グッドウィルハンティング
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君は子供だ
自分の言っていることの意味すら分かってやしない
美術について問えば君は本から得た知識を並べ立てるだろう
数々の偉業、時の支配者や法王との軋轢、性的嗜好から作品まで
そこに立ってあの美しい天井を見上げたことは無い
現実に
女について聞いたら
愛読書からの抜粋を語るだろうな
数少ない実体験を織り交ぜて
しかし女の横で目を覚ました朝の幸福感なんて想像もつかんだろ
強情で
「友よ侵略者に立ち向かえ」
でも君は知らん、
この腕の中で息絶えた親友が
心に焼き付けていったあの縋るような目を
でも一人の女に骨抜きになったことはないだろ
見つめられるだけで卒倒しそうなくらい神様が自分に与えてくれた天使だと思って地獄から救い出されて、自分も彼女の天使になる
愛の力で彼女を引き止めようと病晩乗越えて私は病室で2ヶ月間妻の手を握り締めて座ったまま寝た
医者も面会時間なんて決まりが私には通じないのを知って諦めた
本当に失うってこと、それは自分を捨てて誰かを愛した者にしか分からん
そこまで深く人を愛したことがあるか?
君を見ていると知性と自信を持った男には見えない
自惚れだけ強いただの臆病な餓鬼だ
君が天才であることは誰も否定しない
君の深さを推し量る事は誰も出来ない
だが君は一枚の絵を見て全て知ったような態度で私の人生を引き裂いた
君は孤児だったね
どれ程困難な人生か私に分かると思うか?
君の気持ちや君という人間が
私はね、ばかげた妄想だと思ってる、
今更君から学ぶことは無いしそんな小説を読む気もない
君が自分自身の言葉で話さない限り
それなら興味をそそられ、耳を傾ける
でも君は喋りたくないんだ
自分が何を言うか怖いんだ
君次第だな
語り言葉の日本語訳より