数そのものを探求する問題集
多様体まで丁寧に歩く解析学問題集を作成中に脱線したので分離Summer498.icon
前作: オイラーの公式を導くための演習問題集
👷本題に集中するため工事保留
作図
(前提) 作図は曲がっていない場所で行う。
(直線) 2点を結ぶ線のうち、2点を結ぶ条件を保ちつつ平行移動してもその形を変えないものを直線と呼ぶ。
(線分) 直線上に2点を定めて切断したものを線分と呼ぶ。
(曲線) 直線でも線分でもない線を曲線と呼ぶ。
(円) 1点(中心)から等しい距離にある点の集まりが成す曲線を円と呼ぶ。
(角) 2本の直線が交わる場合、角を成す。
問題: (角の二等分線) 円と直線を用いて角をニ等分する直線を作図せよ。
(直角): 直線上に1点を定めて、それを角とみなした際の二等分角を直角と呼ぶ。
問題: 直角を作図せよ。
(平行): 相異なる2つの直線が交わらないとき、その2つの直線は平行である。
問題: (相似): 全ての角が等しい図形の辺の長さは一定の倍率で伸縮されることを示せ。
幾何からみた数
(自然数) 長さが$ 1の線分が与えられた時に、その線分と等しい長さで線分を延長することで$ 2,3,4,\cdotsの長さの線分を得る。このようにして得られる長さの値を自然数と呼び、長さが殆ど無い点のような線分の長さを表す$ 0と単位長さ$ 1を含める。
問題: 長さ3の線分を作図せよ。
(加算) 長さが$ aの線分を長さ$ bだけ延長した線分の長さを$ a+bで表す。
問題: (加算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ a+bの線分を作図せよ。
(減算) 長さが$ aの線分から長さ$ bだけ差し引いた線分の長さを$ a-bで表す。
問題: (減算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ a-bの線分を作図せよ。
(乗算) 長さが$ aの線分を$ k個繋げた線分の長さを$ kaで表す。
問題: (乗算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ abの線分を作図せよ。
なお、$ a,bの長さは自然数とは限らない。このため、長さ$ aの線分を$ b個繋げる回答は不適当である。
(冪乗): $ aを$ n回乗算した値を$ a^nで表す。
(冪根): $ n乗すると$ xになる正の実数を$ ^n\sqrt{x}で表す。特に$ \sqrt{x}=\,^2\sqrt{x}である。
(除算) $ d回繋げると長さが$ aになる線分の長さを$ \frac adで表す。
問題: (除算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ \frac{a}{b}の線分を作図せよ。
(整数) 自然数の減算により到達できる数を整数と呼ぶ。
(有理数) 整数の除算により到達できる数を有理数と呼ぶ。
(実数) 線分の長さを実数と呼ぶ。
補足: 有理数ではない実数の存在は現時点では示すのが難しいため、後の演習問題とする。
なお、以降の計算問題では計算のために作図を行う必要はなく、文字を代数的に操ることで完了して良い。
代数公理から見た数
(マグマ): 集合$ Mとそれに関して閉じた二項演算$ \circ:M\times M\to Mの組$ (M,\circ)をマグマと呼ぶ。
(代数構造の台): マグマのような集合と演算子の組を代数構造と呼び、その元になった集合を台と呼ぶ。代数構造を指定する際に簡潔に書くために代数構造の台の記号を用いてマグマ$ Mのように書くことがある。
問題: マグマの例とマグマではないものの例をそれぞれたくさんあげよ。
🍭例を上げる問題を対面で出題する場合は、1つ例を上げるごとに特典として安いお菓子を配布するのが望ましい。
(モノイド): マグマ$ Mが結合律を満たし、単位元を持つ際にマグマ$ Mをモノイドと呼ぶ。
任意の元$ a,b,c\in Mに対して
(結合律): $ a\circ(b\circ c)=(a\circ b)\circ c=a\circ b\circ c
(単位元): $ a\circ e=e\circ a=aなる元$ eが存在する
モノイドの単位元のことを$ 1と書くことが多い。
問題: モノイドの例とモノイドでない物の例をそれぞれたくさんあげよ。
(群): モノイド$ Gが逆元を持つ際にモノイド$ Gを群 (group) と呼ぶ。
任意の元$ a\in Gに対して
(逆元): $ a\circ x=x\circ a=eなる元$ xが存在する
群の逆元のことを$ a^{-1}のように書くことが多い。
問題: 群の例と群でない物の例をそれぞれたくさんあげよ。
(可換群): 群$ Gが可換律を満たす際に群$ Gを可換群、もしくはアーベル群と呼ぶ。
任意の元$ a,b\in Gに対して
(可換律): $ a\circ b=b\circ a
(環): 集合$ Rを台とする可換群$ (R,+)とモノイド$ (M,\cdot)が加法$ +のに対する乗法$ \cdotの分配律を満たす時、代数$ (R,+,\cdot)を環 (ring) と呼ぶ
任意の元$ a,b,k\in Rに対して
(左分配律): $ k(a+b)=ka+kb
(右分配律): $ (a+b)k=ak+bk
加法単位元を$ 0、加法逆元を$ -a、乗法単位元を$ 1と書くことが多い。
(余談): ドイツ語で数環を zahlring と呼ぶ。環の語源は zahlring に見られる。
問題: 環の例と環でない物の例をそれぞれたくさんあげよ。
(体): 環$ Fが乗法逆元を持つ際に、環$ Fを体(field, köper)と呼ぶ。
任意の元$ a\in F\setminus\{0\}に対して
(乗法逆元): $ a\cdot x=x\cdot a=1
乗法逆元を$ a^{-1}と書くことが多い。
(余談): ドイツ語の köper は物体を意味する。例えば、特殊相対性理論の論文は、 A.Einstein (June 30, 1905). “Zur Elektrodynamik bewegter Körper” (運動している物体の電気力学について)