チェックリスト
〈チェックリスト〉は、一連の手順を管理するためのリストです。繰り返される行動の標準化や効率化に役立ちます。 ■運用
朝出かけるときに、寝癖がそのままだったり、財布や入館証を忘れてしまう、という事態が頻発していたとしましょう。そうした場合に、「財布は持ったか、入館証は持ったか、寝癖はついていないか」という項目が入ったリストを作っておきます。それがチェックリストです。
後は毎朝出かける前にこのチェックリストを取り出し、上から一つひとつ確認していけば、忘れ物のない状態や整った身なりで出発できます。自分が考える「こうありたい」という状態に自分を近づけられるわけです。
他にも、手順がややこしすぎて覚えきれない業務があるときには、必要な作業をリストアップしたチェックリストを作ることもできます。毎回そのリストに沿って作業を進めていけば、期待される成果に近づけられます。
■効用
チェックリストを作ることは、行動や成果の標準化をもたらします。また、効率化も期待できます。
まず私たち人間は忘れっぽい存在です。だから、やるべきことをやり忘れる、ということがよく起きます。慌ただしい状態での作業、長期間の間隔をおいて繰り返される作業などは、その忘れっぽさが最大限に発揮されます。チェックリストが役立つのはそうした状況です。
こなすべき作業をリストに記載しておくことで、やり忘れを防げますし、必要ではない行動を抑制する効果も期待できます。それが〈行動の標準化〉ということです。これは料理におけるレシピの働きとよく似ています。チェックリスト作りは、仕事や家事のレシピを作ることだと捉えてもよいでしょう。
行動の標準化を考慮すれば、チェックリストはクローズリストとして運用されるのが最適です。思いつきで作業をするなら、そもそもチェックリストを使う意味がありません。その点には十分な注意が必要です。 ■応用
使用中はクローズですが、作成したチェックリスト自体は、適宜変更できます。むしろ実行した結果のフィードバックがあるならば、変更した方がよいでしょう。必要な作業を追加したり、不必要な作業を省いたりというリストの改善を行うことで、次回の自分の行動も改善できます。
「以後気をつけます」とただ言うだけでなく、それを現実化できる力がチェックリストにはあります。