パイプリンクの考え方
ジャンル考察
ジャンルとしては
自由交差あり全マス通過ループ
というジャンル名で呼んでいます。
自由交差あり
盤面のどのマスでも交差できるパズルのことを「自由交差あり」と命名しました。
対になる概念として、氷などの「交差可能マス表出」などがあります。
氷など、交差可能マスの表出の場合、
交差可能マス以外では、通常のループの感覚を適用し、交差ができる部分でのみ交差を考えれば良いのですが、
自由交差ありのループの場合、すでに2本線が伸びているマスにさらに線が伸びるなど、
盤面全体を通して通常のループと違った考え方が必要になります。
マスから伸びる線の本数と制約の強さ
マスから伸びる線の本数は
交差なしのループの場合は、0本または2本、
全マス通過ループの場合、すべてのマスで2本、
交差あり全マス通過ループの場合2本または4本
となります。
マスに線が2本通る時、その伸び方は直進が2通り、転回が4通りの合計6通りありますが、
https://scrapbox.io/files/63bc92f8f0bb6e001eadae1a.png
0本、4本はどちらも1通りですので、
通らないマスがあるループ、交差あり全マス通過ループはどちらも許容される種類が7通り、
また、線が2本伸びるということは残りの2マスは線が伸びない、ということでもあるので、
交差なしのループと自由交差あり全マス通過ループは制約の強さとしては同じくらいに見えます。
解き方
ヒントから決まる線
マスとマスの間に線を引くパズルなので、
マスの中心から線が伸びているとき、隣のマスまで線が伸びます。
https://scrapbox.io/files/63bca5d49a912e001d5052c9.png
隅に線が引かれる
すべてのマスに線が引かれるので、線が出るマスが2つしかない隅のマスは線が確定します。
https://scrapbox.io/files/63bca61df3d8e1001dc87b27.png
線が通らないマス
交差のないループでは、線が2本通っているマスにそれ以上線は通りませんが、
交差ありループでは、既に線が2本通っているマスにさらに2本線が通り、十字になる場合があります。
交差なしのループに慣れているとその違いで線が通るマスを見落とすことがあるので、
慣れるまでは線が通らないマスに×をつけるのも良いかもしれません。
また、×のみで確定が伝播する決まっていく手筋もあるため手筋検出にも役立ちます。
https://scrapbox.io/files/63bca6e0f0bb6e001eae36e2.png
初期から決まっているマスの線が通らない側
辺のマスで、既に線が2本伸びている時の残りのマス、
などに×がつきます。
×がついた結果、
マスから出ることができる線が2本になったマス、
既に線が1本入っており、通れるところが1本のマス
にも線が確定します。
また、
既に線が2本通っており、2つのうちの片方が×になっているマスはもう片方も×に確定します。
×が1つでもついているマスでは、交差しません。
https://scrapbox.io/files/63c018163b5086001dca3ccb.png
https://scrapbox.io/files/63bca7a874a1bb001e61d950.png
このように線が確定します。左下は一見小ループができているように見えますが、
×がついていないので交差可能なマスが2本あります。
「×が周囲にあると交差できない」も強力で、この時点でこの盤面は交差できるマスがすでに5マスに限られています。
https://scrapbox.io/files/63bcaac506c3b4001da0fe70.png
交差
線が既に3本通っているマスは、交差させます。
小ループの回避
https://scrapbox.io/files/63bca85b8d79da001e0ccc97.png
小ループを回避して線が伸びる時、
そのマスが交差可能(×が1つもついていない)
かつ、
そのマスで線が転回している
時に、そのマスを十字に変えることで線端を増やすことができます。
直進部分を十字に変えても小ループは回避できません。
交差の個数
交差しているマスは線が2回通るので、
マスを市松に塗り分けた時に、交差するマスをダブルカウントすると、白と黒が同数になります。
すなわち、奇数サイズの盤面では、少ない方の色の上で1回交差が、
偶数サイズの盤面では、両方の色の上で同じ数だけ交差が発生します。
https://scrapbox.io/files/63bcac13d6cf31001e12e9e6.png
▲ 青と緑で1回ずつ、もしくは2回ずつ交差します。
大域小ループ禁
×が決まっていった結果、ある領域に進入できる辺が2つに限られることがあります。
この時2つの辺に線が引かれることが確定します。
小領域での市松
交差ができない地帯では、通常のシンプルループと同じ議論ができます。
https://scrapbox.io/files/63bcac3761a69e001e73c385.png
https://scrapbox.io/files/63bcac9db605f0001d978e61.png
交差できる場所が一箇所になったので交差が確定
https://scrapbox.io/files/63bcacdb6f9948001d856ed2.png
あと1マス余ってしまいました。
https://scrapbox.io/files/63bcad765ce994001e8d4cbf.png
R5C5はこれ以上交差しないので×をつけると、R4C5の線の伸びる方向が確定します。
あとは3本線が伸びているところを交差に変えていくと完成します。
×の省略
×をつけずに線の見落としを防ぐ方法として、十字になりうる線を2本の状態せず、0本か1本に留めておくというテクニックをにしなんとかさんに教えていただきました。
https://scrapbox.io/files/63c019b25061d5001d285da5.png