AdTechTokyo2020
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今年の #AdTechTokyo2020 はオンラインで聴くこともできたので、同時開催セッションも聞けたり、合間時間を使ったりと、とても合理的、かつ、気分良く参加できました。 オンラインとオフラインのメリット・デメリットを両方感じた次第です。
個人では手が出しづらい価格の有料カンファレンスなので、情報はそこまでだせませんが、無料枠のセッションに関する内容は、社会全体の流れの話ということもあり、私も心に響いたので、それを備忘録的にブログに残したいと思います。
プロジェクトマネージメント(プロマネ)、ソフトウェアや商品開発・進捗はそもそも目的指向であることは間違いないのですが、
小さな単位のプロジェクト全体の視野のベース(AdTechでは視座と呼ぶ)、つまり経営・組織の考え方のベースであるものを
「目的指向型にしよう(していますか?)」という問いかけです。
特にAdの世界はこの10年近く、LogやConversionやEngagementなどを局所的な目的に対して最大化することが、マーケティングとしての役目であり、それを支えるTechnologyとしてのAdTech(データ分析、DMP、ログ収集ツール、SaaSなど、、、)が中心にありました。利益追求主義そのもので、AdtechTokyoもその主義とリンクした利益を上げるための手段としてのテクノロジーのカンファレンスでした。
しかし、昨年あたりから、その限界が見え始めてきたのでしょうか、企業のブランディングや持続性を問いかけるセッションが多くなり、手段としてのテクノロジーはセッションの主な内容にはならなくなっています。広告によって価値を上げるにしても、企業のビジョンとそれを体現した製品やサービスがない限り、人間の信頼・価値向上につながらない=購買につながらない(広告の目的が達成できない)、ということに気づいた、というべきなのでしょう。大きな変化です。
今年のAdtechTokyoはコロナの影響により、その変化がはっきりと見えました。
AdTechといいながら、もはやこれまでの、日本語でいうところの理系的な「技術」のtechnologyを盛り上げるカンファレンスではなくなったと感じます。これまでの「技術」は手段なので、それそのものはすごいかもしれない、しかし、これまでの広告業界のトレンドは手段が目的となっていたということです。それをはっきりAdTechTokyo2020での数多くのセッションでメッセージとして発信していました。
では、何が本質なのか?それは、「何をしたいのかを企業として、その社員一人一人が、製品に至るまでビジョンとして共有して実践すること」。本質は「パーパスドリブン(purpose-driven)」なのだということでした。
原点回帰に近いと思います。
言われてみれば当たり前ですけど、フォーカスする視点が短期的なだけでした。中長期で見れば、必然的に必要な考え方です。AdtechTokyo2019では、そのフォーカスする視点のことを「視座」と表現していました。
時代の流れとして、短期的な視座で成長する期間が終わりつつあり、中期的な視座で成長する期間が始まっているというだけにすぎません。歴史や統計を見れば、どの業界でもエコシステム的な栄枯盛衰は興っていて、そのバイオリズムの現象を業界に対して伝えているのがこのカンファレンスだとすれば、価値があると思います。特定の誰かだけがやっていても、業界の闇は変わらないからです。