「資本家」なき資本主義
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しかもポスト資本主義社会においては、低技術のサービス労働者さえ、もはやプロレタリアではない。彼ら従業員は集団として生産手段を所有している。彼らの中に豊かといえる者はほとんどいない。金持ちなどさらにいない。 だが、彼らは年金基金や信託を通じて、集団として生産手段を所有する。 彼らの生産手段の所有者たる従業員のために株主議決権を行使する人たちもまた、年金基金という組織のために働く従業員である。あるいは、自治体の年金基金の管理を担当する公務員という名の従業員である。 これは、年金基金が株式市場にある、上場した民間企業の投資を行っているのを前提とした時に、企業の議決権を持っているのは(例えばでいうと)日本年金機構ということなのかtkgshn.icon すでにアメリカでは、彼ら年金基金が唯一の真の資本家である。 すなわち、ポスト資本主義の知識社会では、資本家は従業員である。彼らは従業員として給与を受け、従業員として考える、自らを従業員として認識する。だが、彼らは資本家として行動する。
資本主義のもとでは従業員が資本に仕えていたが、ポスト資本主義の元では資本が従業員に使える。
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