倫敦警視庁前に死体が放置される
TDLimg.icon 巨大都市倫敦において、遺失物は日常過ぎて当事者以外は気にも止めないことだろう。現に、倫敦警視庁の遺失物課は、多くの落し物であふれかえっている。 しかし、こともあろうか、その倫敦警視庁の目の前に落し物を、それも人の死体を落とすとはいかなることであろうか。
昨夜未明、深い霧に覆われてた寒空の下で、倫敦警視庁の入り口で夜警を務めていた、ゴドフリー・マシソン巡査は、ヴィクトリア・エンバンクメントに何かが落ちる音を聞いた。 マシソン巡査が、音のした方へ走りガス・ランタンを向けると、道の上に人間の姿に似たものを認め、近づいてみると裸の男が死んでいるのがわかった。巡査の呼子で、倫敦警視庁の中にいた警察官たちが出てきた。すぐに倫敦警視庁で宿直担当であったリチャード・リバーブロンズ警部が呼ばれた。 警部は、男の状態から死後に運ばれてきたとわかった。周辺に麻紐の切れ端が落ちており、男の首に紐で縛った様な跡が発見されたために、死因は絞殺であると考えられる。
しかし、問題はどこからどうやって運ばれてきたかである。マシソン巡査や、付近をパトロール中の警察官も不審な馬車やテムズ川に船などはみなかったという。死んだ男の身許も含めて、謎は深まるばかりである。
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