裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ(2018-03-30)
目次
第1 はじめに .......................................................... 2
1 本検討会設置に至る経緯 ............................................ 2
2 検討経過等 ........................................................ 3
第2 裁判手続等のIT化のニーズ及び基本的方向性 ....................... 4
1 IT化のニーズ .................................................... 4
2 IT化の基本的方向性 .............................................. 5
第3 「3つのe」の実現 ................................................ 7
1 「3つのe」の実現という観点からの検討 ............................ 7
2 e提出(e-Filing)について ........................................ 7
3 e事件管理(e-Case Management)について .......................... 10
4 e法廷(e-Court)について ........................................ 11
第4 IT化に向けた課題 ............................................... 16
1 本人訴訟について ................................................. 16
2 情報セキュリティ対策 ............................................. 16
第5 「3つのe」の実現に向けたアプローチとプロセス .................. 18
1 3つの「e」毎の考え方 ........................................... 18
2 段階的実施の可能性 ............................................... 19
3 実現に向けた今後のプロセス ....................................... 20
第6 終わりに ......................................................... 23
第3 「3つのe」の実現
1 「3つのe」の実現という観点からの検討
裁判手続等のIT化を検討するに当たっては、利用者のニーズや諸外国の状
況等を踏まえると、
『民事訴訟手続における①e提出(e-Filing)、②e法廷(e-Court)、③e事件管理(e-Case Management)の実現(「3つのe」)を目指す』という観点から、検討を進め、実現を図っていくのが相当である。 3 e事件管理(e-Case Management)について 第4 IT化に向けた課題
1 本人訴訟について
2 情報セキュリティ対策
裁判手続等のIT化を推進するに当たっては、情報セキュリティの観点から
十分な対策をとる必要がある。必要とされる情報セキュリティ水準と情報セキ
ュリティ対策(本人確認、改ざん・漏洩防止等)は、訴訟の各手続段階や訴訟
記録等である情報の内容、性格等により異なるものであり、それに対応した在
り方を改めて実務的に検討していく必要があるとともに、それに即した適切な
体制の整備が望まれる。例えば、証拠の電子化に対応し、改ざん防止のための
デジタル・フォレンジック技術(電磁的記録の調査・解析等を通じ、その調査・
分析を行う技術・手法)の活用等も考えられよう。
第5 「3つのe」の実現に向けたアプローチとプロセス
1 3つの「e」毎の考え方
それぞれ進めていく。
e法廷を先行実現することが現実的、とされる。
その観点から、争点整理手続でのウェブ会議等の活用は、期日ごとに裁判所
に赴く現行の期日参加の方法を維持しつつ、ウェブ会議等での期日参加を容易
にするという選択肢を加えるものと捉えられるから、利用者目線で見れば導入
に当たってのハードルが低く、現行法下でも実現可能な部分があるなど法整備
上の課題も小さいため、機器整備等の条件が整えば、第一段階として運用を開
始することが相当と考えられる(e法廷の先行実現)。
2 段階的実施の可能性
もっとも、その導入のプロセスとし
ては、例えば、相当規模の特定庁からのパイロット運用や、IT化された手続
に親和的と考えられる知的財産など特定の分野を取り扱う専門訴訟からの段
階的実施も、選択肢として十分あり得るものと考えられる。
知財訴訟からの段階的実施になりそうなのかな。
3 実現に向けた今後のプロセス
フェーズ1
すなわち、まず、《フェーズ1》として、法改正を要することなく現行法の
下で、IT機器の整備や試行等の環境整備により実現可能となるものについ
て、速やかに実現を図っていくことが考えられる。例えば、電話会議に加えて
ウェブ会議等のITツールを積極的に利用したより効果的・効率的な争点整理
の試行・運用を開始して、その拡大・定着を図っていくことが挙げられる(e
法廷の先行実現の一環)。
フェーズ2
次に、《フェーズ2》として、関係法令の改正により初めて実現可能となる
ものについて、所要の法整備を行い、直ちに制度的実現を図っていくことが考
えられる。具体的には、民事訴訟法等の見直しを行い、例えば、前記第3の4
(2)(3)にある双方当事者の出頭を要しない第1回期日や弁論準備手続期日等
の新たな運用を制度的に位置付け、その運用を開始することが挙げられる。
フェーズ2の中では、争点整理に期待したい。
フェーズ3
さらに、最終段階である《フェーズ3》として、関係法令の改正とともにシ
ステム・ITサポート等の環境整備を実施した上で、オンライン申立てへの移
行等を図るステージが考えられる。これにより、e提出とe事件管理を含め、
目指すべきIT化が制度・運用の両面で実現することになる。
具体的な時期
法務省は、
必要な法整備の実現に向け、2019年度中の法制審議会への諮問を視野に入
れて速やかに検討・準備を進めることが望まれる。加えて、法務省は、《フェ
ーズ3》の実現に向けたスケジュールについて、司法府の自律的判断を最大限
尊重し、その環境整備に向けた検討・取り組みを踏まえた上で、2019年度
中に検討を行うことが望まれる。
2019年度中の検討、かあ。
今は、2018年度だよなあ。
第6 終わりに