えちえち
幼な心にも絶えずこれを聞いていた八百助は、七歳になると洞瀬山の曾古津神社へ掛合いにいった。その祠は山の頂上に近い杉の森の中にある、彼は不自由な躯でえちえちとたどり着き、七歳の知恵と七歳の舌と音声とで御神躰に抗議を呈し、その五躰の修正を頼んだ。ところがそれは十月のことで、神という神は出雲の親方の家へ一年の収支決算をするために出掛けた留守だとわかり、十一月になると改めて頼み直しにいった。諸君も御存じのごとく神ほど吝嗇で空耳つかいで無精な独善家はない、曾古津様は出雲の親方から配当でももらったものか小さな祠の中に寝そべったままうんともすんとも答えなかった。 うまく歩けない様子を表現する語句[1]。
関連項目(?)