下坂英「科学におけるエポニム」
3. 複数の名前が並ぶエポニム
a. 共同研究型
エーテルの風の風速が実験誤差の範囲内$ = 0であると確認された実験 補足
実際には共同で研究してないが、広い意味で共同のケースも入れたい
1人が実験によって発見
1人が理論的に証明
b. 同時発見型
複数の独立に研究している研究者が同時に発見
彗星とか小惑星は人名のほうが分かりやすいかもSummer498.icon
基本的に全部石ころだし()
エポニムを超える分かりづらさ
もしかして: ギリシャ神話の人名nishio.icon
互いに認め合うという大人の解決が望ましい
だが、大科学者たちが激しく論争し合ったりする
しょーもない論争の種になる印象がある
エポニムが無くてもやりそうな気がするが、それは影でやっといてもろて
しょーもない論争のせいで名前に表記揺れが生まれる実害が出るのが嫌
c. 合体型
d. 見直し型
結果的に a (共同研究型) か b (同時発見型) になる
後の科学史の (?) 研究でもう一人の貢献が大きいことが分かり、二人の名前にするケース
5. 科学のエポニムの今後を考える
エポニムに対する批判もある
まず、わかりにくい
何の法則?
サイクル → ヘルツ
サイクル = 周期なので分かりやすい
ヘルツ: 誰?
さらに、欧米人ばかりの名前が使われているのがいやだという人もいる
笑うSummer498.icon
思わぬ誤解の原因にもなる
エポニムに対する擁護もある
科学の世界の人間味を感じさせる
親しみを持つきっかけになる
(アリス・ロバーツ、田沢恭子訳『アリス博士の人体メディカルツアー早死にしないための解剖学入門』フィルムアート社、2016、103 頁。)
(前略) 発見者にちなんだ命名は、体をファンタジーに満ちた『指輪物語』の世界のように感じさせてくれる、すばらしいものです。(後略) 専門用語が全部エポニムになってるノンフィクションファンタジーを書いたらいいんじゃないすかねSummer498.icon
ある専門分野の歴史を説明する本はある意味歴史小説みたいな楽しみ方ができるし、全部エポニム版の科学史は読んでいて面白そう
逆にエポニムを完全に排除して意味を探求した命名をした本も読んでみたい