子子子子子子子子子子子子

「お前読め」

とおっしゃった。すると篁は

「読めるは読めるのですが、おそろしいので、申しあげたくありません」

と言う。嵯峨天皇、

「いいから言え」

と度々おっしゃるので、篁は

「「さがなくてよからん」と読みます」

(悪を「さが」と読んで、「嵯峨天皇がいない方がいいのに」と解した)

「陛下を呪っているのです」

と言ったら、

「篁、お前以外に誰が(こんな立て札を)書くものか」

とおっしゃったので、

「だから「申しあげたくない」と申しあげたのです」

と言う。嵯峨天皇、

「書いたものなら何でも読めるのか」

と聞くと、

「何でも読めます」

と言うので、片仮名の「子」の文字を十二個お書きになって、

子子子子子子子子子子子子

「読んでみろ」

とおっしゃる。篁、

と読んだので、嵯峨天皇はほほえみなさって、事なくすんだということだ。

物語的に解釈するなら嵯峨天皇の政治が気に入らない人が皮肉って書いたってことか