津下四郎左衛門
森鷗外
『
津下四郎左衛門
』
#1915年
#青空文庫
『
中央公論
』に掲載された鷗外の
史伝
作品。
明治2年(
1869年
)開化を推進する
横井小楠
を暗殺した人物、津下四郎左衛門の生涯について、息子である「私」が語った話を書きとめた体をとっている。
父は愚かであったが、貧しい身分ゆえに愚かであらざるを得なかった(横井のように賢くはなれなかった)というのが悲しい。
史伝特有の周辺人物の補足が長すぎて眠くなる問題はここでも健在。
暗殺犯の十津川藩士助命を訴えた女性勤王家として、
若江薫子
(秋蘭)のことも補足されている。