火星の新衛星が消える
TDL.icon 既報の火星の新衛星に関する驚くべき情報が各地の天文台から寄せられている。 消失したのは、10月28日の21時頃、ナポリの天文台で新衛星を観測していたところ、突然きえたという。その後も観測されていない。また、同じ頃フランスの天文愛好家でジャン=バティスト・ランベール(Jean-Baptiste Lambert)も、新衛星が消失したとパリの新聞に投稿した。 火星の観測では既知の二つの衛星以外の衛星は発見されなかった。世界各地の天文台でも同じ結果と各紙が伝えている。
ダンディー天文台のオグリビー研究員は、これまでの観測から得られたデータから導引機械で得られた計算により、確かに火星を回る軌道を取っていたことは確認されている。これはアメリカでも同様の計算結果が出ており、この一ヶ月あまりの観測では、大よその大きさがわかるところだった。ダイモスやフォボスの軌道にも目立った影響が見られないことから、一時的な現象とも思えない。隕石などが、一時的に火星の周回軌道をとることは考えられないことであり、その場合でもフォボスやダイモスの軌道に影響を及ぼすことになる。消えた新衛星の質量は定かでないため、ダイモスの十分の一から半分までと様々な説がでている。このことはダイモスの質量も再検討の余地があると思われる結果だ。新しく発見されたとされる衛星が質量を持たないとするしかない。これらを踏まえて計算した軌道計算がほぼ確かめられようとしたときに、この影は消えた。イタリアのジャコモ・ヴィスコンティ(Jacomo Visconti)は、ダイモスの動きに摂動が見られたと述べている。
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