因数分解
$ x^4+x^2+1を因数分解せよ
因数分解じゃないけど$ x^4+x^2+1=(x^2)^2+x^2+1=\frac{x^6-1}{x^2-1}を雑に思いついた
$ x^2+2x+1から連想すれば簡単だったtakker.icon
$ \begin{aligned}x^4+x^2+1&=(x^2)^2+2(x^2)+1-x^2\\&=(x^2+1)^2-x^2\\&=(x^2+x+1)(x^2-x+1)\end{aligned}
$ x^6-1と組み合わせると面白い
$ \begin{aligned}x^6-1&=(x^2-1)(x^4+x^2+1)\\&=(x^2-1)(x^2+x+1)(x^2-x+1)\\&=(x-1)(x^2+x+1)(x+1)(x^2-x+1)\\&=(x^3-1)(x^3+1)\\&=x^6-1\end{aligned}
$ \begin{aligned}x^4+x^2+1&=(x^2)^2+x^2+1\\&=\frac{x^6-1}{x^2-1}\\&=\frac{(x^3-1)(x^3+1)}{(x-1)(x+1)}\\&=\frac{(x-1)(x^2+x+1)(x+1)(x^2-x+1)}{(x-1)(x+1)}\\&=(x^2+x+1)(x^2-x+1)\end{aligned}
$ |x|\neq1のときしか示せないから面倒ではある
てっきり解けないものだと思い込んでた
他にも解法あるかな?
因数分解の範囲を複素数まで広げると何が起こっているのかよく分かるyanma.icon
与式は複二次式なので$ X = x^2 とおいて$ X^2 + X + 1 とすると、この多項式の根は1の三乗根$ \omega, \overline{\omega} 覚えてなくても$ X^2 + X + 1 = 0 とおいて解の公式から出てくる。
慣れてくると$ (X^3-1)=(X-1)(X^2 + X + 1) から連想できる。
よって、$ \zeta = \sqrt{\omega} = {\rm e}^{\theta i}(\theta = \pi/3) とおくと、これは1の六乗根のひとつになっていて、
$ \begin{aligned} x^4 + x^2 + 1 &= X^2 + X + 1 \\ &= (X-\omega)(X-\overline{\omega}) \\ &= (x^2-\omega)(x^2-\overline{\omega}) \\ &= (x+\zeta)(x-\zeta)(x+\overline{\zeta})(x-\overline{\zeta}) \\ &= (x-{\rm e}^{\theta i})(x-{\rm e}^{2\theta i})(x-{\rm e}^{4\theta i})(x-{\rm e}^{5\theta i}) \end{aligned}
そうか、複素数の世界なら機械的に因数分解できるんだ。これは強力だtakker.icon
世界が広がった!すごいu.icon
なんだか規則的に並んでいるように見える。これは、1の六乗根に関連している。
1の六乗根というのは$ x^6 = 1 \Leftrightarrow x^6 - 1 = 0 の解だった。左辺を因数分解すると
$ \begin{aligned} x^6 - 1 &= (x-1)(x+1)(x^4+x^2+1) \\ &= (x-{\rm e}^{\theta i})(x-{\rm e}^{2\theta i})(x-{\rm e}^{3\theta i})(x-{\rm e}^{4\theta i})(x-{\rm e}^{5\theta i})(x-{\rm e}^{6\theta i}) \end{aligned}
つまり、$ x^4 + x^2 + 1 というのは六乗根の$ -1 = {\rm e}^{3\theta i}, 1 = {\rm e}^{6\theta i} 以外の因子を根に持つ多項式である。
takker.iconの解で、等比数列の和の公式を使うと$ x^2 - 1 = (x-1)(x+1) が分母に出てきた
ほんとだ
単に$ x^6-1=(x^2)^3-1=(x^2-1)((x^2)^2+x^2+1)から連想してた
これは、六乗根から$ \pm 1 を消して帳尻を合わせるためと見ることもできる
/icons/たしかに.icon
そういう目で見ると、分子の$ x^6 - 1 も六乗根に見えてくる
$ \zeta + \overline{\zeta} = \zeta \overline{\zeta} = 1 なので、$ (x \pm \zeta)(x \pm \overline{\zeta}) = x^2 \pm x + 1 (複号同順)
これを使うと、$ (x+\zeta)(x-\zeta)(x+\overline{\zeta})(x-\overline{\zeta}) = (x^2+x+1)(x^2-x+1) と実数範囲に戻せる。
$ \omega, \overline{\omega}, \pm \zeta, \pm \overline{\zeta}, \pm 1 が複素平面上の単位円のどこに来るか描いてみると、もっとよく分かる(誰かやって下さいyanma.icon)
そのうち書きたいtakker.icon
数学ガールに似たような話出てきます。この辺興味あればぜひ(宣伝) code:factorization
from sympy import *
x = Symbol('x')
y = x**4 + x**2 + 1
print_latex(factor(y))
/icons/すごーい.iconyosider.icon
不思議
計算機の原理?みたいなのを調べてみるu.icon
$ x^4+x^2+1 = 0 方程式の解
code:solvation
from sympy import *
x = Symbol('x')
solutions = solve(x**4 + x**2 + 1, x)
print_latex(solutions)
$ \left( - \frac{1}{2} - \frac{\sqrt{3} i}{2}, \ - \frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3} i}{2}, \ \frac{1}{2} - \frac{\sqrt{3} i}{2}, \ \frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3} i}{2}\right)
解を複素平面に図示
https://gyazo.com/d672de0815f433f7d1c0e78e8080502c
$ (x^6-1) の解
https://gyazo.com/2cb69ed7e3709ef3d2c246a5d04037ef ー https://gyazo.com/216d0bbc138d0d844b33eb0487deb3a3
$ y = x^4+x^2+1 のグラフ
https://gyazo.com/64d5274e26f5403e917c4d98ac88328b
思ったんだけど、複素数に拡張した3次元グラフで表すと👆のグラフはどうなるだろう??u.icon
難しそう
$ f:\mathbb{C}\rightarrow\mathbb{R}か$ f:\mathbb{R}\rightarrow\mathbb{C}なら3次元グラフで表せる
https://gyazo.com/fd7158b5099b1f1714b32fd94c14b898https://gyazo.com/c93f355a7eebf0e8989b9531c036f20f
すごい
類題:$ x^5+x+1
昔のブックマークに入っていたyosider.icon
え、ちょっとまってこのサイト閉鎖されたの!?takker.icon
見たちょうどその日に閉鎖されててびっくりしたyosider.icon
ふぇーdnin.icon