村境の春や錆びたる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ
村境の春...春が来ているらしい。ここは村境のようだ 錆びたる捨て車輪 車輪は移動の具になる。馬車か車か手押し車か。ともかくも車輪は捨てられ錆び、その用をもはや果たさない。ふるさとまとめて花いちもんめ...あの子は欲しい、あの子はいらない。そのむらの子供遊びのなかにふる里すら入っている。故郷は欲しい、故郷はいらない。捨て車輪と合わさると、故郷を捨てて出ていく人、というようなイメージが浮かぶがどうか。でもそれは憧憬、子供の頃の遊びに包まれている。そういえば「錆び」には時間の経過も感じられる。今考えられるのはここまで村境の春や錆びたる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ