ライン作業
から一部抜粋
ライン生産方式による製造現場において作業に従事するブルーカラー作業員をライン工(ラインこう)と呼ぶ。 Hiro Aki.iconの体験と感想
作業内容
2直体制で昼勤は8時~17時(必ず残業有、遅いと21時まで作業)、夜勤は21時~6時(2時間残業で昼勤開始時間)
1週間で切替、土曜日も基本出勤(土曜日の休日手当は出る)
土曜日が夜勤で日曜日に返ってきて、月曜の朝出勤が実質休み半日でつらかった
自動車のブレーキを作動させる油圧機器の組立ライン、そのラインへ向けて部品を供給する係に従事
ラインの形状はおおよそ「U」の字で、そのさらに外側から部品の入った小さい籠を、棚に書かれた品番通りに投入
「U」の字の面積は10m×30mくらい(記憶の中の話なのでかなり曖昧
ライン用に台車が用意されていて、ひたすら台車を押して歩き回る
1日10時間以上台車を押して歩き続けるのでかなり痩せた、というか窶れた
籠にも同じく品番が書かれていて、品番の物を探してきて規定の数を入れて、ラインまで持ってくるのだが、倉庫から探す以外に別ラインで生産した部品を持ってくることもある
担当したラインは5機種ほど生産していたので、品番数が多くどこにあるのか覚えるのが非常に苦労した
部品投入が間に合わないと怒られるので、いかに効率よく集めて戻ってくるか考える必要がある
服装
作業場所はクリーンルーム(油圧機器組立なので当然の話だが)だったので私服の上から専用のクリーンウェア+薄いゴム手袋を着てた
作る製品の関係で室内はすごく暑く、しかも通気性最低なクリーンウェアなので作業環境は最悪
靴は支給された静電気抑制対応安全靴
感想
ライン作業は単調で飽きる、と言われるが作業内容が特殊で飽きるのは遅かった
時間間隔がバグって、残り時間を確認すると感覚とのズレがすごいのは部品投入係も同じ
過酷な環境なので若い男性が大半、女性は0名、外国人労働者も多数、高齢者は少数見かける
高齢者はバブル期も働いていたそうで、当時は給料の封筒が立ったとのこと(たぶん100万超)
体力以外何も無い、という人でも結構なお金を稼げる世界があることは知ってたけど、具体的にどういう世界か少しだけ知れたのは意義があるが、誰かに勧める気は起きない
試作品を一個作るのは簡単、それを大量生産させるのはものすごく大変であることを身を持って知った
高性能な試作品が公表され、それに対して部外者が気軽に「早く大量生産しろ」と言う事に対して、一度ライン工をやってみろと思うようになった
つらい作業だったが、隣を見るともっとつらいラインが見えるので文句を言えないのが地味につらい