オイラーの公式を導くための演習問題集
まさかのところから始めますSummer498.icon
数学の歴史を辿る旅にする予定
量が多いのでここで解かずに別ページを作って解いて下さい。
図形
作図
(前提) 作図は曲がっていない場所で行う。
(直線) 2点を結ぶ線のうち、2点を結ぶ条件を保ちつつ平行移動してもその形を変えないものを直線と呼ぶ。
(線分) 直線上に2点を定めて切断したものを線分と呼ぶ。
(曲線) 直線でも線分でもない線を曲線と呼ぶ。
(円) 1点(中心)から等しい距離にある点の集まりが成す曲線を円と呼ぶ。
(角) 2本の直線が交わる場合、角を成す。
問題: (角の二等分線) 円と直線を用いて角をニ等分する直線を作図せよ。
(直角): 直線上に1点を定めて、それを角とみなした際の二等分角を直角と呼ぶ。
問題: 直角を作図せよ。
(平行): 相異なる2つの直線が交わらないとき、その2つの直線は平行である。
問題: (相似): 全ての角が等しい図形の辺の長さは一定の倍率で伸縮されることを示せ。
計算作図
(自然数) 長さが$ 1の線分が与えられた時に、その線分と等しい長さで線分を延長することで$ 2,3,4,\cdotsの長さの線分を得る。このようにして得られる長さの値を自然数と呼び、長さが殆ど無い点のような線分の長さを表す$ 0と単位長さ$ 1を含める。
問題: 長さ3の線分を作図せよ。
(加算) 長さが$ aの線分を長さ$ bだけ延長した線分の長さを$ a+bで表す。
問題: (加算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ a+bの線分を作図せよ。
(減算) 長さが$ aの線分から長さ$ bだけ差し引いた線分の長さを$ a-bで表す。
問題: (減算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ a-bの線分を作図せよ。
(乗算) 長さが$ aの線分を$ k個繋げた線分の長さを$ kaで表す。
問題: (乗算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ abの線分を作図せよ。
なお、$ a,bの長さは自然数とは限らない。このため、長さ$ aの線分を$ b個繋げる回答は不適当である。
(冪乗): $ aを$ n回乗算した値を$ a^nで表す。
(冪根): $ n乗すると$ xになる正の実数を$ ^n\sqrt{x}で表す。特に$ \sqrt{x}=\,^2\sqrt{x}である。
(除算) $ d回繋げると長さが$ aになる線分の長さを$ \frac adで表す。
問題: (除算): 長さが$ aの線分と、長さが$ bの線分を利用して、長さが$ \frac{a}{b}の線分を作図せよ。
(整数) 自然数の減算により到達できる数を整数と呼ぶ。
(有理数) 整数の除算により到達できる数を有理数と呼ぶ。
(実数) 線分の長さを実数と呼ぶ。
補足: 有理数ではない実数の存在は現時点では示すのが難しいため、後の演習問題とする。
なお、以降の計算問題では計算のために作図を行う必要はなく、文字を代数的に操ることで完了して良い。
図形
(四角形) 4本の線分で囲まれた図形を四角形と呼ぶ。
(長方形) 四角形のうち、全ての角が直角を成すものを長方形と呼ぶ。
(正方形) 長方形のうち、全ての辺の長さが等しいものを正方形と呼ぶ。
(長方形の面積) 辺の長さが$ 1の正方形の面積(単位面積)を$ 1で与える。
(図形の面積) 他の図形の面積と比較することで面積を測定できる。
問題: 辺の長さが$ a,b,a,bの長方形の面積を求めよ。
補足: 「求めよ」とは何らかの方法でその値の正当性を示すところまで含む。
(三角形) 3本の線分で囲まれた図形を三角形と呼ぶ。
(直角三角形) 三角形のうち、一つの角が直角を成すものを直角三角形と呼ぶ。
問題: (直角三角形の面積) 直角で挟まれた辺の長さが $ a,b、斜辺の長さが$ cの直角三角形の面積を求めよ。
問題: (ピタゴラスの定理) 直角で挟まれた辺の長さが $ a,b、斜辺の長さが$ cの直角三角形において、$ a,b,cの関係を式で表せ。
補足: その式の正当性を示す作図を含む。
問題: 面積が$ 2である正方形を作図せよ。
{雑談} (ピタゴラスの信仰) 古代ギリシャの数学者ピタゴラスは、数は有理数のみであると信じていたが、後にそうではないことを弟子に示されてその弟子を破門した。
問題: (ピタゴラスへの謀反) 面積が 2 である正方形の長さ$ \sqrt 2は有理数ではないことを示せ。
(無理数) 有理数ではない実数を無理数と呼ぶ。
(円周と面積): 半径$ rと円周の長さ$ \alphaと面積$ Sの関係を式で表せ。
補足: その式の正当性を示す図解を含む。
この問題から我々は小学生のうちから積分の基礎を学んでいることを思い出させてくれる。
厳密性にこだわる場合、ここでは「$ S\approx」という言葉で円の面積を表せば良い。
後半の積分問題演習によって$ S=と書けるようになる。
(直径と円周): 円周の長さと、直径の比を円周率といい、$ \piで表す。
問題 (半径と円周): 半径$ rの円の円周の長さを求めよ。
問題 (半径と面積): 半径 $ rの円の面積を求めよ。
高難度: (円積問題): 長さが$ \sqrt\piの直線は作図できないことを示せ。
補足: この問題に解が与えられたのは 1882 年のことである。
(扇形): 円の中心から、角を成すように直線を2本描いた時、円周の一部と2本の直線(線分)から囲まれる部分を扇形と呼ぶ。
(弧長と面積): 半径$ rと扇型の弧長$ \alphaと面積$ Sの関係を式で表せ。
(角度): 半径1の扇形の弧長を定めると、扇形の線分で挟まれた角の大きさが一意に定まる。
従って、角の大きさを、その角を線分で挟まれた半径1の扇形の弧長により定める。
問題 (弧長) 半径$ r、角度が$ \thetaの扇型の弧長を求めよ。
問題 (直線) 直線上の3点が成す角度を求めよ。
問題 (直角) 直角の角度を求めよ。
問題 (正三角形の内角) 正三角形の内角を求めよ。
問題 (三角定規) 正三角形の内角を内角として持つ直角三角形の内角を全て求めよ。
問題 (直角二等辺三角形) 直角二等辺三角形の内角を全て求めよ。
問題 (三角形の内角): 任意の三角形の内角の和を求めよ。
問題 (凸多角形の外角): 任意の凸多角形の外角の和を求めよ。
補足: 外角は内角を成す線分の一方を延長することで得られる非自明な角である。
問題 (凸多角形の内角) 任意の凸多角形(n角形)の内角の和を求めよ。
三角関数
(直交座標系): 直交する直線2本を軸$ x,yとし、任意の点$ Pからそれぞれの軸に垂線$ h_x,h_yを引くものとする。
各軸$ x,yと垂線$ h_x,h_yとの交点$ X,Yと軸の中心(原点)$ O間の長さ$ p_x,p_yを測定することで、
点の座標$ (p_x,p_y)を一意に定める。
補足: $ x軸を横向きに引くことが多く、$ y軸を縦向きに引くことが多い。
(負の座標): 任意の軸について、原点から見て任意の方向にある点の座標を正の値で取る時、もう一方の方向にある点の座標を負の値で取る。また、他の軸の符号に関してはその軸とは独立に定める。
補足: $ x軸においては右を正に取ることが多く、$ y軸においては上を正に取ることが多い。
蛇足: コンピュータにおいては$ x軸においては右を正に取ることが多く、$ y軸においては「下」を正に取ることが多い。
問題: 任意の点$ Pの座標を$ (x,y)とした時に、原点$ Oから点$ Pまでの距離を求めよ。
問題: 任意の2点$ P_1(x_1,y_1), P(x_2,y_2)間の距離を求めよ。
(座標系上の図形): 図形上の点の座標が満たすべき式でその図形を表す。
問題: 図形 $ x=1を作図せよ。
問題: 2点$ P_1(x_1,y_2),P_2(x_2,y_2)を結ぶ直線の式を求めよ。
問題: 図形$ x^2+y^2=1を作図せよ。
高難度: (作図可能数) 線分の長さとして作図可能な数はどのような数か?
(単位円): 原点を中心とした半径1の円を単位円と呼ぶ。
(始線): 直交座標系の軸のうち、1つ選択して、その軸の原点から正の向きの半直線を始線と呼ぶ。
(三角関数): 単位円上の点$ Pと、始線と線分$ OPの成す角$ \thetaは一対一で対応する。
この点$ Pの座標を$ (\cos\theta,\sin\theta)で表す。
また、直線$ x=1と半直線$ OPの交点を$ (1,\tan\theta)で表す。
余談: 角度が$ 2\thetaの扇形に対して弓の弦のように線分を引くと、その長さが$ 2\sin\thetaになる。
このため、$ \sinを正弦と呼ぶ。
余談: 直角を分けるように角度$ \thetaを定めた時、余った側の角$ \frac{\pi}{2}-\thetaを余角と呼ぶ。余角の倍角に対して同様に弦を描くと$ 2\cos\thetaを得る。このため、$ \cosを余弦と呼ぶ。
余談: 接線の長さなので$ \tan\thetaを正接と呼ぶ。また、同様に考えて余接もある。
問題: (三角関数の周期性): $ kを整数$ (k\in\Z)とする時、$ \cos(2k\pi+\theta),\ \sin(2k\pi+\theta),\ \tan(k\pi+\theta)の値を求めよ。
問題: (三角関数の定義域と値域): $ \sin\theta,\ \cos\theta,\ \tan\thetaの定義域と値域を求めよ。
問題: (三角関数の各種計算): 以下の条件を満たす式を求めよ。
$ \tan\thetaを$ \sin\thetaと$ \cos\thetaを用いて表せ。
$ \sin\thetaと$ \cos\thetaの関係を式で表せ。
$ \tan\thetaと$ \cos\thetaの関係を式で表せ。
$ \tan\thetaと$ \sin\thetaの関係を式で表せ。
問題: (余弦定理): 三角形の辺の長さが$ a,b,c、長さが$ cの辺の対角が$ \thetaのとき、$ \cos\thetaと$ a,bを用いて$ cの長さを表せ。
問題: (定理の一般化): 余弦定理はピタゴラスの定理を一般化したものであることを直角三角形に対して余弦定理を用いることで確認せよ。
問題: (三角関数の対称性): 次の値を$ \cos\theta,\sin\theta,\tan\thetaを用いて、最も簡便な形で表せ。
$ \cos\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right),\cos\left(\frac{\pi}{2}+\theta\right),\cos\left(\pi-\theta\right),\cos\left(\pi-\theta\right),\cos\left(-\frac{\pi}{2}-\theta\right),\cos\left(-\frac{\pi}{2}+\theta\right),\cos\left(-\theta\right)
$ \sin\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right),\sin\left(\frac{\pi}{2}+\theta\right),\sin\left(\pi-\theta\right),\sin\left(\pi-\theta\right),\sin\left(-\frac{\pi}{2}-\theta\right),\sin\left(-\frac{\pi}{2}+\theta\right),\sin\left(-\theta\right)
$ \tan\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right),\tan\left(\frac{\pi}{2}+\theta\right),\tan\left(\pi-\theta\right),\tan\left(\pi-\theta\right),\tan\left(-\frac{\pi}{2}-\theta\right),\tan\left(-\frac{\pi}{2}+\theta\right),\tan\left(-\theta\right)
問題: (加法定理): 以下の式を$ \sin\alpha,\sin\beta,\cos\alpha,\cos\beta,\tan\alpha,\tan\betaを用いて表せ。
$ \cos(\alpha-\beta),\ \cos(\alpha+\beta),\ \sin(\alpha-\beta),\ \sin(\alpha+\beta),\ \tan(\alpha-\beta),\ \tan(\alpha+\beta)
余談: さり気なく出題しているが阪大で出題されるくらいの問題である。
問題: (積和公式): 以下の式を三角関数の和の形で表せ。
$ \cos\alpha\cos\beta,\ \sin\alpha\sin\beta,\ \cos\alpha\sin\beta, \sin\alpha\cos\beta
問題: (和積公式): 以下の式を三角関数の積の形で表せ。
$ \cos\alpha+\cos\beta,\ \cos\alpha-\cos\beta,\ \sin\alpha+\sin\beta,\ \sin\alpha-\sin\beta\,
問題: (京大): $ \tan 1^\circは有理数か?
補足: ただし、$ 1^\circは円周を360等分した角度のことである。
方程式
(方程式): 未知数$ xが満たすべき等式を方程式と呼び、$ xを明示的に与えることを、方程式を解くという。
問題: (等式変形の一意性): 等式で結ばれた式$ L=Rにおいて、両辺に同じ数を加算、減算、乗算、除算した結果が等しいことを示せ。
問題: (一次方程式): 方程式$ ax+b=0\quad(a\ne0)の実数解を導け。
問題: (複数の解を持つ方程式): $ (ax+b)(cx+d)=0\quad(a,c\ne0)の実数解を導け。
問題: (二次方程式1): 方程式$ x^2-10x+16=0の実数解を導け。
問題: (二次方程式2): 方程式$ x^2-34x+289=0の実数解を導け。
問題: (二次方程式3): 方程式 $ x^2+4x+13=0の実数解を導け。
問題: (二次方程式の一般解): 方程式 $ ax^2+bx+c=0\quad(a\ne0)の実数解を導け。
問題: (三次方程式1): 方程式 $ x^3-8x^2+x+42=0 の実数解を導け。
問題: (三次方程式2): 方程式 $ x^3-15x-4=0の実数解を導け。
(虚数): $ i^2=-1なる数$ iを導入すると、実数解が存在しない方程式も解けるようになる。
(複素数): 実数$ a,bと虚数単位$ iを用いて$ a+ibの形で表される数を複素数と呼ぶ。
問題: (二次方程式4): 方程式$ x^2+x+1=0を解け。また、この式の解$ \chiについて$ \chi^3を求めよ。
問題: (二次方程式の一般解): 方程式 $ ax^2+bx+c=0\quad(a\ne0)を解け。
問題: (立体完成): 方程式 $ ax^3+bx^2+cx+d=0\quad(a\ne0)において、$ \chi=x+\frac{b}{3a}と置換した式を求めよ。
問題: (カルダノの方法): 方程式$ x^3+px+q=0の解を$ x=u+vと置き、$ u^3と$ v^3が満たすべき二次方程式を導け。
問題: (三次方程式の一般解): 方程式$ ax^3+bx^2+cx+d=0\quad(a\ne0)を解け。
問題: (実数解なのに虚数): 前問で導いた式を用いて、$ x^3-15x-4=0を解け。
複素数
(実部と虚部): 複素数$ zが実数$ z_0,z_1を用いて$ z_0+iz_1で表せる時$ z_0を実部、$ z_1を虚部という。
問題: (実部と虚部の一意性): 複素数$ x,yの等しいとき、その実部と虚部が等しいことを示せ。また、その逆も示せ。
(複素共役): 複素数 $ z=z_0+iz_1 の虚部の符号を入れ替えた複素数 $ \overline z=z_0-iz_1を複素共役という。
問題: (複素数の四則演算): 実数$ x_0,x_1,y_0,y_1を用いて複素数$ x=x_0+ix_1, y=y_0+iy_1について$ x+y,x-y,xy,\frac x{y}の実部と虚部を求めよ。
問題: (複素共役の和と積): 複素数$ z=z_0+iz_1とその共役$ \overline z=z_0+iz_1の和$ z+\overline zと積$ z\overline zを求めよ
問題: (1の3乗根): 方程式$ x^3=1の解を求めよ。
問題: (円の3等分角): 円の3等分角$ \frac{2\pi}{3},\frac{4\pi}{3}の三角関数$ \cos,\ \sinを求めよ。
問題: (1の8乗根): 方程式$ x^8=1の解を求めよ。
問題: (円の8等分角): 円の8等分角$ \frac{k\pi}{4}\quad(k=0,1,\cdots7)の三角関数$ \cos,\ \sinを求めよ。
問題: (1の12乗根): 方程式$ x^{12}=1の解を求めよ。
問題: (円の12等分角): 円の12等分角$ \frac{k\pi}{6}\quad(k=0,1,\cdots11)の三角関数$ \cos,\ \sinを求めよ。
問題: (三角関数を含む複素数の積): 複素数$ (\cos\alpha+i\sin\alpha)(\cos\beta+i\sin\beta)を求めよ。
問題: (加法定理): $ \cos(\alpha+\beta),\ \sin(\alpha+\beta)を求めよ。
(複素平面): 複素数$ z=z_0+iz_1を直交座標上の点$ (z_0,z_1)で表すようにすると、図形の回転を複素数を用いて表せる。
(複素数の絶対値): 極座標上の原点から点$ (z_0,z_1)までの距離を複素数$ z=z_0+iz_1の絶対値$ |z|とする。
問題: 複素数$ zの絶対値$ |z|を実部と虚部を用いずに表せ。
問題: 複素数$ x,yについて、$ |xy|,\left|\frac xy\right|を求め、実部と虚部を用いずに表せ。
問題: (複素数の加算と図形): 三点$ P_1,P_2,P_3の座標に対応する複素数に複素数$ zを足した値に対応する点から成る図形を描け。
問題: (複素数の乗算と図形): 三点$ P_1,P_2,P_3の座標に対応する複素数に実数$ aを掛けた値に対応する点から成る図形を描け。
対数関数
問題: (積和公式): $ \cos\alpha\cos\betaを三角関数の和の形で表せ。
問題: (巨大数乗算): $ 3748219\times7890713を計算せよ。
問題: (近似計算):
三角関数表を用いて$ \cos\alpha=0.3748219,\ \cos\beta=0.7890713を満たす$ \alpha,\betaを求めよ。
三角関数表を用いて$ \cos(\alpha+\beta)と$ \cos(\alpha-\beta)の値を求めよ。
$ \frac12\left\{\cos(\alpha+\beta)+\cos(\alpha-\beta)\right\}の値を求めよ。
(逆三角関数): 三角関数表を逆引きする操作もまた関数を成す。
$ \sin x=\alphaを満たす$ xを$ x=\arcsin\alphaのように定義する。同様に$ \arccos,\arctanを定義する。
補足: 正弦、余弦、正接の値から弧長(arc)を求めるためこのように呼ぶ。
問題: (三角関数を用いた積和変換): $ b^nb^mを$ \arccosと$ \cosを用いて和の形で表せ。
{雑談}: 航海術において、大量の高精度乗算(すなわち多くの桁の数の乗算)が必要となった際に、船の上の計算師はこのような方法でズルをしていた。後にこのズルを更に短縮するための対数表が作成されることになる。
問題: (指数法則1): 自然数$ a,n,mに対して$ b^nb^mと$ (b^n)^aをより簡単な式で表せ。
問題: (指数法則2): 自然数$ nに対して$ b^\frac{1}{n}を冪根を用いて表せ。
問題: (指数法則3): 有理数 $ r=\frac{c}{d}に対して$ b^rを冪根を用いて表せ。
(対数関数): $ b^x=\alphaを満たす$ xを$ x=\log_b\alphaで表す。
特に$ \log_{10}は高精度計算に利用しやすかったため、対数表が整備されてよく用いられた。
問題: (対数関数1): $ \log_{10} x^kを$ \log_{10}xを用いた形で表せ。
問題: (対数関数2): $ \log_{10}(xy)を$ \log_{10}xと$ \log_{10}yを用いた形で表せ。
極限
問題: $ 2^{-1},2^{-2},2^{-3},2^{-4},2^{-5}を求めよ
問題: $ 2^{-n}の値について、$ nが大きくなるとどのような値に近づいていくと考えられるか。
問題: $ f(x)=\frac{1}{1+10^{x}}について、$ xが大きくなるとどのような値に近づいていくと考えられるか。また、$ xが小さくなっていくとどのような値に近づいていくと考えられるか。
問題: $ \frac11,\frac1{0.25},\frac1{0.125},\frac1{0.0625}の値を求めよ。
問題: $ \frac1{-1},\frac1{-0.25},\frac1{-0.125},\frac1{-0.0625}の値を求めよ。
問題: $ f(x)=\frac{1}{x}について、$ xが$ 0に近づいていくときの振る舞いについて述べよ。
問題: $ f(x)=\frac{1}{x^2}について、$ xが$ 0に近づいていくときの振る舞いについて述べよ。
(極限) 関数$ f(x)について、任意の実数$ \varepsilon>0に対して、ある$ \delta>0が存在して、その時に「$ |x-c|<\deltaならば$ |f(x)-\alpha|<\varepsilon」を満たす時に、関数$ f(x)は極限$ \alphaに収束するといい、$ \lim_{x\to c}f(x)=\alphaと書く。
この議論そのものが長いので記号を用いて書く。
任意の実数$ \varepsilon>0を$ \forall\varepsilon>0、ある$ \delta>0が存在することを$ \exist\delta>0と書く。
また、A ならば B を$ A\Rightarrow Bで表す。逆も成立する場合は$ A\Leftrightarrow Bで表す。
このとき、上記の議論は次のように書ける。
$ ^{\forall\varepsilon>0,\exist\delta>0}\left\lbrack |x-c|<\delta\Rightarrow |f(x)-\alpha|<\varepsilon\right\rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{x\to c}f(x)=\alpha
左極限と右極限を次のように定める。
$ ^{\forall\varepsilon>0,\exist\delta>0}\left\lbrack c<x<c+\delta\Rightarrow |f(x)-\alpha|<\varepsilon\right\rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{x\to c+0}f(x)=\alpha
$ ^{\forall\varepsilon>0,\exist\delta>0}\left\lbrack c-\delta<x<c\Rightarrow |f(x)-\alpha|<\varepsilon\right\rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{x\to c-0}f(x)=\alpha
問題 左右極限が一致する時に極限の式が導かれることを示せ。
問題: $ \lim_{x\to0}10^{\frac1{x^2}}を求めよ。
問題: 極限が存在しない場合はどのような場合か。
(発散1) 関数 $ f(x)について、任意の実数$ M>0に対して、ある$ \delta>0が存在して、その時に「$ |x-c|<\deltaならば$ f(x)>M」を満たす時、関数$ f(x)は正の方向に発散するといい、$ \lim_{x\to c}f(x)=\inftyと書く。
記号で書くと、
$ ^{\forall M>0,\exist\delta>0}\lbrack |x-c|<\delta\rightarrow f(x)>M \rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{x\to c}f(x)=\infty
同様に負の方向への発散$ \lim_{x\to c}f(x)=-\inftyを定める。
左右極限に関しても同様に定める。
問題: 極限$ \lim_{x\to0}\frac1{|x|}を求めよ
問題: 極限$ \lim_{x\to+0}\tan\left(x+\frac\pi2\right)と$ \lim_{x\to-0}\tan\left(x+\frac\pi2\right)を求めよ。
(振動) 発散も収束もしない場合、振動するという。振動は広義の発散に含まれることがある。
問題: 関数 $ \sin(x)の極限を求めよ。
(極限2) 関数$ f(x)について、任意の実数$ \varepsilonに対して、ある実数$ N>0が存在して、それより大きな任意の実数$ n>Nに対して「$ x>nならば$ |f(x)-\alpha|<\varepsilon」を満たす時に、関数$ f(x)は極限$ \alphaに収束するといい、$ \lim_{x\to\infty}f(x)=\alphaと書く。
これを記号で書くと
$ ^{\forall\varepsilon>0,\exist N>0,\forall n>N}\left\lbrack x>n\Rightarrow|f(x)-\alpha|<\varepsilon\right\rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{x\to\infty}f(x)=\alpha
また、同様に$ \lim_{x\to-\infty}f(x)を定める。
問題: 関数$ f(x)=\frac1{1+10^x}の$ x\to\inftyの時の極限と$ x\to-\inftyの時の極限を求めよ。
(発散2) 関数$ f(x)について、任意の実数$ M>0に対して、ある実数$ N>0が存在して、それより大きな任意の実数$ n>Nに対して「$ x>nならば$ f(x)>M」を満たす時、関数$ f(x)は正の方向に発散するといい、$ \lim_{x\to\infty}f(x)=\inftyと書く。
記号で書くと
$ ^{\forall M>0,\exist N>0,\forall n>N}\left\lbrack x>N\Rightarrow f(x)>M\right\rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{x\to \infty}f(x)=\infty
問題: 関数 $ f(x)=x^3-99x^2-999x-9999について$ x\to\inftyの時の極限と$ x\to-\inftyの時の極限を求めよ。
微分・積分
問題: (円の面積) 半径$ rの円の面積を求める方法を図解せよ。
(面積): 曲線$ y=f(x)と$ x軸、直線$ x=a,\ x=bで囲まれた図形の面積$ \int_a^bf(x){\rm d}xを求める。
区間$ \lbrack a,b\rbrackを細かく切り分けて$ \lbrack a=x_0,x_1\rbrack,\lbrack x_1,x_2\rbrack,\cdots\lbrack x_{n-1},x_n=b\rbrackとする。
区間$ L_k=\lbrack x_{k-1},x_k\rbrackにおいて、区間の長さを$ \Delta x_k=x_k-x_{x-1}とする。
また、$ f(x)の最小値$ \min_{x\in L} f(x)と最大値$ \max_{x\in L}f(x)を考える。
小さな長方形の総和$ \sum_{k=1}^n\min_{x\in L}f(x)\Delta x_kと大きな長方形の総和$ \sum_{k=1}^n\max_{x\in L}f(x)\Delta x_kが共通の値$ Sに収束するとき、この図形の面積は$ Sとなる。
$ f(x)<0の部分が多い場合、$ S<0となる。
問題: (面積) $ f(x)>g(x)とする。曲線$ y=f(x)と曲線$ y=g(x)、直線$ x=a,\ x=bで囲まれた図形の面積を求めよ。
問題 (扇形の内接三角形): 円を$ n等分した扇形の内接三角形の面積を求めよ。
問題 (扇型の外接三角形): 円を$ n等分した扇型の外接三角形の面積を求めよ。
(積分): 曲線$ y=f(x)と$ x軸、直線$ x=x_0,$ x=\chiで囲まれた図形の面積を$ \int_{x_0}^\chi f(x){\rm d}x=F(\chi)+Cで表すことにすると、色々な区間の面積を簡便な形で議論できて便利になる。
$ Cは$ x_0の取り方によって変わる。
これを単に$ \int f(x){\rm d}xで表す。
問題: (区間積分): 曲線$ y=f(x)と$ x軸、直線$ x=a,\ x=bで囲まれた図形の面積を$ Fを用いて表せ。
高難度: 曲線$ y=f(x)g(x)と$ x軸、直線$ x=x_0,\ x=\chiで囲まれた図形の面積を求めよ。
ここではまだ微分を紹介していないため高難度となる。
(微分): 積分が$ F(x)になる曲線$ f(x)を求めることを考える
定義から、$ F(\chi)+C=\sum_{k=1}^n\min_{x\in L_k} f(x)\Delta x_k<\sum_{k=1}^nf(x_{\in L_k})\Delta x_k<\sum_{k=1}^n\max_{x\in L_k}f(x)\Delta x_k=F(\chi)+C
真ん中の部分を取ってきて、
$ F(\chi)=\sum_{k=1}^nf(x_{\in L_k})\Delta x_k-C
差分を求めると、
$ F(\chi)-F(\chi-\Delta x_n)=\left(\sum_{k=1}^nf(x_{\in L_k})\Delta x_k-C\right)-\left(\sum_{k=1}^{n-1}f(x_{\in L_k})\Delta x_k-C\right)
$ =f(x_{\in L_n})\Delta x_n
$ f(x_{\in L_n})=\frac{F(\chi)-F(\chi-\Delta x_n)}{\Delta x_n}
$ n\to\inftyのとき$ f(x_{\in L_n})=f(\chi),\ \Delta x_n\to0となる。
ここで求めた量
$ f(\chi)=\lim_{\Delta x\to 0}\frac{F(\chi)-F(\chi-\Delta x)}{\Delta x}を微分といい、$ F'(x)や$ \frac{\rm d}{{\rm d}x}F(x)で書く。
問題: (傾き) 関数$ f(x)上の点$ (x_0,f(x_0))における接線の傾きを求めよ。
1. 関数上の2点$ (x_0,f(x_0)),(x_0+\Delta x,f(x_0+\Delta x))が通る直線の方程式の傾きを求めよ。
2. $ \Delta x\to0として、接線の傾きを求めよ。
問題: (微分の四則演算) $ f(x)+g(x),\ f(x)-g(x),\ f(x)g(x),\ \frac{f(x)}{g(x)}の微分を計算し、$ f'と$ g'を用いて表せ。
問題: (合成関数の微分1) $ f(g(x))の微分を計算し、$ f'と$ g'を用いて表せ。
問題: (逆関数の微分) $ f(f^{-1}(x))=xなる関数$ f^{-1}の微分を$ f'を用いて表せ。また、$ g^{-1}(g(x))=xなる関数$ g^{-1}の微分を計算し、$ g'を用いて表せ。
問題: (積の積分) $ f(x)g(x)の積分を求めよ。
問題: 曲線$ y=f(x)g(x)と$ x軸、直線$ x=x_0,\ x=\chiで囲まれた図形の面積を求めよ。
全く同じ問題が高難度として出題されている。この問題の難易度が下がっているのは微分の恩恵である。
問題: (合成関数の積分): $ f(g(x))g'(x)の積分を求めよ。
問題 (多項式関数の微分): $ x^nの微分を求めよ。
問題 (多項式関数の積分): $ x^n\quad(n\ne1)の積分を求めよ。
問題: (指数関数の微分) 指数関数$ b^xの微分を計算せよ。独自の定数が必要であれば定義せよ。
問題: (対数関数の微分) 対数関数$ \log_b xの微分を計算せよ。独自の定数が必要であれば定義せよ。
問題: 対数関数の微分と指数関数の微分で現れた定数を比較せよ。
(自然対数の底): $ \frac{{\rm d}}{{\rm d}x}e^x=e^xを満たす定数$ eを自然対数の底と呼ぶ。
問題: (自然対数の底) $ eの極限を計算せよ。
問題: (指数関数の微分) 指数関数$ b^xの微分を計算せよ。
問題: (指数関数の積分) 指数関数$ b^xの積分を計算せよ。
問題: (対数関数の微分): 対数関数$ \log_b xの微分を計算せよ。
(自然対数): $ eを底とする対数関数$ \log_e xを単に$ \ln xと書く。
問題: (合成関数の微分): 関数$ (\ln x)^nの微分を計算せよ。
問題: (逆数の積分): 関数$ \frac 1{x}の積分を計算せよ。
問題: (対数の積分): 関数$ \ln xの積分を計算せよ。
問題: (三角関数の微分): 三角関数$ \sin x,\ \cos x,\ \tan xの微分を求めよ。
問題: (三角関数の積分): 三角関数$ \sin x,\ \cos x,\ \tan xの積分を求めよ。
多変数関数の微分
(偏微分): 多変数関数$ f(a,b)について、一つの変数のみに関して微分を行う操作を偏微分といい、$ \frac{\partial}{\partial a}f(a,b)や$ \frac{\partial}{\partial b}f(a,b)で表す。
問題: (偏微分): 関数$ f(a,b)=\frac{2ab}{a^2+b^2}の$ a,\ bそれぞれに関する偏微分を求めよ。
問題: (極限の復習): 極限$ \lim_{x\to c}f(x)=\alphaについて、$ c,\alphaが有限の場合と無限の場合についてそれぞれ$ \forall\varepsilon>0,\exist\delta等の記号を用いて書き下せ。
問題: (多変数関数の極限):
1. 関数$ f(a,b)=\frac{2ab}{a^2+b^2}に関して$ \lim_{a\to 0}\left(\lim_{b\to0}f(a,b)\right)と、$ \lim_{b\to0}\left(\lim_{a\to0}f(a,b)\right)を求めよ。
2. $ a=r\cos\theta,\ b=r\sin\theta\quad(r>0)として、$ g(r,\theta)=f(a,b)となるような$ gを求めよ。
3. $ r\to+0のとき、$ a\to 0かつ$ b\to 0になり、$ f(a,b)について$ a,bを同時に$ 0に近づけた際の極限を計算できる。前問の$ g極限$ \lim_{r\to+0}g(r,\theta)を求めよ。
(平面上の領域): 座標平面上に領域$ Sを考える。$ S=\{(x,y)| x^2+y^2<1\}のように集合の内包記法を用いると領域に含まれる任意の点が満たすべき条件を表示できる。
問題: 次の領域を図示せよ。
$ S_1=\{(x,y)|(x+3)^2+y^2<1\}、$ S_2=\{(x,y)|(x-3)^2+y^2\le 1\}
$ S_3=\{(x,y)|-\sqrt{1-x^2}\le y<\sqrt{1-x^2}\}
(領域と関数): 領域$ Sに含まれる任意の点$ (x,y)に対して関数$ f(x,y)を適用して得られる点全体の集合を単に$ f(S)と書く。
問題: (原点の近傍): 関数$ f(x,y)=\frac{2xy}{x^2+y^2}と領域$ S_\delta=\{(x,y)|x^2+y^2<\delta\}において、$ f(S_\delta)の値の範囲を求めよ。
問題: (原点の近傍): 関数 $ f(x,y)=\sin x+\cos yにおいて、$ f(S_\delta)の値の範囲を求めよ。
問題: (ε-近傍): 関数$ f(x,y)=\sin x+\cos yにおいて、任意の$ \varepsilon>0に対して$ f(S_\delta)\sub\{x|(x-1)^2<\varepsilon^2\}を満たす$ \deltaを構成し、$ \varepsilonの関数$ \delta(\varepsilon)として表せ。
(近傍): 任意の点$ (x_0,y_0)の近傍を$ U_\delta(x_0,y_0)=\{(x,y)|(x-x_0)^2+(y-y_0)^2<\delta^2\}で表すことにする。
また、実数$ \alphaの近傍を$ u_\varepsilon(\alpha)=\{x|(x-\alpha)^2<\varepsilon^2\}で表すことにする。
(多変数関数の収束1): 関数$ f(x,y)について、任意の$ \varepsilon>0に対して、ある$ \delta>0が存在して、領域$ f(U_\delta(x_0,y_0))が近傍$ u_\varepsilon(\alpha)に含まれる時に、関数$ f(x,y)は$ \alphaに収束するといい、$ \lim_{(x,y)\to(x_0,y_0)}f(x,y)=\alphaと書く。
全て記号で書くと次のようになる。
$ ^{\forall\varepsilon>0,\exist\delta>0}\lbrack f(U_\delta(x_0,y_0))\sub u_\varepsilon(\alpha)\rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{(x,y)\to(x_0,y_0)}f(x,y)=\alpha
問題: (多変数関数の収束): 極限$ \lim_{(x,y)\to(0,0)}e^\frac{1}{x^2+y^2}を求めよ。
複素関数
問題: (多項式関数): $ z=a+ib\quad(a,b\in\R)に関して$ f(z)=z^3+3z^2+3z+1の実部と虚部をそれぞれ求めよ。
問題: (複素関数同士の計算): 前問の関数$ f(z)と関数$ g(z)=(a+1)+ibについて、$ \frac{f(x)}{g(z)}を求めよ。
問題: (複素平面上の操作): $ (a\cos \theta+ia\sin \theta)(b\cos\phi+ib\sin\phi)を計算せよ。
問題: (実数から複素数への関数の微分): $ z(x)=f(x)+ig(x)を実数$ xについて微分せよ。
(複素関数の収束1): 関数$ f(z)について、任意の実数$ \varepsilon>0に対して、ある$ \delta>0が存在して、その時に「$ |z-c|<\deltaならば$ |f(z)-\alpha|<\varepsilon」を満たす時に、関数$ f(z)は極限$ \alphaに収束するといい、$ \lim_{z\to c}f(z)=\alphaと書く。
すべて記号で書くと次のようになる。
$ ^{\forall\varepsilon>0,\exist\delta>0}\left\lbrack |z-c|<\delta\Rightarrow |f(z)-\alpha|<\varepsilon\right\rbrack\quad\Leftrightarrow\quad\lim_{z\to c}f(z)=\alpha
左極限や右極限のみならず、任意の方向から$ cに近づけた際に同一の値$ \alphaに近づかなければならない。
問題: 極限$ \lim_{z\to0}\frac{|z|^2}{z}を求めよ。
問題: 任意の複素数$ cについて、極限$ \lim_{z\to c}\frac{z}{|z|}を求めよ。
(複素関数の微分): 関数$ f(z)について、次の式で表される極限を複素空間上での微分といい$ f'で表す。
$ f'(z)=\lim_{\Delta z\to0}\frac{f(z+\Delta z)-f(z)}{\Delta z}
問題: (複素関数の微分): 複素数$ z=x+iyの関数$ f(z)は2変数実数値関数$ a(x,y),b(x,y)を用いて$ f(z)=a(x,y)+ib(x,y)と表せる。微分$ f'(z)を実部と虚部$ x,yに関する式で表せ。なお、変化量は$ \Delta z=\Delta x+i\Delta yのように実部と虚部に分解できる。
問題: (コーシー・リーマン方程式): 実部と虚部で表した複素関数の微分について、極限の収束条件を求めて偏微分$ \frac{\partial a}{\partial x},\frac{\partial a}{\partial y},\frac{\partial b}{\partial x},\frac{\partial b}{\partial y}を用いて表せ。
問題: (複素高階微分): 微分可能な複素関数の微分がもう一度微分できる条件を偏微分$ \frac{\partial a}{\partial x},\frac{\partial a}{\partial y},\frac{\partial b}{\partial x},\frac{\partial b}{\partial y}を用いて表せ。
問題: (複素指数関数と共役): 複素数$ z=x+iyの指数関数$ e^zと共役複素数$ \overline{z}の指数関数$ e^{\overline z}の関係を求めよ。
問題: (純虚数の指数関数の大きさ): 純虚数$ ibについて指数関数の絶対値$ |e^{ib}|を求めよ。
問題: (純虚数指数関数の図): $ e^{ib}を図示せよ。
問題: (純虚数指数関数の偏角): $ e^{ib}上の点$ Pの偏角を$ \theta(b)とおき、$ e^{ib}の実部と虚部を$ \theta(a)を用いて表せ。
問題: (指数法則): $ e^{i(b+\beta)}を$ \theta(b)と$ \theta(\beta)を用いて表せ。また、偏角$ \theta(b+\beta)を求めよ。
問題: (純虚数指数関数の偏角) ここまでの議論から偏角は$ \theta(b)=kb\quad(k\in\R)とおけることを確認せよ。
問題: (複素指数関数): 複素指数関数に微分可能性を要請する。$ e^z=e^{a+ib}について、偏角を$ kbとして$ kを求めよ。
問題: (複素指数関数): 複素数$ z=x+iyの指数関数$ e^zの実部と虚部を実数$ x,yを用いて表せ。
問題: (複素対数関数): 複素数$ z=x+iyの対数関数$ \ln zの実部と虚部を実数$ x,yを用いて表せ。
問題: (複素三角関数): 複素数$ z=x+iyの三角関数$ \sin z,\ \cos z,\ \tan zの実部と虚部を実数$ x,\ yを用いて表せ。
問題: (微分公式): 複素関数$ f(z)g(z)と$ f(g(z))の微分を求めよ。
問題: (各種関数の微分): 複素指数関数, 対数関数, 三角関数 の微分を求めよ。
問題: (おわり): $ e^{i\pi}を求めよ。