用いて生成されたイラストを原画として使用した作品
AIを用いて生成されたイラストを模写または翻案した作品
これを判定するのは不可能だと思う基素.icon
AIを用いて生成されたイラストの線画をトレスした作品
AIを用いて生成されたイラストに加筆、変形等を施した作品
上記に当てはまるイラストをLive2D化した作品