シェアリングエコノミーの労働者を行動経済学を使って実質的にコントロールする
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そのため、プラットフォーム側からすると「いて欲しいときににいない」という現象が起こる
面白い。Uber契約ドライバーは依頼を受けるか自由裁量で、業務を強制されておらず、ちょうどいい時・いい場所に車がいる保証がない。そこでUberは心理学者やゲームデザイナーの知見を入れてビッグデータ解析し、「ドライバーが自然と会社に都合良く動くよう情報を制御する」技術を磨いている https://t.co/j5CcrrapKA Lyftの需要は火曜日昼間は少なく金曜夜は多い。そこでLyftはドライバーの一部に「金曜夜に働けばこんなに儲かりますよ」と伝え、また別の一部には「火曜昼に固執するとこんなに損しますよ」と伝える実験をしてみた。金曜夜にシフトを移したドライバーは後者の方が圧倒的に多かった
行動経済学としても含蓄に富んだ実験結果だが、Lyftはこの知見を実地には応用しないと決定した。「ドライバーを心理的に操作すること」に倫理的な問題がある可能性を危惧したから。しかしUberはLyftと違う様子 Uberは、「今日はもう十分稼いだからこれで上がろう」とするドライバーに対して「あと2回走れば、今日の稼ぎが$300に到達です!本当にこれで上がるんですか?」みたいなメッセージを出すそうな
ドライバー自身にとっては「儲かる時間帯だけ走る」方が「一定額稼ぐまで走る」方が得。それはUber自身がデータから実証し、論文発表までしてる。ところがその一方でUberは、上記のように「一定額稼ぐまで走らせる」ようにドライバーを心理的に誘導している。その方がUberにとって得だから
他にもUberは、ドライバーに長時間労働を強制してはいないが結果的にそう誘導するため、ビデオゲームで使われる「ゲームを止められなくする心理的仕掛け」を仕事上のゲーミフィケーションとして各種試してて、今やゲーム開発会社より遥かに多く「どの方法が効果的か」について知見を持ってるそうな
一般的な雇用関係では、会社は従業員に業務を命令できる代わり、従業員保護の仕組みがいろいろ用意されてる。一方Uberのような請負関係では、業務を受ける/受けないを好きに決められるので保護の仕組みが不要とされてる。しかし「心理的な誘導」によって実質的に命令と同じことができるとしたら…