AI
定義
「一般に人間の知性と結び付けて考えられる、推論、学習などの機能を遂行する、機能単位の能力」(JIS)
共通点は「人間と同じ知的作業をする機械を工学的に実現する技術」といえる
「知的作業をする機械」と、「工学的に実現する」(=人間がもつ自然知能は枠外におく)という点
汎用AI(artificial general intelligence; AGI) 複数の課題に対応できる人工知能
何をもって「汎用的」というのかは難しい
ChatGPTも汎用型といえなくもないが、そうはいってもLLMの応用、という点からこれがAGIとはいえない 特化型AI
特定の課題に対応できる人工知能
ex.自動車の運転、将棋、画像生成、文章生成、文章の翻訳 etc.
現状のAIはここに留まる
「AI」の乱用→イメージの混乱
table:
①単純な制御プログラム 一定のルールに従って動作を自動的に調整する
マーケティング的な動機でAIを名乗っているだけのものも
②古典的なAI 一定のルールに従って論理的な推論・探索などの情報処理を行う(エキスパート・システムなど)
③機械学習を取り入れたAI 過去のデータからの学習によって、判断のルールを調整する ④深層学習を取り入れたAI 機械学習において、学習するためのデータを表す変数(特徴量)自体も学習する ⇒現状、家電のアシスタントとしてのAIから、複雑な計算を行うAIまで、様々なレベルのものが「AI」と呼ばれているため、混乱している
AIの歴史
第1次AIブーム(’50~’60s)
この時期ごろ、コンピュータ(原始的な計算機械)が勃興してきたことと連動
人工知能(artificial intelligence)という言葉が初めて使われる
コンピューターによって知能を実現する研究の始まり
推論・探索をコンピューターで実行
人間よりも速くパズルを解く(チェス、迷路など)
やっていることは未だ「めちゃくちゃ速い虱潰し」にすぎない
限定された状況での問題しか解けない
⇒現実世界への応用(自動翻訳など)はまだ難しかった
第2次AIブーム(’80s)
専門知識をプログラム化し、専門家の代替を目指す
⇒産業への応用(エキスパート・システム)
医師の知識⇒医療診断システム
法律の知識⇒司法判断システム
生産管理、会計、人事、金融 etc.
専門家へのヒアリングが必要
あくまで専門家(人間)の判断のコピー
知識データの更新の手間が大きい(AIの速さが生かせない)
言語化されない知識(暗黙知)の再現が困難(経験や感覚は言語化しにくい)
⇒手間がかかりすぎるので人の代替にはなりえず、ブームは落ち着く
第3次AIブーム(’10s)
大量のデータを読み込み、統計的なパターンを抽出⇒パターンに従い新しいデータを分類
画像認識、音声認識、自然言語処理などに応用
確率に基づく判断⇒間違いを含む
間違いを許容しながら利用されるAI
固定された手続きを自動化するAI(第2次ブームまで)からの発想の転換
開発段階でのミスがなくても間違いは起きる
ex.自動運転車の事故、自動翻訳の誤訳、自律兵器の誤射など
人間が生成AIにタスク遂行を委譲する度に、認知的自律性を失っている?