気象学
概念
en: air parcel
空気
種別
乾燥空気
湿潤空気
安定度
系: 大気は基本的には安定していて、上層ほど温位が大きい。
aka. 大気安定度
対流の安定度
流れの有無
静的安定度
動的不安定
⊃ 傾圧不安定
静水圧平衡における安定度
en: hydrostatic stability
エマグラムによる大気安定度
断熱伸縮での話
3区間
a < 乾燥断熱減率 < b < 湿潤断熱減率 < c
区分
絶対安定
条件付き不安定
en: conditional instability (CI)
第一種条件付き不安定
en: CIFK = Conditional Instability of the First Kind
C.I. 1st K.
第二種条件付き不安定
en: CISK = Conditional Instability of the Second Kind
C.I. 2nd K.
e.g. 熱帯低気圧、台風
CI1, CI2 で良かったのでは?wint.icon
絶対不安定
温位の高度変化による定義もある。
dθ/dz
table:cases
0 (絶対)安定
= 0 中立
< 0 不安定
dθe/dz < 0
相当温位の不安定時 (< 0)
上昇 → 対流不安定
dθes/dz < 0
さらに飽和相当温位の不安定時 (< 0)
水蒸気が飽和 → 条件付き不安定
傾圧
2つの等値面がズレてること
→ 傾圧不安定 → 流れの発生
中緯度は恒常的に傾圧不安定になってる。
種別
圧力 vs 密度ないし温度
vs. 順圧
低緯度・高緯度は順圧で安定している。
fig. https://irokata7.com/wp/wp-content/uploads/2019/01/r5-kf13-keiatsu-junatsu.jpg
比熱
流体の属性
種別
定積比熱$ C_v
定圧比熱$ C_p
en: potential temprature
モチベ: 空気塊を扱うが、これは気温と圧力との両方が変化して扱いづらい。なので、気圧を海面校正で正規化して扱う。
基準: 海抜 0 m の海面気圧
熱力学におけるエントロピーに対応する温度の次元をもつ量
ref. ブリタニカ
exp. $ θ = T\left(\frac{p}{p_0}\right)^{-\frac{R}{C_p}}
$ θ(T,p)
絶対温度 T、気圧 p
p₀ = 1000 hPa(地表相当)
prop.
断熱変化に対する保存量。
相当温位の最小値に等しい。つまり乾燥時。
応用
emagram(下参照)
ref.
佐藤 (2019), p. 65
相当温位
en: equivalent potential temprature
湿潤空気の空気塊の場合。水蒸気の凝結を考慮してる。
exp. $ θ_\text{e} ≔ θ\exp\left(\frac{Lr}{C_p T}\right)
$ = T\exp\left(\frac{Lr}{C_p T}\right)\left(\frac{p}{p_0}\right)^{-\frac{R}{C_p}} = T\exp\left(\frac{Lr}{C_p T}-\frac{R}{C_p}\left(\log\frac{p}{p_0}\right)\right) = T\exp\left(\frac{1}{C_p}\left(\frac{Lr}{T}-R\left(\log{p}-\log{p_0}\right)\right)\right)
$ θ_\text{e}(T,p,r)
混合比 r
高度変化 $ \frac{\mathrm{d}θ_\text{e}}{\mathrm{d}z}
table:cases
0 安定
< 0 対流不安定
現象: 対流不安定
温位が安定してるが、相当温位が不安定なとき
そして、大きな湿潤空気塊が持ち上げられたとき、下層の空気塊が凝結して潜熱を放出して、不安定になるケース。
極値
飽和: min r = 0 → 温位
乾燥: max r = r_sat → 飽和相当温位
飽和相当温位
en: saturation equivalent potential temperature
def. $ θ_\text{es} ≔ θ_\text{e}[r≔r_\text{sat}]
$ θ_\text{es}(T,p)
最大相当温位に等しい。
可逆的な湿潤断熱過程では保存する。
水滴が重力分離しない限り?
$ {r∈(0,r_\text{sat})} \mapsto θ_\text{e}∈(θ,θ_\text{es})
monotonic $ f:{(0,r_\text{sat})} \to (θ,θ_\text{es})
等温位面
aka. 等エントロピー面、エントロピー等値面
en: equipotential surface, potential isosurface
手法
等温位面解析
等温位面天気図
等エントロピー面天気図でもある
気圧
地球では 8.5 km ほど
圧力 ×1/e
海面気圧
海面校正した気圧
気圧傾度
dP/dz
地上付近では 12 Pa/m
等圧面
気圧が等しい面。圧力の等値面。
現象
等圧面高度は、赤道から極に行くほど低くなってる。
↑ 冷えて上下に圧縮されてる。
→ 上空ほど気圧傾度が拡大
→ 上層ほど温度風が強い
応用
等圧面天気図
気圧傾度力
方向: 高→低
大気循環
en: atmospheric circulation cell
1つの循環を cell と呼ぶ様だ。
大気圏
状態方程式
$ P V_\text{mol} = R^* T
⇔$ P V = n R^* T
n/V(モル体積の逆数)
普遍気体定数 R*
$ R^* = k N_A
空気(乾燥大気)
pa=RT
比容 a = V/m
⇔ PV=mRT
平均分子量 = 28.97
分子量は モル質量/モル = M/mol
気体定数 $ R = \frac{R^*}{M}
kg^-1
M: モル質量 g/mol
M/1000: kg/mol
単位変換: 1000 g/kg
混合比
温度減率
断熱減率を考える
断熱膨張 ⇄ 断熱圧縮
地衡風平衡
つりあい: 気圧傾度力、コリオリの力
傾度風平衡
風が低気圧や高気圧を周回するときの平衡
気圧傾度力 = 遠心力 + コリオリ力
高気圧の風速は -fr/2 が限界(非対称性)
遠心力が まさる。
気圧勾配も小さくなる。
熱
熱収支
地球全体では均衡してる。
緯度によって不均衡がある。
⇒ 熱輸送
地面から大気への加熱
顕熱、sensible heat
接触による熱交換。直接
潜熱、latent heat
水蒸気の凝結熱を経由する間接的な加熱
熱輸送
赤道から極へ
気象現象
風
温度風から生じる
南北に蛇行してるので、偏西風波動と呼ぶ。
↑ 傾圧不安定により生じる波動
aka. 傾圧不安定波
偏西風波動を平均して粗視化するとフェレル循環になる。
要は螺旋状に吹いてる。
特に強いモノをジェット気流と呼ぶ。
貿易風
赤道低圧帯への傾度風。コリオリの力によって地上では東風(東→西)になる。
地衡風
温度風
上層では気圧が 赤道 > 極 な ため
地衡風平衡により西風になる
→ 偏西風
渦
発散 div
収束 -div aka. conv
気流
ジェット気流
雲
対流不安定な空気塊に上昇気流があると発生する水滴の集まり。
雨
雲が発達した結果、水滴が重力分離される現象。
台風
CISK
相当温位による分析がある。
https://pbs.twimg.com/media/Fc9AUpXacAAycTs.png
上の方が相当温位が高く、不安定に なってる。
梅雨
停滞前線による長雨
フェーン現象
温度減率が関わる現象
途中で重力分離することが多い。
⇒ 乾燥、高温
温室効果
ステファン・ボルツマンの法則
強さ: 水蒸気 > 二酸化炭素 > メタン
大気の大循環
子午面循環
自転により 対流が 3つの cell に分かれる。
table:list
緯度 名称
赤道 ハドレー循環
中緯度 フェレル循環
極 極循環
気圧
気圧帯
子午面循環により生じる。
table:気圧帯
名前 緯度 上下 高低 別名
熱帯収束帯 0° 上昇気流 低気圧 赤道低圧帯
亜熱帯高圧帯 30° 下降気流 高気圧 中緯度高圧帯
亜寒帯低圧帯 60° 上昇気流 低気圧 高緯度低圧帯
気圧配置
日本の場合
気圧の谷
移動性
前線型
梅雨前線
いわゆる梅雨を生じる
秋雨前線
夏型
台風型
冬型
高低
低気圧
温帯低気圧
ライフサイクルがある。
停滞前線の上で発生する。
有効位置エネルギーが必要
南北温度勾配が必要
温度ポテンシャル?保存力じゃ なさそう。
軸対称ではない
熱帯低気圧
軸対称
⊃ 台風
def. 最大風速 ≥ 17.2 ㎧
構造
台風の目
壁雲
暖気核
進路は太平洋高気圧のヘリを回り込む
必要条件
潜熱
コリオリ力
絶対角運動量が保存する
機構
CISK による 正の feedback loop
lifecycle
温帯低気圧化
再発達の可能性あり
高気圧
傾度風平衡の限界が小さい
→ 風が強くならない
気団
en: air mass
前線
前線面が地表に接してる部分
前線面
気団の境界面
寒暖
温暖前線
前面に暖気移流
寒冷前線
後面に寒気移流
温度移流
暖気移流
高温→低温
東に鉛直シア
寒気移流
低温→高温
東に鉛直シア
傾圧不安定波
気圧の谷
trough(トラフ)
↔ 温帯低気圧
鉛直方向で西に傾く
傾圧不安定のカスケード現象
地上では低気圧になる
東 → 暖気移流 → 高気圧 → となりの気圧の尾根の強化(収束場)
西 → 寒気移流 → 低気圧 → 気圧の谷の低気圧の強化(発散場)
https://irokata7.com/wp/wp-content/uploads/2019/01/r5-kf16-uzukan.jpg
気圧の尾根
ridge(リッヂ)
↔ 移動性高気圧
気候変動
南方振動
エルニーニョ現象
es: El Niño
Walker循環の弱体化
ラニーニャ現象
es: La Niña
地球温暖化
人為的な要因
長期的なサイクルの可能性
道具
天気図
⊃ 高層天気図
エマグラム
en: emagram
温位と相当温位と等飽和混合比の線のグラフ
縦軸: 高度ないし log 気圧
なんで操作パラメーターが縦なんだよ、と思ったけど、日常感覚に合わせたんだな。wint.icon
隣接分野
超高層物理学
en: aeronomy
aka. 超高層学、大気学
ref.
佐藤 尚毅 (2019)『基礎から学ぶ気象学』東京学芸大学出版会
In each hemisphere there are three cells (Hadley cell, Ferrel cell and Polar cell) in which air circulates through the entire depth of the troposphere.
『軸対称的な台風の物理学』
https://youtu.be/TjXGSNDXW2w
台風物理学の基礎と その応用としての予測