シーア派
預言者ムハンマド没後、血縁者であるアリーとその子孫のみが、預言者の代理として指導者の職務を後継する権利を持つと主張する。 一方でスンナ派はイスラーム共同体におけるコンセンサス形成を重視し、結果多数派を形成するに至った。 預言者ムハンマド(マホメット)の死後、アブー・バクル、ウマル、ウスマーン、アリーが後継者(カリフ)として選任されたが、アリーのみが正当な後継者であると主張する一部の者を除いて、大多数の信徒はその4人を「正統カリフ」として承認した。この多数派はその後のウマイヤ朝、アッバース朝のカリフをも同様に認め、現実のイスラム世界の歴史的展開をそのまま承認した。これを基本的立場として10世紀ころまでにシーア派、ハーリジー派などの極端派に対処する過程で徐々にその思想を形成していったのがスンニー派である。