1999-07-28 Kitchen Drinkers @吉祥寺 MANDA-LA2
キッチンドリンカーズは三橋美香子(Vo.)、田中悠美子(Vo. 太棹三味線, 大正琴)の2人で、ラテン、バロック、浄瑠璃、詩吟、Queen、Sex Pistols辺りを脈絡無くまとめた破天荒な着想の曲をやるユニット。
吉見征樹(tabla)
太田恵資(vl.)
一噌幸弘(recorder, 能管, dr., g.)
八木美知依(箏)
で、編成の割に奇麗にまとまったアンサンブルを聴かせるものでした。一噌幸弘のDerek Baileyばりのギターや、リコーダー2本同時の循環奏法等、なかなか見せてくれるお遊びも楽しかったのですが、田中悠美子の棒読み唱歌、ドスの効いた声量あふれる源平合戦(?)、太棹三味線の演奏とすっとぼけたMCは、異彩を放ちブラックホール的な求心力に溢れていました。痛く感動したので今回もその辺を期待してライブ観戦。
https://gyazo.com/bf2cf745701e7581a11f97c5c420e0c5
今回のゲストは
大友良英(g., b.)
植村昌弘(dr.)
菊池成孔(sampler, sax)
※以下(上の方も)曲目その他は記憶違い知識不足につき不正確省略ご容赦。
ラテンの『テキーラ』 → 『太陽の彼方』 → こまどり姉妹「そーらん渡り鳥」
田中悠美子の棒読み唱歌の声が段々あがってきて錯乱に至る曲ですが、今回rock-funk的な編成でサイケ調を交えた演奏で、彼女のブラックホール的な求心力にうまく応えたいい演奏でした。
小唄『猫じゃ猫じゃ』をびにょびにょ電子音を交えたfunkで。
火曜サスペンス劇場的な教会音楽 → 大正琴によるBach → 「コガネムシは金持ちだ」 → 『カルミナ・ブラーナ』
大友良英のワウワウギターのカッティングが冴える。『猫じゃ』は夏目漱石の『我が輩は猫である』で触れてあるのでどんな唄か知りたかったのだけれどこの曲で初めて聴いた。
Queen『Bicycle Race』とか、和風かつ古風な歌詞の『Anarchie in the UK』といったこのバンドの定番は、どうも異ジャンルを意外な編成でやる事に主眼を置いている様で、妙にまとまっていて今ひとつ。『James Bondのテーマ』も今回ベースラインを太棹三味線からエレキベースに変えてしまって演奏が弱くなっていました。それに反して、今回初お目見えの『狂わせたいの』『ジンジンさせて』山本リンダメドレーはこのバンドのカラーにとても合っていた気がします。
Queenの中にはさまっていた、田中悠美子の創作唱歌「加東自動車教習所」は爆裂した歌詞と棒読み歌唱がごきげん。『お気にの教官は登録番号16番の服部先生』とか『6ヶ月で仮免取らなかったのでやりなおし』とか三十路にして教習に行く悲哀とか。後、どの曲だったかエキサイトして『うぎゃー』と叫びながら椅子に片足置いて太棹三味線standing playに走ったのがハイライトでした。
大友さんは心境の変化か、ここ当分はギターしかやらないそうです。このバンドは全部譜面化してあるのと、ミディアムテンポの刻みがあるのとでギターは辛そうでしたが、こういう路線も面白いかも。個人的には大友良英の即興ライブは本業のturntableは好不調の波が大きく、ギターの方が好きだったのでうれしいというか複雑な気分。
https://www.youtube.com/watch?v=jXpdM8hCqrE
全然関係ないのですが、折角中央線沿線に行ったので、確認の為、高円寺Show Boat前の沖縄居酒屋「抱瓶(だちびん)」に寄ってジーマミー豆腐とソーキ汁を食べてきましたとさ。この店と高田馬場の沖縄料理屋「次郎亭」はおいしい。
<1> 1998年7月?