Will-doリスト
〈Will-doリスト〉は、Todoリストの変形版です。「やるべきこと」をより絞り込んだ形で扱います。 ■運用
一日の早い時間帯に、その日に取りかかる作業を決めてしまい、それをリストに書き込みます。たとえば、朝一番に「やるべきこと」が並んだTodoリストをチェックし、その中から「よし、今日はこれとこれに取り組もう」と選んだものだけを、このリストに書き込みます。
後は、このリストに書かれたことだけを実行していきます。他のTodoには目もくれずに、Will-doリストにあることだけに集中的に取り組んでいきます。つまりこのリストは、クローズリストです。ある時点で「今日やる」と決めたものだけを入れて、その後はリストを閉じてしまうわけです。 もちろん、絶対に追加してはいけないわけではありませんが、原則として追加することはせず、Doingリストと同じように、追加分は別のリストに放り込んでおき、後から「これは今日やるべきことかどうか」を判断した上で、このリストに追加するかを決めるのがよいでしょう。 ■効用
さまざまなTodoのうちから、「今日やる」と決めたものだけを集めるのがWill-doリストです。英語のwillは、未来形を作るときに助動詞としても使われますが、名詞的な意味は「意志」です。つまり、実行する意志を持ったものだけを選別するのがこのリストの役割です。
このリストを作ることは、手持ちのTodoに対して、今日やるものと、今日はやらないものの線引きを行うことを意味します。自分の意志によってタスクを選り分けるわけです。当然このリストは、Todoリストよりも小さいサイズになります。もしそうなっていないなら、それはTodoリストです。
このWill-doリストを作ると、一日の作業の終わりが明確となります。これをすべてやれば今日は終わり、ということが視覚的にわかるのです。
もちろん、そうはいっても「やるべきこと」は他にもたくさんあります。Will-doリストの外には、片付けなければならないものが山ほど残っていることでしょう。しかし、現実的に一日ですべての「やるべきこと」を片付けることはできません。人はやれるだけのことしかできないのです。
到着地点を知らされていない行進はそうでない行進よりも疲れる、という話がありますが、タスクの実行に関しても同じことが言えるでしょう。「あれもこれも」ではなく、「今日はこれ」と決めてしまうことで、終わりの見えないタスクに押しつぶされるような感覚は減少していきます。
■応用
現場でリアルタイム的に発生する作業が多すぎて、事前に「今日やること」を確定しきれない場合であっても、Will-doリストは運用できます。
まず一日の中で使える作業時間の平均を考え、その作業時間を「今日」として、今日やることを決めます。その時間が一時間なら、一時間でできる「やること」を決定するのです。ただそれだけのことでも、仕事に振り回されている感覚は減っていくでしょう。