【2/4】全米で最も住みたいまちNo.1ポートランドのまちづくり(テラスタ「02」渡辺斉さん)
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全米で最も住みたいまちNo.1ポートランドのまちづくり
ポートランドの概要
オレゴン州は本州よりやや大きい面積に約400万人が住み、この中心がポートランド。人口約60万人で、都市圏人口約250万人くらいです。今では全米で最も住みたい町と言われていますが、1950年代60年代は町が落ち込んだ時期もありました。
かつてはオレゴンの森林資源の積み出しの港であり、また重化学工業で栄えた町でした。1960年代にはモータリゼーションの急激な進展や公害により中心市街地の空洞化し、郊外の乱開発による自然破壊、河川の汚染、治安や防犯上の課題も増大していました。危機感を持った市民が1972年の選挙で32歳の若い市長ニール・ゴールドシュミットを担ぎ出しました。他の都市に先駆けて1973年にUGB(都市の成長管理政策アーバン・グロース・バウンダリー)を策定し周辺の豊かな自然を守りながら都市機能を集積し、職・住・遊が近接した人間のための町づくりに取り組みはじめました。これが今から50年前です。
アメリカはフォードやクライスラー、GMといった企業が強い国です。ロビー活動も盛んで、車を中心に町が作られ、鉄道も普及していない。その中で人間のための町づくりを掲げ、高速道路を撤去し、公園にしたという政策は良くやれたと思う。ストリートカー(路面電車)を走らせ、バスによる交通システムをを実現させて、町中が賑わう仕掛けを作りました。最近では環境対策として自転車による通勤や移動が奨励され随所に自転車ターミナルと企業協賛によるレンタルシステムが実現しています。
多様な価値観とまちづくり
アメリカからまちづくりワークショップが始まりましたが、なぜアメリカで始まったかというと、アメリカには価値観の違う人がたくさんいます。多様な人がいる中で、これをまとめる手法として考えられたのがワークショップでした。日本で初めてワークショップを行ったのが世田谷区で1980年代でした。そこから急速に日本でも住民参加型のワークショップが行われるようになりました。
アメリカの街区の大きさは1辺が120mですが、ポートランドではこれを約半分の61mにして高層ビルが立てられないようにしました。低層の町づくりです。
ポートランドの再開発と戦略
日本の再開発は老朽化したビルを壊し、新しいビルを立てます。今、新潟でも大和の跡地が再開発されています。ポートランドは木材の輸送用の倉庫がたくさんある倉庫街でしたが、この倉庫街を壊さず、木造の骨組みを生かしならがリノベーションをしています。ここでのキーワードも「ミックス」「混在」です。色々な人たちが居る。多様に用途も食と住と遊が混在する町になりました。日本の場合は戦後、公害問題もあり、都市計画で住宅地と商業地域、工業地域を分けて純化してきました。昔は、新発田でも住宅地の近くに大工さんがいて、隣には豆腐屋さんがいました。今は大工さんも豆腐屋さんも機械を使う騒音の問題も住宅地に居ることができません。ポートランドはあえて混在させています。横浜はあえて混住戦略を進めていますが、ポートランドは先進的に進めてきました。
地産地消の町
ポートランドは地産地消を徹底しています。飲まれているビールはほとんどが地ビールです。ワインも地ワインです。地域の産業を大切にします。コンビニも少ないです。大手ナショナルチェーンが少なくて、地域のものは地域でやろう、自分達のものは自分達で作ろうというかつての開拓者魂があります。ここはとても学ぶべきだと思います。
ポートランドの南のサンフランシスコで金が出たので、色気のある人たちはゴールドラッシュのサンフランシスコに行って、真面目な人達が残ったということもあるかも知れません。
ポートランドのガバナンス
ガバナンスの仕組みに特色があって、市議会議員は5人でその中の1人が市長です。5人の合議制で決めていきます。日本では制度的に難しいですが、意思決定が早く、責任も明確です。近年、市長の月給が上がって、月100ドルになったそうです。ボランティア精神で市長の職についているという面があります。ただお金に余裕のある人しか市長になれないという逆の問題もあります。
ポートランドは、政策がブレません。私はこれまでも政策やまちおこしに関わってきましたが、一番困ることは、政策がブレることです。行政のトップが変わったら、政策も担当者もがらっと変わってしまうということがしばしば起こりますが、まちづくりは10年20年30年かかるのでブレないことが重要です。ポートランドにはそのための仕組みが整っています。
大地の芸術祭は、ブレない仕組みづくりを行いました。6市町村にまたがった芸術祭なので、それぞれの首長に10年間は総合ディレクターにつくという誓約書を出してもらいました。これが結果的に良かった。トップが変わっても地域づくりはブレてはいけません。
#テラスタ02:ポートランドはどうやってポートランドになったのか(渡辺斉さん)
【1/4】時代の潮流・まちづくりの動向(テラスタ「02」渡辺斉さん)
【2/4】全米で最も住みたいまちNo.1ポートランドのまちづくり(テラスタ「02」渡辺斉さん)
【3/4】新発田の可能性を考える(テラスタ「02」渡辺斉さん)
【4/4】参加者とのディスカッション(テラスタ「02」渡辺斉さん)