無権代理
本人が代理権を与えていないにもかかわらず、代理人が本人のためと称して契約を行った場合、その効力は本人に帰属しないはず...
しかしそうなると、相手方に大きな損害が生じる可能性が高く、また、代理人が行った契約が本人にとっても利益になると本人が判断した場合、その効果を本人に帰属させる可能性を認めても不都合はない
民法は、無権代理について以下のルールを定めることで、権利義務が不確定の状態を解消
①本人が自分に契約の効果を帰属させたいと考える場合、追認(民法 116 条)を行うことで、契約時に遡って代理権があったことになり、その効果を帰属させることができる
②本人が自分に効果を帰属させたくない場合、追認拒絶を行う
③相手方は、本人が追認をするかしないのか催告(民法 114 条)することができ、相手方が定めた期間内に確答がなければ追認拒絶とみなされる
④本人が追認しない間であれば、相手方はその契約を取り消すことができる(民法 115 条本文)
また契約関係を解消しない場合、相手方は①代理人に対する責任追及(民法 117 条 1 項)、②表見代理(民法 109 条・110 条・112 条)の主張をすることができる ①の場合、相手方は代理人に対して契約の履行か損害賠償を求めることができる
②の場合、相手方と本人の契約関係が成立