内向きの説明と外向きの説明
Summer498.icon
問題意識
(聞き手から見て) 分かりづらい説明の分析
(話し手から見て) 伝わらない説明の分析
(聞き手から見て) 納得できない説明の分析
(話し手から見て) 説得に失敗する説明の分析
まず、人は信じたい物を信じる。
特に価値観、自尊心、アイデンティティ、面子(メンツ)、過去の努力(人生)等の信念によってその存在が維持される物は、その信念が崩されそうになった人から強い反発が発生する。より機械論的言い方をすれば、多くの人間は特定の刺激に対して防衛機制と呼ばれる強い反応が発生する。その様子が、まるで何かを守っているかのように見えるので、そこに尊い物(目に見えないが、守られるべき価値のある物)が存在すると言うふうに理解すると、この反応を単純化して理解できる。すなわち、存在を仮定することで理解コストを下げられる。また、複数人が同じ尊い物の存在を信じることで、単純な理解のもとで円滑なコミュニケーションができる。
同様に悪や穢れ、禁忌と言った忌避すべきだと、あるいは格下や賤民といった蔑ろにしてもいいと本人が信じることで存在が維持されるものについても同様に、崩されそうになった人から強い反発が発生する。そして尊いものと同様に、そこに卑しいもの(目に見えないが、軽蔑されるべきもの)が存在するという風に理解することで、理解コストを下げられる。更に、複数人が同じ卑しいものの存在を信じることで、単純な理解のもとで円滑なコミュニケーションがなされる。
自己やあるいは自己が属する集団の中では概ね同じ尊いものや卑しいものが信じられており、内向きの説明に置いては、それが正しい前提で話すことで効率よくコミュニケーションができる。心情的な摩擦の少なさだけではなく、前提を大幅に省略することでコミュニケーションの時間を減らせる。
逆に外部の人間がその外集団における内向きの説明を行った時のことを考えよう。例えば、頭の硬い人の話を聞かなければならない時を考えてみよう。
話がズレてきたかもしれん
全体を組み立ててから細部を肉付けしていくほうが良いな。
知識や思いに引っ張られて容易く脱線してしまう。
言いたいことが複数ある
漠然とした問題(困りごと)
言葉が通じない(ように見える)相手とのコミュニケーション
概念の理解に齟齬がある相手
理解を拒む可能性のある相手
細かいツッコミで揚げ足を取ってくる相手
漠然とした問題の原因たり得る、技法的な問題
認識のずれ、衝突
様相論理的な誤謬
内向きには言葉を圧縮するために様相を単純化して話しても話が通じる。
外部相手だと様相論理的な誤謬は認識のずれや衝突も引き起こす。
「Aだ」「Aできる」「Aすべき」「Aしたい」「法的にAだ」
走れる→走る
普段走っていないだろう
働くべき→働く
働いていない人もいる
空を飛びたい→飛ぶ
飛びたくても飛べない
出生の届出は、十四日以内(国外で出生があつたときは、三箇月以内)にこれをしなければならない。戸籍法第四十九条
→ 全ての日本国民は出生届けが出されている
出生届けが出されなかった人もいる。(日本国内で日本国民の両親から生まれたが出生届けが出されなかった人もいる)
「Aではない」「Aできない」「Aしてはならない」「Aしたくない」
技法的な問題が漠然とした問題を引き起こすメカニズム
技法的な問題を解決する為の方針ないしは方法論
認識したものを存在するように語ってはならない。存在論的な語り口よりも認識論的な語り口をすべし
理想を現実のように語ってはならない。理想論的な語り口よりも現実主義的語り口をすべし。
新しい方法論によって、困りごとがどのように解決するか
こうすると、相手が認識しているものとは異なることを述べる「嘘つき」にならずに済む。
更に、互いに話が通じる領域(現実と認識)を介して話すため、踏み込んだ話も拒否感を持たずに話しやすい。
誤解してはならない点
言葉を曖昧にすることは奨励していない
それはどのような文になるか?
それはどのように読み取れるか?
提案する方法で自分の話し方を修正するのは良いが、相手の話を修正してはならない。
相手の信念を「〜と信じている人もいるんですよね」や「〜と言う認識なんですね」と殊更に繰り返すと意図せず相手の信念を傷つけることになる。
感情的反発の話があって話が通じない場合と
感情的反発がなくて話が通じない場合の両方を書きたい
奥底のメカニズムが時に絡まり合う事があるので、同時に説明する方が良い。
感情的反発がなくても誤解する話し方で意味を誤解された上に、それに基づく感情的反発を生んで、その感情的な動きによって更に話を誤解されやすくなる。
感情に関してはプライドとトラウマが激烈な反応を引き起こす
キセル乗車やゲーム改造に対する叩きとかを見ると気持ち悪いほどの群集心理を見せてくれるSummer498.icon
自転車置場の議論みたいな簡単で身近な議論で、しかも違法や規約違反を咎める側(官軍)であることが確定した瞬間に罪の大きさに見合わない勢いで石をぶつけ始める
魔女裁判
内向きの説明と外向きの説明――脱線