肌寒く 金木犀の 香る朝 うつろう四季の 確かな感触
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肌寒く 金木犀の 香る朝 うつろう四季の 確かな感触 57577.icon suto3.iconsume.icon
短歌全然わからないけど、「香る」から「感触」につながるのが面白いと思ったmaichan.icon なるほど基素.iconnishio.icon
数日間引きこもった後、久しぶりに朝から出社した際、自分が動くことで風を感じ、体全体で秋を捕まえたような気持ちになったので「感触」としてみましたmeganii.icon 慣れていないので感じたことを形式に落とし込むのが難しい
語彙をもっていないので、当てはまる言葉選びにキャップが掛かる
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肌寒く 金木犀の 香る朝 うつろう四季の 確かな感触
金木犀の香り(嗅覚)や肌寒さ(触覚)から、四季の移ろいを感じ取っているcFQ2f7LRuLYP.icon
特色は「感触」
maichanさんが指摘されているように
金木犀の香りも朝の寒さも「感触」とは少し遠い
隣に寝ていた人の香りや体温が残っているのを「感触」の語で表すようなもの
しかし、その言い切りこそが、めがにいさんの「秋だ!」という感慨を表しているように思えるcFQ2f7LRuLYP.icon
cmanさんによる評
cman.iconこの歌の面白みが「感触」にあるというのは同意
より深く言うと、「香り」から「感触」に着地する飛び方が良いと思う。
肌寒さ=温度は触覚で感じるものなので、「感触」に着地するのは想像できるが、この語順だと「金木犀の香り」に「四季の感触」がある、という想像の仕方になりそう。
この「感触」という語には、指先で今まさに撫でているというような、鋭敏な触覚の体験がある。
ゆえに、金木犀の香りは嗅覚で知るものなのに、それを肌で感じているような生々しい、面白みのある感覚が追体験できる。
ここの「飛び方」良いというのは強く頷きたいcFQ2f7LRuLYP.icon
meganii.iconさんの歌、俳句のようだなーと思って読んでいた
この気持ちを和歌っぽく表現してみるcFQ2f7LRuLYP.icon
思考過程もいちいち残した
人の歌の心をそのまま歌うのは一線を越えているかもしれない。
meganii.iconさんにおいてはご寛恕頂けましたら幸い
もっときれいにするにはどうすればよいか悩んだので、思考過程はありがたい!!meganii.icon
最初の案:うつりゆく四季に触れけり 木犀の香を運び来る朝寒の風
改作のポイント
1. 語を凝縮できれば表現できる文字数が増えるので、探した
朝、肌寒い→朝寒
あとから調べると晩秋の季。10月としてはそぐわなかったcFQ2f7LRuLYP.icon
金木犀→木犀
キンモクセイの六音が大きいため、モクセイにシネクドキ。これでどの句でも使えるようになった
感触→触れけり
和歌的に表現する場合、漢語から和語に変えるとそれっぽくなるため、そうした
2. 驚きを表現するため語順を変えた
肌寒さ、風、金木犀の香り→四季の移ろいの感触があった という順番を
四季の移ろいの感触があった→肌寒さ、風、金木犀の香り とした
倒置で驚きを表現しようという試み
さらなる改善点
1.触れるを使うなら、原歌の「肌寒く」を生かして歌を作りたい
2.「四季」については「秋」にすべきか悩む。「秋」にした場合木犀や朝寒、風など秋を表す語が過多になってしまう。これは「四季」でも同様
それよりは、例えば「うつりゆく日々に触れけり」がよいか
秋であるのは木犀、朝寒、風とでわかるので
ただし「日々」は時のレンジが長い。めがにいさんの体感では朝の出勤時の時間か?
別の例として「時」がある。でも気取りすぎに思う
3.「運び来る」が若干固い。もう少し柔らかい語に替えたい
金木犀の馥郁とした香りをうまく表す語
包まれるというような、触覚に関連する言葉ならなお良い
4.今、たしかに四季を触った、という感慨を下の句で表現したい。試しに作った歌ではまだ足りていないように思う
上を踏まえて
推敲1:うつりゆく今日に触れけり 木犀の薄衣纏う朝寒の風
改作のポイント
木犀の香りを衣で表現した。
1,3に対する改善。
代わりに木犀の甘い香りと風の肌寒さの親和性が薄くなってしまったため、「薄衣」とし、薄く香ることとした。これは「触れけり」や「朝寒」と合うと思う
ところで「木犀の衣纏える」も考えられる
金木犀の香りの存在感、また季節を感覚でとらえたという歌の心からすると、「薄衣」よりもふさわしいかもしれない
「薄衣纏う」の字余りが効果的に働いているようにも思えないので、「衣纏える」の方が良さそうだ
うすぎぬ、うすごろも、どちらにも読めてしまう。前者なら字余りなし
加えて「ぎ」、「ご」の濁音が気になった
通りが悪く感じる
「衣纏える」ならば、清音のみで進み、最後だけ「かぜ」で濁る。こちらの方が良い
古文調のため「纏へる」とする。個人的嗜好
「日々」よりも小さい時間として「今日」とした
2に対する改善。
さらなる改善点
4への改善がうまくいかず。触れるということについてもう一声欲しい。
こちらでも「触った」感じはなお薄い
「纏う」が気取り過ぎか?
木犀は歌語ではない、と思われる
音読みの語は基本和歌においては使用されない
推敲2:うつりゆく今日に触れけり 木犀の衣纏へる朝寒の風
4、解決してないがこれで完成cFQ2f7LRuLYP.icon
改作について
おそらく改善点の4が充足出来ないのは、語順による不思議な触覚の体験が再現されていないからだと思われる
これを再現するには「香り」を「触る」という順でないと難しいような気もする。
これはかなりcFQ2f7LRuLYP.iconの改作の欠点を突かれていて、なるほどと思ったcFQ2f7LRuLYP.icon
最初に感慨を置くよう倒置したのは、和歌の影響があるように思いますcFQ2f7LRuLYP.icon
初句〜二句または三句までで主張や感慨を詠み、残りの句でその感慨を呼び起こした景物をいう、というようなもの
なるほど.iconcman.icon
元歌にある「飛び方」を反映するために倒置を選んだ気もする
空白挟んだ上下を逆転させたほうがこれには近くなるきがするな。
木犀の衣纏へる朝寒の風うつりゆく今日に触れけり
朝寒の/風 がまたがるが、この跨り方は「朝寒の風」と「風うつりゆく」の両方をカバーしてるから有効な気がする(直観)
「朝寒の風移りゆく」がきれいに通って良い。ただ、その分「触った!」という心の動き・驚きを何処かに加えたくなるcFQ2f7LRuLYP.icon
下の句に強調表現を加えるか、もう少しオーバーな言い回しにするか
仮に倒置を使わないとしたらどうしようかな
手癖だと
木犀の香りのしるき朝の風
俳句!
移りゆく今日の袖や触れけむ
推量になると和歌調になる。元歌の感慨からは離れるけれど
このページについて
このページ、めちゃめちゃいい試みじゃないか?
そうなんだよな。短歌って通常、ページをひとつ作って書くぐらいの情緒がこもってるんだもんな
普段から和歌でページを作ってばかりいたので、自分としてはごく自然な振る舞いでしたcFQ2f7LRuLYP.icon
他出文献、語句の単位での読解、作者の来歴などなど、容易に1ページくらいになる
こういう(短歌のページを作って書き込み続ける)Scrapboxプロジェクトをやりてえな……
楽しそうcFQ2f7LRuLYP.icon
これめちゃめちゃやりたいcman.icon
おもしろい基素.icon