法律による不妊手術の強要を「断種」として表現するのは妥当か?
from 2026/03/30
元の文脈
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トランスジェンダーの戸籍変更の要件に手術が入ってる件、あれ生殖の自由の侵害で、偶像に過ぎない社会秩序のために強いるのは断種の強要では?と思ってたけど、よくよく考えてみると、戸籍制度も偶像だよな、と言う感想が出てきた
断種の強要に結びつけておくと強烈な批判になる。ナチスと結びつくから(Summer498.iconヒトラーに例える論証)
断種に関しては日本でも旧優生保護法で強要していたから、必ずしもナチスだけに結びつくものではない気がしますnyarla.icon
まぁ批判として強烈なのは確かだと思います
ただ、LGBTの当事者会でこれについて激怒していたドクターも居たから、それぐらい強烈な強要でもある
これは当事者に病気になれと言っているに等しい!と怒っていた記憶
医者として断固として支持できない、と言う主張だった
あとこの法律は GID特例法とも言われるんですが、制定当時はまだ無いよりマシ、だったと聞いています
確かその当時は当事者への救済の側面はあったはず
とは言え制定されてから一回も改定されてないので、そこへ対応しないのは怠慢とも言える
とは言えこの辺りも最高裁の判決で手術要件が外れつつあるので、マシにはなってはいますね
立法府が動かないから司法が運用でカバーしている状態になってる
どのみち差別的悪法と非難されるところに結びつくからやはり強烈
ちょっとこれに関してはナチスの当たり判定が大きすぎる気がしたMijikko.icon
その後の戸籍に関する部分は哲学的には興味深いけど断種強要の話の後にくるとパンチが弱いSummer498.icon
なんでわたしゃ文のバランスの話をし始めたんだろう。まあええか。
まず、あるかないかも分からない社会全体の秩序と言うのは偶像 #社会全体の秩序とかは偶像
国と言う単位自体がそもそも偶像なので、これ自体にこだわるのは我執でもある
大地に線引きはないし、国家と言うのはあくまで人間の定めた人口的なもの
無論、人が構成する社会と言うものはあるけど、所詮は共同体の単位でしかない
次に戸籍制度も偶像 #戸籍制度を偶像視してる
戸籍とは血統の記録ではあるけど、それ自体を有難がるのは偶像崇拝とか我執にすぎない
血統を調べられると便利、ぐらいないならあってもいいとは思うけど、それで人を縛るのはそもそもおかしい
そう考えると戸籍変更のために手術要件が入ってるのは、偶像を維持するために実存を侵害する行為だと言える
無論、身体違和への対処として手術と言う手段があるのは重要なんだけど、偶像の維持のために強いるのはおかしいよね
と言うことを電車の中で考えてました
昼間っから出先で何を考えているんだろう……
補足文脈
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トランスジェンダーの戸籍を変更するための法律である特例法は、戸籍変更にあたって下記の制約を課しています
1. 一 十八歳以上であること。
2. 二 現に婚姻をしていないこと。
3. 三 現に未成年の子がいないこと。
4. 四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
5. 五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
この項目の下には以下のように書かれているので、実際にはこれに加え性同一性障害とする二名以上の専門医の診断書が必要Mijikko.icon
前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。
ここでの「前条」とは、第二条における「性同一性障害」の定義を指す
あ、そこは書き漏らしてしましたnyarla.icon
出典
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 | e-Gov 法令検索
で、この内(4)と(5)を合わせて「手術要件」と呼ばれていたりするのですが、この要件を「断種」の強要と表現するのは妥当なのか?というのがこのページの視点です
まぁ元の文脈は別の話なのですが、ページを切り出した理由は「この表現は妥当か?」なのでここままで行きます
この問題を語る上で外せないのは、医学的な性別移行のプロセスがどう進むか、といった辺り
nyarla.iconの知る限りの流れを書くと、
1. 性別違和の主訴に元づき医師が判定する
この判定によりホルモン療法や性別再割り当て手術を受けられるかどうかが決ます
2. ホルモン療法などで目的とする性別に体を近付ける
この過程で生殖能力を失う場合があります
トランス女性(MtF)の場合(身体的には男性・性同一性においては女性)
ホルモン療法で生殖能力を失う確立は高い
MtF の場合、ホルモン療法=女性ホルモンの摂取
この女性ホルモンの摂取によって男性機能は低下し、最終的には不可逆的に機能しなくなる
そのため人によってはホルモン療法を受ける前に精子凍結をする人もいる
トランス男性(FtM)の場合(身体的には女性・性同一性においては男性)
ホルモン療法で生殖能力を失う可能性は MtF ほど高くない
FtM の場合、ホルモン療法=男性ホルモンの摂取
男性ホルモンの摂取で生理は止まるが、ホルモンの摂取を止めれば再開する可能性がある
そのため人によっては生殖能力の維持のために一定以上のホルモン療法を受けない選択をする人もいる
3. 実生活とホルモン療法の継続によって目的の性別で生活する
4. 最後の仕上げとして手術を受ける場合がある
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補足としてトランスジェンダーと性別違和、性別不合(性同一性障害)の用語を整理しておくと
性別違和
自身の性別に違和感があるという主訴(医師への訴え)
ここで言う「主訴」とは医学的な文脈での「主訴」です
例えば「お腹がいたい」とか「頭がいたい」という主張を医師に伝える場合、この内容が主訴に当たります
性別不合(性同一性障害)
まず性別不合(性同一性障害)は医学的な診断名です
性同一性障害は今現在、性別不合という名前に変わっています(たしか)
これは医学的なカテゴリーとして、病という扱いから、女性の妊娠などと同じ「病ではないが、医学的な補助が必要」という扱いに変った、ということを意味します
このことを指して「脱病理化」とも言ったりします
トランスジェンダー
出生時の性別とは別の性別の在り方で生活をする人のこと
例えば、出生時に男性として産まれたが、女性としての在り方を選んで生活している人が該当します
逆も然りです
その上で、ややこしいのが
1. 性別違和を抱えているからといって皆がみなトランスジェンダーであるわけではない
これは誰しもが性別違和へ対処するための行動を取れている訳ではない、という事を意味します
2. トランスジェンダーではあるが、性別違和がかならずしも有るわけではない
これは別に性別違和はないけど、トランスジェンダーとして別の性別で暮している人も居ます、と言う事です
と言った辺り
とは言え、性別違和を抱えていて性別不合の診断を貰ってまで性別移行をしようとする人をトランスジェンダーと表現することはある程度まで妥当だと思いますnyarla.icon
まぁ戸籍変更まで辿り付いた人を「トランスジェンダー」と呼ぶのはどうなのかな、とnyarla.iconとしては思いますが……
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なんで戸籍変更を求める人が居るのか
具体的には、この辺りで困ったことになるからです
1. 結婚(婚姻)
2. 保険証の性別
3. 法的書類の性別
4. 社会的契約文書の性別
トランスジェンダーの状態にある人は、
戸籍に元づく書類上の性別
実際の生活実態としての性別
の二つが食い違っていて、これを毎回説明したり、不利益を被るのは苦痛だ、という視点があります
特に婚姻に関しては同性婚が(今のところ)認められていない日本では、戸籍変更が重要な要素になってきます
私個人の視点としては、下記が実現しているのであれば、別に戸籍へ拘る必要はないと思ってます
例えば、
1. 同性婚が可能である
2. 保険証の性別欄で MtF とか FtM に類する表記が出来る
3. 法的書類においても性別表記を求められない
4. 社会的契約文書においても性別表記を求められない
5. 身体の性別が特段に問われない限りにおいて、性別の表明を求められない
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手術要件の前に、まず戸籍変更の規則変更がどのような人に影響を及ぼすか考える必要がある気がした
トランスジェンダーでなおかつ手術をしてでも性を変えたい(今の性を否定したいも含む)人に対しては特に影響ないでしょう
法律に関わらず自発的に手術を選ぶので、強要には当たらない
これについてはその通りで、手術まで受ける前提の人にはあまり影響がないですねnyarla.icon
問題はトランスジェンダーだけど手術までには踏み込む気がなかった人か
その人に対して「手術要件」を突きつけると手術の強要となり、それに付随する形で断種の強要になるかもしれない
こうなると性の多様性を認めない流れになるかも?
でも一方で戸籍と性の多様性を紐づける必要があるかという問題もあるが
戸籍上は医学的に認められるであろう2つの性しか認めません、というのも間違っていないだろう
該当する法令名が「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」なので、そもそもトランスジェンダー向けの法律じゃないのかもしれない
性同一性障害 ≠ トランスジェンダー
この場合だと、もし仮にトランスジェンダー側から「断種の強要だ」と言われても、そもそもあなた達の為の法律じゃないから…ってなるかも
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個人的には現行の特例法は下記の場合において不妊手術の強要となり得る、と考えています
1. トランスジェンダー同士のカップル(異性愛相当)
2. シス男性とトランス男性のカップル(同性愛相当)
3. シス女性とトランス女性のカップル(同性愛相当)
上記三種のカップルの場合、身体的には男女の組なので、生殖は可能です
この点を利用して「裏技」として結婚する人も居ます
ただし、社会的な「性別」の扱いと「公的書類」上の性別を一致させようとすると、特にトランス男性に対しては不妊強要の側面が強いと感じていますnyarla.icon
このページの上にも書いた通り、医学的プロセスにおいて、トランス男性が生殖能力を失う可能性は、ある一定のところまでであれば可逆的です
この状態で社会的な「性別」の扱いと「公的書類」上の性別を一致させようとすると、
生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
という事を実現することが必要となって、女性身体の内性器の切除などを求められることになります
そのため女性身体の内性器を切除などを要求される訳ですが、これをすれば当然、妊娠は不可能となります
また医学的プロセスを経ず、身体に手を加えずに トランスジェンダー として生活したい人が居た場合、現行法では戸籍変更が事実上不可能である、という視点もあります
一つ留意点として、ホルモン療法を受けたいと考えていても、医学的な理由で受けられない人もいます
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と、凄い勢いで雑然と書いてたけど、そもそも戸籍制度と言う社会制度を偶像として捉えた場合、これ以上むなしい話はないのでは?という感想になってきた
そもそも戸籍制度とかは単なる偶像だし、戸籍の性別を元にした書類なども偶像でしかない
そのためこの話は偶像のために偶像を変えろとかそういう話になってくる
nyarla.iconとしてはそこまで拘る必要があるんか?っていう気持ちになっている
無論、身体の性別が特段に問われる場面があるのは承知だけど、それ以外で性別を聞く必要って無くない?みたいな
不必要に性別を聞かなければ、別に戸籍がどうとか言う必要はないよねっていう……
もし戸籍変更が出来ないことに対して特段の不利益がないのであれば、Mijikko.iconさんの言うように、
戸籍上は医学的に認められるであろう2つの性しか認めません、というのも間違っていないだろう
という在り方でも、別に問題ないと思うんだよな
まぁ現実は戸籍の性別に由来して不利益が出るから問題なんだけど……
hoagecko.icon
「戸籍制度を偶像視してる」問題、hoagecko.iconは去年ぐらいに気づいてかなり問題視している
選択的夫婦別姓問題に右翼が固執している動機を考えたことがきっかけ
恐らく彼(女)らはこの先にある戸籍制度のもっと根本的な問題に手が付くことを恐れているのでは、と考えた
歯止め
hoagecko.iconは憲法改正に賛成だが、天皇制廃止と共にこの問題を特に議論してほしいと思っている
#2026-03-30