337をガウス整数の積に分解する
$ 337はもっと割れるだろうか?
337は68番目の素数である
ってWikipediaに書いてあったnishio.icon
ありゃりゃ。割れませんでしたかtakker.icon
複素数に拡張したら割れるかな?
$ (a+bi)(c+di)\in\R
$ \iff ad+bc=0
$ \begin{vmatrix}a&-c\\b&d\end{vmatrix}=0\land\begin{vmatrix}a&b\\d&c\end{vmatrix}=337の整数解が存在もしくは存在しないことを証明するという問題に帰着できる
行列式だとわかりづらいか
$ \begin{dcases}ad+bc=0\\ac-bd=337\\a,b,c,d\in\Z\end{dcases}
これが解ければいい
方針
とりあえず変数を一つ減らせるな。そこまでやってから考えてみるか?
ざっと暗算したら行けそうだったのでやってみる
$ \begin{dcases}ad=-bc\\adc-bd^2=337d\\a,b,c,d\in\Z\\d\neq0\end{dcases}\lor\begin{dcases}b=0\lor c=0\\ac=337\\a,b,c\in\Z\\d=0\end{dcases}
右は$ (a,b,c,d)=(337,1,0,0),(1,337,0,0)しかないので除外する
$ \begin{dcases}ad=-bc\\-b(c^2+d^2)=337d\\a,b,c,d\in\Z\\d\neq0\end{dcases}
あー、$ a^2をかけないと$ dが消えないのか
$ \begin{dcases}ad=-bc\\-b((ac)^2+(ad)^2)=337a^2d\\a,b,c,d\in\Z\\d\neq0\land a\neq0\end{dcases}
$ a=0の場合は$ d=0と同じ結末になったのではずした
$ \iff \begin{dcases}ad=-bc\\c(a^2+b^2)=337a\\a,b,c,d\in\Z\setminus\{0\}\end{dcases}
途中計算
$ -b((ac)^2+(bc)^2)=-337abc
$ \iff c^2(a^2+b^2)=337ac
$ \iff c(a^2+b^2)=337a
$ a\neq0\land d\neq 0\implies ad\neq0\implies b\neq0\land c\neq0を使った
この時点で$ a^2+b^2\equiv0\pmod{337}が確定した
$ \xcancel{\forall x\in\Z;0\le x^2\ \mathrm{mod}\ 377\le 19}
$ \xcancel{\because 19^2<377<20^2}
$ \forall x\in\Z;0\le x^2\ \mathrm{mod}\ \xcancel{377}337\le 19^\textcolor{red}{2}=\textcolor{red}{361}じゃん
数学のきもち何もわかっていなかった……takker.icon
所詮数学/Icons2/完全理解.iconした程度だった
377ではなく337なのではyosider.icon
あっtakker.icon
もうだめだあ……
/vim-jp-emojis/aruaru.iconyosider.icon
あ、そっか。$ 377は素数だから、$ x^2\equiv 0\implies x\equiv 0なのか
これってもしかして解が存在しない?
$ \because 0\le (a^2\ \mathrm{mod}\ 377)+(b^2\ \mathrm{mod}\ 377)\le 19+19=38<337
どうがんばっても$ a\equiv b\equiv0以外当てはめようがない
なんか悔しいので、一般的にガウス整数の積で表せる素数の条件を求めたい 問題:
$ \forall p\in\Bbb{P}(\exist a,b,c,d\in\Z\setminus\{0\}(p=(a+bi)(c+di))\iff Q(p))
を満たす条件$ Q(p)を求める
$ pが2整数の平方和で表せること?
いや、$ \exist a,b,c,d\in\Z\\\begin{dcases}ad+bc=0\\ac-bd=p\end{dcases}ということですtakker.icon
任意のGauss整数ではなく、任意の素数がGauss整数の2つ以上積で表せることを示したい
$ \Z_c:=\text{Gauss整数}=\{z\in\Bbb{C}|\exist a,b\in\Z;z=a+bi\}
$ \Bbb{P}_c:=\text{Gauss素数}\subset \Z_c
素数はGauss整数なのではyosider.icon
そうなのかyosider.icon
なおここまで意地でもwikipediaみてない
さすがに齟齬が生じそうだから、変な意地張らないで読むか
1や$ i \cdot (-i)との積と思えば2つ以上にできるが…yosider.icon
単数以外の2つ以上のGauss整数の積で書けるかということ?
まあそんな感じtakker.icon
有理素数の単数以外による分解は 2 または 4n + 1 型に限られ、その分解は$ p = (m + ni)(m − ni)の形に限られる
ネタバレtakker.icon
まだ証明はばれてないから大丈夫
あ、自分でやる感じだったのか、すみませんyosider.icon
takker.iconが勝手に意地張ってるだけなので大丈夫ですよー
どうせどこかで根負けして答え見るだろうし
極形式ver
$ 337 = re^{i\theta} \cdot se^{i\phi} = rse^{i(\theta + \phi)} \ (r,s \geq 0)
$ \begin{dcases} rs = 337 \\ \theta + \phi = 2n\pi \ (n \in \Z) \end{dcases}
解は無数にある
あ、実部と虚部が整数じゃないといけないのかyosider.icon
そゆことですtakker.icon
極形式から攻めるアプローチは今回使えないと思ったけど、どうなんだろうかtakker.icon
半径から解の存在範囲を絞り込める?
いや、$ rs=337だとただの反比例だから、大して絞り込めないか。
整数と相性悪そうだし、無理そう?
$ 337 = 16^2 + 9^2らしい
つまり$ (16 + 9i)(16-9i)=337だ!
あ、あれ?takker.icon
$ \theta + \phi = 2n\pi \ (n \in \Z)より、2つの複素数の積が実数になるのは(定数倍を除き)複素共役のペアしかありえない
絶対値は違ってていい
$ n\pi \ (n \in \Z)ならよく、$ 2n\piである必要はないということかyosider.icon
ここちょっと意味がわからなかったですtakker.icon
偏角の和が$ 2n\piに限られるなら、複素共役のペアしかあり得ないと言えるけど、偏角の和が$ n\piでも実数になるので成り立たないなあということですyosider.icon
素数なので正の実数に限れば$ 2n\piでいいか
16と9は互いに素なので、整数倍の解はなく、解はこれだけか
実部と虚部が共に整数である複素数のことをガウス整数と言うらしい $ \Z_c:=\text{Gauss整数}:=\{z\in\Bbb{C}|\exist a,b\in\Z;z=a+bi\}
$ \text{Gauss素数}:=\{p\in\Z_c|\forall z\in\Z_c((\exists k\in\Z_c;p=kz)\implies z=p,\pm1,\pm i)\}
そうそうそれですtakker.icon
ググりなしの縛りで解いていたので、名前を調べられなかったのです
苦し紛れに「整数係数の複素数」と書いていた
書き直しました
調べていただきサンクスなのです