なんでも知っている馬鹿
「なんにも知らない馬鹿がいるし」
山系君が警戒する様な顔をしている。
「なんでも知っている馬鹿もいる」
「いますかね」
「いる。学は古今に通じ、識は東西にあまねくして、それでどう見ても馬鹿なんだ。あんなのは困るね」 「だれの事ですか」
「だれがどうと云うのではない。一般論だよ。つまり知っていると云うだけで、それだけでお仕舞なのさ」 「はあ」
内田百閒の阿房列車シリーズのどこかに書いてあるはずだが実物は未見hatori.icon 検索すると新潮文庫の第三阿房列車に載っているらしいことは分かる しかし前述の文が書いてある作品の、百閒センセイが付けた元のタイトルが分からない...