法学部の概要ページ
「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」推薦入試においても、志望学部に詳しくなり、自分が学びたいことと結びつけることが非常に重要となります。
ここでは東京大学法学部がどのような学部なのか、推薦入試ではどのような形態を取っているのかの概要情報をまとめています。また、重視しているポイントや傾向を過去の受験者の面接資料などもあわせて解説しています。
法学部の二次試験対策まとめ記事
法学部推薦入試の二次試験突破のポイントをより詳しくご覧になりたい方は下記のリンクをご参照ください。
法学部ってどんな学部?
法学部では法律を学んで、将来は弁護士になったり、法曹界で働くの?そのようなイメージを持っている学生も少なくないでしょう。しかし、そうではありません。
東京大学のホームページには以下のことが書かれています。
相互に支え合い、密接に結びついている「法」と「政治」を研究する
司法・行政・立法という人々の生活・人生・生命に直接関わる現象を、多種多様な角度から学ぶ
学生は「法的思考」や「政治学的識見」の基礎を自らのものとする→進路は多様
つまり、研究対象は 法律のみならず、政治的現象、そして、現代社会の根幹を担う三権です。また、法学部の目標は法律家の養成ではなく、 法学的思考能力や教養を身につけた、幅広い分野で活躍する人であるのです。
カリキュラム
法学部のカリキュラムには、1,2年で幅広く教養科目を学び、判断力を身につけるとともに段階的な履修が無理なく進んでいくように、法学部の授業科目を2年次から4年次に配置されています。
1,2年 教養学部文科一類
3,4年からは「類」に別かれますが、他学部の学科のように高い障壁で区切られたものではなく、履修の仕方により、どの類にいてもかなり似たな内容の学習ができるようになっています。
3,4年 法学部
第1類(法学総合コース)
第2類(法律プロフェッション・コース)
第3類(政治コース)
一次試験
一次試験の書類選考では、あなたの志望理由とそれまでの活動を証明する書類の提出が求められます。
志望理由書の問い
(1) 現代社会においてあなたが重要と考える問題について,その理由を明らかにしつつ,具体的に論じてください。
(2) (1)で論じた問題について,あなたが今後どのように関わっていくのかについて論じてください。その際,東京大学法学部での勉学がどのように役立つと考えられるのかについて述べてください。
(3)その他,あなたが法学部で学びたいことや卒業後の進路などについて,自由に述べてください。
一次試験の分析
志望理由書では、「あなたが重要と考える社会課題」について何を書いても良いと、他学部よりも記述の自由度が高いという特徴があります。そのため、最終合格のためには徹底的にリサーチをして、考え抜いてレベルの高い出願書類にすることが求められます。また、それだけでなく、一貫性があり、矛盾していない志望理由にすることが最終合格のためには非常に大切であります。
二次試験
面接
東大推薦入試では教授3人と30分から1時間、ディスカッションする面接試験を設けています。教授は志望理由の穴をつくような質問や様々な判断が難しい法学、社会学的な難題を投げかけてきます。
内容 「重要と考える問題」について法学部教授3名とディスカッションする
目的 30分から1時間かけて対話し、価値判断や頭の動かし方を推測する
分析
全体的な傾向
当塾は過去4年間、面接のデータを収集してきました。その蓄積したデータにより、面接官は「事前に質問を用意している」可能性が高いことが判明しました。そして、用意されている質問の一つ一つは志望理由書の穴をつくものであり、矛盾があると厳しい指摘をされます。また、同じ種類のジレンマを抱える社会的課題に対するあなたのスタンスを問われることも多いです。そのため、自分のスタンスを確立し、それを容易には変えないままで反対の立場にも考えが及んでいるという姿勢を示すと良いでしょう。
個々の特色や志望理由書の内容に合わせた対応を!
東京大学の教授はどんな質問をするかという傾向はなく、受験者の志望理由を熟読し、それに対して臨機応変に面接を行います。そのため、対策も自己の志望理由および書類を第三者に見てもらい、疑問点やクリティカルな意見を言ってもらう面接練習を行うことが最も有効であると考えております。
教授は何を見ている?
① 教授は面接を通してあなたの価値判断や頭の動かし方、そしてあなたが答えのない白黒つけられない問題について考え抜く力があるのかを問うています。そのため、矛盾をついて潰すのではなく、質問を通して受験生と議論しようとする姿勢で望んでおり、圧迫面接ではありません。
② あなたが建設的に議論できる論理的思考力、そしてコミュニケーション能力を有しているかをみています。そのため、例えば言葉の定義に関する質問とかも多かったり、質問に対してさらに掘り下げる質問を重ねたりなど、ディスカッションをすることを重視しています。
グループディスカッション
特徴
東大法学部推薦入試で課されるグループディスカッションの特徴は、早慶上智をはじめとし他大学の推薦入試よりも人数が多く、90分と実施時間が長いことです。そのため議論がまとまりづらくなる傾向があり、ディスカッションを始める前に流れ・進め方、時間の使い方といったグラウンドルールを作るべきでしょう。
教授は何を見ている?
① 教授はあなたたちが主体的に議論できるかを見ています。そのため、教授は一切介入せず、議論の進行などももちろん行ないません。それは生徒の中の一人がリーダーシップを発揮して行うことを期待しているのです。例えば、「話し合いの進め方に問題があったと思っていたようだが、なぜ率先して話し合いの流れを作らなかったのか」と個別面接で聞かれた受験生もいます。
② これはどんな時にも言えることではありますが、マナーを守って建設的に議論することも非常に大切です。他者の意見に耳を傾けているか、他者を攻撃するのではなく、前の意見を踏まえて建設的な意見を言えているかを評価しています。東京大学法学部の募集要項には「他者との対話を通じて、その課題の解決に主体的に貢献する能力を有する学生」と書いてあります。そのため、グループディスカッションで見せられるコミュニケーション能力は大変評価されると考えて良いでしょう。
③ 機会があるたびにメモをみることも忘れずに!。自分一人で突っ走ってしまうのではなく議論全体の流れを踏まえて発言できるようになります。
全体の傾向
教授は面接試験とグループディスカッション、書類や実績などを総合して、相対的に判断
してくれます。例えば、グループディスカッションで話せなかったらメモを見られたり、面接でなぜディスカッションで発言できなかったのかを質問された人もいます。
また、一次試験でいくらレベルの高い書類を仕上げても、自分で説明できなかったり、矛盾しているたりするとそこを突っ込まれ、一次は突破できても二次で不合格になるケースも多くあります。そのため、自分で考え抜いて、これまでの人生の集大成としての出願書類に仕上げるのが理想です。
倍率については、他学部と違って10名全ての枠分の合格者を毎年出しているため、そこまで厳しくはない印象があります。一次試験で15名前後の合格者に絞り、その3分の2が合格するとなると、倍率は東京大学にしては非常に低いと思われます。
重視するポイント
1. 入学しても授業についていける『基礎的な学力』
2. 経験や思いの強さといった『社会貢献する意志の強さ』
3. 英語力や海外経験といった『国際的に活躍できる力』
4. 価値判断の学問である法学の白黒つけられない問いに対して『熟慮する思考能力』
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