ひとはいつも愛するものについて語ることに失敗する
この本の中にタイトルの通りに出てくるのかは未確認hatori.icon
バルトの遺稿となった評論のタイトルが"On échoue toujours à parler de ce qu'on aime."であり、これは前述のスタンダールの本からの引用である バルトはこの評論をイタリア・ミラノで開かれる国際スタンダール学会のために用意していたが、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった 日本語訳には多少の表記ゆれがあるが、 本ページのタイトルは以下に従ったhatori.icon
本書は、作家論と《イメージの周辺》を扱った批評的エッセー18篇を収める。母親の死を契機に自らをプルーストの体験に重ね合わせて語る興味深いプルースト論、バタイユ文学への深い理解に満ちた「テクストの出口」、惜しくも遺稿となったスタンダール論をはじめ、大学制度批判としての「作家、知識人、教師」「ゼミナールに」、またミシュレやブレヒトの再読、さらに無名のF・Bやサルドゥイ、ルノー・カミュなど、わが国に余り知られていない作家の選び方も刺戟的である。執筆された時期、対象となった作家や思想の多様性のために本書の18篇は、バルト自身の多様性と思考の流れ、さらには現代という時代の多様性を知るのに恰好のエッセー集となっている。 関連しているように思う話で芥川龍之介の僻見の一節があるcFQ2f7LRuLYP.icon