スマートコントラクト
契約の自動実行/執行
あらかじめ設定されたルールに従って、ブロックチェーン上のトランザクション(取引)、もしくはブロックチェーン外から取り込まれた情報をトリガーにして実行されるプログラム ここでの「スマート」とは「賢い」ではなく、「自動的に実行される」という意味
スマートコントラクトを記述するために、チューリング完全なスマートコントラクト記述言語Solidityが開発 なめらかな社会とその敵.icon
スマートコントラクトによる契約の自動執行がもたらすものが,最終的にはシステムの効率化と多様性の拡大にむかっていて,それがもたらす最終的な目的のほうにあまり目が向かっていないように思われる.確かに現行の統治機構には制度的に改善すべきことは多い.だが,統治機構がなにゆえに求められたのかという歴史的な洞察を抜きにして,リバタリアン的な発想ですべてを分散化させるのは危険である.Web3のムーブメントのおかげで,民主主義や資本主義の方法論の革新について語られることが近年増えたが,社会システムを語るときに見落とされがちなのは,それらが手段であるということである.これらは,あくまで近代の人権概念を実現するための手段として,正当性を付与されているのであって,その逆ではない.イギリスの権利章典,アメリカの独立宣言,フランスの人権宜言などが,統治機構などを定義する憲法の前文的役割を果たしてきたことはなによりの歴史的な証拠である.自由権や社会権がしっかり保障されるのであれば,市民権や公民権とよばれるものは,結果としてさほど重要ではなくなるかもしれない.だが現実問題として,市民権や公民権がなければ,たやすく自由権や社会権が侵されるのである.ここに,統治機構に対して,市民がいかに関与するのかという問題が発生する.社会システムの自由度とは,これらの人権概念(主に自由権と社会権)が守られる限りにおいて自由であるということであって,人権が損なわれるような自由というのは本末転倒になってしまう. また,いっそのこと,人権概念を超える新しい概念を考えることはできないのだろうか.人権概念は,近代社会の根幹をつくり上げたもっとも重要な概念であるが,あくまでも近代的な人間中心主義に立脚している.しかし,このような考え方がすでに科学的にも哲学的にもすでにプラグマティックなものとして捉えられている以上,人類を超える権利概念にもとづいた社会制度の構想があってもよいであろう.これについては,「細胞のインターネット」(in-ternet of cells)として後ほど詳しく論述したい. 鈴木健『なめらかな社会とその敵』pp.405-406, 2022, 筑摩書房
またなめらかな社会とその敵.iconは家族関係や紙との契約もスマートコントラクトによって記述することは可能かと疑問を投げかける
代表的な例
OpenLaw
わかりやすい
より広範囲