中動態の世界
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2022/02/19
要点
過程が主体の外/内で完結する、能動/中動という関係が元々存在し、受動態はそこから派生したと考えられる
ただ、出来事を主客で認識する西洋思想研究の中で、中動態は排除されてしまった 数少ないスピノザ研究から理解できることは、「中動的なあり方を認識すること」は受動によって自身の本質から切り離された状態である強制と、能動によって享受できる自由の二つの両極端ではあり得ないことを自覚することである 人間関係ひいては社会の中で、強制と自由の動的な状態で、自分や他者の考え方を捉える
それが自分の中での中動のありようを理解したり、徳として社会を規定する法の在り方を検討する鍵となる
メモ
意思は行動に先立たない
意思は一般的に言って能動的な選択の責任能力によって出現してきた概念
命題論
名詞と述語(今の形容詞)
文節を10つに分けたカテゴリー論
⑦どんな状態か(状態)⑧どんな姿勢か(姿勢)が先に来ている
中動態に収まらないものの論議
最古のギリシャ語の文法書「文法の技法(テクネーグランマティケー)」 能動(エネルゲイア)・受動(パトス)・中動(メソテース)で後年の学者が分類
アンダーセンの主張
能動=エネルゲイアのように動詞の形態を表すのではなく、 意味を表している
エネルゲイア:「遂行」(能動態)
パトス:「 経験」・受動・再帰・抽象を指す(中動態) メソテース:それ以外の中間的なもの
能動態の完了(活用は能動だが意味は非能動)
能動だが、自分のために"なす"行為(活用は中動だが意味は能動)例:ポイエオー(作る・もたらす)
主語が過程の外にあるか中にあるかで能動/中動が分けられる
言語は、思考の可能性を規定する
言語が思考の条件or思考が言語に還元されるの二律背反ではない
意志と選択の区別
理性と欲望を紐付けるものであり、意志という概念はなかった
自発、非自発における一致の有無の解釈の相違
権力と暴力は異なる(フーコー)
権力:主体が能動的に、客体に行為をさせる
能動と中動の対立で説明できる
ex.)カツアゲの問題
暴力:行為を抑圧する
行為を誰に帰属させるべきか?という問い
意志することは「忘れること」「考えないこと」「憎むこと」